宅建士試験合格講座 国土利用計画法 > 国土利用計画法の概要
「国土利用計画法」からは、毎年1問出題されます。この法律は、地価の不当な上昇を抑制するために、土地取引を規制しています。その内容には「許可制」と「届出制」があり、さらに届出制には「事前届出制」と「事後届出制」があるが、圧倒的に重要なのは「事後届出制」です。出題の9割以上は「事後届出」の要否およびその手続となっているので、まずはここに絞って完璧にマスターすることです。国土利用計画法での失点は合否に直結すると認識し、確実に得点できるようになるまで問題演習あるのみです。
第1節 国土利用計画法の概要
■ 1 土地取引の規制
国土利用計画法は、不当な地価上昇を抑制するために、「事後届出制」、「事前届出制」および「許可制」を用意しています。
(1) 事後届出制
原則は、「事後届出制」である。国土利用計画法は、一定規模以上の土地取引を行った場合に、都道府県知事への事後届出を義務付けています。
(2) 事前届出制
地価が上昇しているような区域があると、そこは「注視区域」または「監視区域」に指定されます。これらの区域が指定されると、その区域内は「事前届出制」となり、一定規模以上の土地取引を行う前に、都道県知事に事前届出をすることが義務付けられます。
(3) 許可制
投機的取引が集中して行われ、地価が急激に上昇しているような区域があると、そこは「規制区域」に指定されます。この区域が指定されると、その区域内は「許可制」となり、土地取引を行うには、都道府県知事の許可が必要になります。
【届出制と許可制(まとめ)】
区域の指定なし・・・事後届出制
注視区域・・・事前届出制
監視区域・・・事前届出制
規制区域・・・許可制
■ 2 注視区域・監視区域・規制区域の指定
(1) 注視区域・監視区域・規制区域の指定
地価が上昇している区域は、都道府県知事によって、注視区域、監視区域または規制区域に指定されます。地価が急激に上昇する可能性は、注視区域、監視区域、規制区域の順に、高くなっていきます。
① 注視区域の指定
都道府県知事は、当該都道府県の区域のうち、次の要件に該当する区域を、5年以内の期間を定めて、注視区域として指定することができます。
地価が一定の期間内に社会的経済的事情の変動に照らして相当な程度を超えて上昇し、または上昇するおそれがあるものとして国土交通大臣が定める基準に該当し、これによって適正かつ合理的な土地利用の確保に支障を生ずるおそれがあると認められる区域
② 監視区域の指定
都道府県知事は、当該都道府県の区域のうち、次の要件に該当する区域を、5年以内の期間を定めて、監視区域として指定することができます。
地価が急激に上昇し、または上昇するおそれがあり、これによって適正かつ合理的な土地利用の確保が困難となるおそれがあると認められる区域
③ 規制区域の指定
都道府県知事は、当該都道府県の区域のうち、次の要件に該当する区域を、5年以内の期間を定めて、規制区域として指定するものとします。
1. 都市計画区域にあっては、その全部または一部の区域で土地の投機的取引が相当範囲にわたり集中して行われ、または行われるおそれがあり、および地価が急激に上昇し、または上昇するおそれがあると認められるもの
2. 都市計画区域以外の区域にあっては、①の事態が生ずると認められる場合において、その事態を緊急に除去しなければ適正かつ合理的な土地利用の確保が著しく困難となると認められる区域
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