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宅建士試験合格講座 国土利用計画法 > 注視区域・監視区域における事前届出制・規制区域における許可制

第3節 注視区域・監視区域における事前届出制

■ 1 注視区域・監視区域における土地に関する権利の移転等の届出(事前届出)

(1) 事前届出
 
注視区域または監視区域に所在する土地について土地売買等の契約を締結しようとする場合には、当事者は、一定の事項を、当該土地が所在する市町村の長を経由して、あらかじめ、都道府県知事に届け出なければなりません。
※ 届出先は、指定都市にあっては、当該指定都市の長になる。

 1. 届出義務者は、両当事者である。
2. 注視区域および監視区域における届出は、事前届出である。

(2) 届出事項
 届出事項は次の通りです。

① 当事者の氏名または名称および住所ならびに法人にあっては、その代表者の氏名
② 土地に関する権利の移転または設定に係る土地の所在および面積
③ 移転または設定に係る土地に関する権利の種別および内容
④ 土地に関する権利の移転または設定の予定対価の額
⑤ 土地に関する権利の移転または設定後における土地の利用目的
⑥ その他、国土交通省令で定める事項

(3) 変更の届出
 事前届出をした後で、次の事項を変更して、当該契約を締結しようとするときも、あらかじめ、都道府県知事に届け出なければなりません。

① 予定対価の額(減額する場合を除く)
② 土地の利用目的

予定対価の額を減額する場合は、届出は不要である。減額する場合は、地価の上昇にはつながらないからである。


■ 2 事前届出の対象となる面積

 土地売買等の契約を締結した土地が、次の面積に満たない場合は、事後届出が不要となります。

 ただし、当事者の一方または双方が、上記の面積以上の「一団の土地」について土地に関する権利の移転または設定をすることとなる場合は、届出が必要になります。

1. 注視区域の面積要件は、事後届出の場合の面積要件と同じである。監視区域は、注視区域よりも不当な地価の上昇のおそれが強いために、それよりも小さな面積であっても届出が必要になるのである。
2. 事後届出の要否は、両当事者で判断する。


■ 3 届出不要の例外

 届出対象となる面積であっても、一定の場合は、届け出なくてよいです。届出不要となる例外は事後届出の場合とほぼ同じです。

 

■ 4 勧告等

(1) 勧告
 
都道府県知事は、予定対価の額および土地の利用目的を審査し、当該土地を含む周辺の地域の適正かつ合理的な土地利用を図るために著しい支障があると認めるときは、土地利用審査会の意見を聴いて、その届出をした者に対し、当該土地売買等の契約の締結を中止すべきことその他その届出に係る事項について必要な措置を講ずべきことを勧告することができます。
 この勧告は、届出があった日から起算して6週間以内にしなければなりません。都道府県知事は、勧告をする必要がないと認めたときは、遅滞なく、その旨を届出をした者に通知しなければなりません。 

(2) 契約の禁止
 
届出をした者は、その届出をした日から起算して6週間を経過する日までの間、その届出に係る土地売買等の契約を締結してはなりません。ただし、勧告または勧告しない旨の通知を受けた場合は、6週間を経過していなくても契約を締結することができます。

 

■ 5 罰則等

(1) 届出をしなかった場合
① 罰則
 届出義務者が、届出を行わなかったときは、6月以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられます。
② 届出をしなかった場合の契約の効力
 届出を行わなかったとしても、締結した契約が無効になることはありません。 

(2) 勧告に従わなかった場合
① 勧告に従わなかった旨の公表
 勧告を受けた者がその勧告に従わないときであっても、罰則はありません。そこで、勧告を受けた者がその勧告に従わないときは、都道府県知事は、その旨およびその勧告の内容を公表することができます。
② 勧告に従わなかった場合の契約の効力
 勧告に従わなかったとしても、締結した契約が無効になることはありません。

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