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宅建士試験合格講座 国土利用計画法 > 事後届出制
第2節 事後届出制
注視区域、監視区域または規制区域のいずれにも指定されていない区域に所在する土地についての土地売買等の契約は、事後届出制の対象となります。
■ 1 土地に関する権利の移転または設定後における利用目的等の届出(事後届出)
(1) 事後届出
土地売買等の契約を締結した場合は、当事者のうち権利取得者は、その契約を締結した日から起算して2週間以内に、一定の事項を、当該土地が所在する市町村の長を経由して、都道府県知事に届け出なければならない。
※ 届出先は、指定都市にあっては、当該指定都市の長になる。
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1. 届出義務者は、権利取得者である。
2. 購入の予約をした場合は、その予約をした日から2週間以内に届出を行わなければならない。その予約完結権を行使する時は、届出は不要である。
3. 停止条件付売買契約については、その契約を締結した日から2週間以内に届出が必要である。その条件が成就した時は、届出は不要である。
(2) 届出事項
届出事項は次の通りです。
① 土地売買等の契約の当事者の氏名または名称および住所ならびに法人にあっては、その代表者の氏名
② 土地売買等の契約を締結した年月日
③ 土地売買等の契約に係る土地の所在および面積
④ 土地売買等の契約に係る土地に関する権利の種別および内容
⑤ 土地売買等の契約による土地に関する権利の移転または設定後における土地の利用目的
⑥ 土地売買等の契約に係る土地の土地に関する権利の移転または設定の対価の額(対価が金銭以外のものであるときは、これを時価を基準として金銭に見積った額)
⑦ その他、国土交通省令で定める事項
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土地の利用目的だけでなく対価の額も届け出なければならない。
■ 2 事後届出の対象となる面積
すべての土地売買等の契約につき事後届出が必要になるわけではありません。土地売買等の契約を締結した土地が、一定規模以上である場合に、事後届出が必要となります。
土地売買等の契約を締結した土地が、次の面積に満たない場合は、事後届出が不要となります。
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ただし、権利取得者が上記の面積以上の「一団の土地」について土地に関する権利の移転または設定を受けることとなる場合は、届出が必要になる。
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1. 事後届出の要否は、権利取得者で判断する。売買契約であれば買主で判断する。
2. 交換の場合も、事後届出の要否は権利取得者ごとに判断する。つまり、交換によって相手方から取得する土地が、届出対象となる面積かどうかで届出の要否を判断する。したがって、交換の一方の当事者は届出が必要であるが、他方の当事者は届出が不要ということもありうる。
3. 事後届出の要否を判断する面積は、「一団の土地」であって「一筆の土地」ではない。
4. 「一団の土地」であるかどうかを判断する基準は以下のとおりである。
① 物理的一体性…土地が隣接もしくは近接していること。必ずしも隣り合っている必要はないが、近くになければならない。
② 計画的一貫性…マンションを建てるために数筆の土地を買うといった具合に一連の計画のもとに取引されていなければならない。計画的一貫性があれば、たとえ時間的には多少のズレ(本試験では「半年」という出題あり)があっても問題とされない。
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