宅建士試験合格講座 重要事項説明 > 重要事項の説明内容 #3
■ 3 区分所有建物である場合に加わる説明事項
上記の説明事項に加えて、区分所有建物の売買・交換の契約の場合は、次の(1)~(9)の事項を、貸借の契約の場合は、次の(3)及び(8)の事項を説明しなければなりません。
(1) 敷地に関する権利の種類及び内容
当該建物を所有するための一棟の建物の敷地に関する権利の種類及び内容
「権利の種類」に関しては、所有権、地上権、賃借権等に区別して記載しなければなりません。
マンションの建物が定期借地権の設定された土地の上に存するときは、当該定期借地権が登記されたものであるか否かにかかわらず、当該定期借地権の内容について説明しなければならない。
(2) 共用部分に関する規約等の定め
区分所有法に規定する共用部分に関する規約の定め(その案を含む。)があるときは、その内容
「共用部分に関する規約の定め」には、いわゆる規約共用部分に関する規約の定めのほか、いわゆる法定共用部分であっても規約で確認的に共用部分とする旨の定めがあるときにはその旨を含みます。
(3) 専有部分の用途その他の利用の制限に関する規約等の定め
区分所有法に規定する専有部分の用途その他の利用の制限に関する規約の定め(その案を含む。)があるときは、その内容
「専有部分の用途その他の利用の制限に関する規約の定め」には、例えば、居住用に限り事業用としての利用の禁止、フローリングへの貼替工事、ペット飼育、ピアノ使用等の禁止又は制限に関する規約上の定めが該当します。
「専有部分の用途その他の利用の制限に関する規約の定め」については、区分所有建物の貸借の契約の場合にも、重要事項として説明(記載)しなければならない。
(4) 専用使用権に関する規約等の定め
当該一棟の建物又はその敷地の一部を特定の者にのみ使用を許す旨の規約(これに類するものを含む。)の定め(その案を含む。)があるときは、その内容
いわゆる専用使用権に関する説明です。専用使用権は、通常、専用庭、バルコニー等に設定されるものであるが、これらについては、その項目を記載するとともに専用使用料を徴収している場合はその旨及びその帰属先を記載しなければなりません。
マンションの建物又はその敷地の一部を特定の者にのみ使用を許す旨の規約の定めがある場合、その内容を説明(記載)する必要はあるが、その使用者の氏名及び住所については説明(記載)する必要はない。
(5) 所有者が負担すべき費用を特定の者にのみ減免する旨の規約等の定め
当該一棟の建物の計画的な維持修繕のための費用、通常の管理費用その他の当該建物の所有者が負担しなければならない費用を特定の者にのみ減免する旨の規約(これに類するものを含む。)の定め(その案を含む。)があるときは、その内容
マンションの建物の計画的な維持修繕のための費用、通常の管理費用などを特定の者にのみ減免する旨の規約の定めがある場合、買主が当該減免対象者であるか否かにかかわらず、その内容を説明(記載)しなければならない。
(6) 計画修繕積立金等に関する事項
当該一棟の建物の計画的な維持修繕のための費用の積立てを行う旨の規約(これに類するものを含む。)の定め(その案を含む。)があるときは、その内容及び既に積み立てられている額
いわゆる大規模修繕積立金、計画修繕積立金等の定めに関する説明です。
当該区分所有建物に関し修繕積立金等についての滞納があるときはその額を説明しなければなりません。なお、ここでいう修繕積立金等については、当該一棟の建物に係る修繕積立金積立総額及び売買の対象となる専有部分に係る修繕積立金等を指します。
(7) 通常の管理費用の額
当該建物の所有者が負担しなければならない通常の管理費用の額
「通常の管理費用」とは、共用部分に係る共益費等に充当するため区分所有者が月々負担する経常的経費をいい、修繕積立金等に充当される経費は含まれません。
管理費用についての滞納があるときはその額を説明しなければなりません。
(8) 管理の委託先
当該一棟の建物及びその敷地の管理が委託されているときは、その委託を受けている者の氏名(法人にあっては、その商号又は名称)及び住所(法人にあっては、その主たる事務所の所在地)
(9) 建物の維持修繕の実施状況の記録
当該一棟の建物の維持修繕の実施状況が記録されているときは、その内容
本説明義務は、維持修繕の実施状況の記録が保存されている場合に限って課されるものであり、管理組合、マンション管理業者又は売主に当該記録の有無を照会の上、存在しないことが確認された場合は、その照会をもって調査義務を果たしたことになる。
「管理組合の総会の議決権に関する事項」は、重要事項として説明(記載)する必要はない。
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