第4章【ふだんが大事】完
"ふだん"が大事
『ふだんが大事なんですよ』ほとんどの方が聞いたことがある言葉でなないでしょうか。
では、その”ふだん”とは。
抽象的過ぎて、つかみにくいですよね。
あなたの1日、朝起きてから、夜寝るまで、どれだけの行為をされていますか?
着替える、料理する、食べる、仕事する、掃除する、パソコンをするなど。
そして、ほとんどの行為は動きを伴います。日常は動きの連続とも言えます。
少し、具体的に日常を見ていきます。
なんとなくでなく、具体的にしてみる
仕事をしてる時、料理や掃除をしてる時など、なんとなくはイメージは浮かびます。が、具体的にどこをどうしたらいいのか。迷っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで必要なのは、スケールを最小単位に、細かく一つ一つの行為を分解することです。
仕事をしている時、家事をしてる時だけでなく、全て対象になります。
例えば、着替える。着替えるにはクローゼット、引き出しから服を取る、服を脱ぐ・着るという行為をしています。
細かく見ると、腕をあげる・さげる、体をひねる、たおす、しゃがむ、立ち上がる、足をあげるなどしています。
結構な数していますよね。
その時、ズボンや靴下履くなど、無理な体勢をとってないですか、その時のご自分の呼吸はどうなっていますかね。
「ウッ」てなってませんか?
動きによって呼吸が乱れる、もしくは呼吸から動きが乱れています。
前回の記事で行った、呼吸と動きのワーク。
息苦しい、緊張しやすい、力が抜けにくい、不調でお悩みの方は、息が出ていくところで出ていかない、もしくは吸っています。自然な呼吸が働いていません。
一つ一つの動きが、体に対して不快な(窮屈、重いなど)体験になります。
その1回だけ見れば、そのぐらいと思うかもしれません。
しかし、着替える一つにしても、結構な数をしています。1日にする所作の数。数十回?数百回??
千回単位で行っています。
その全てでなくてもその内の半分、少なく見積もって2〜3割でも、2〜300回は不快な体験をすることになります。
例えば、腕立て伏せも1回ならなんとか頑張れますし、筋肉痛やケガすることもないでしょう。これが1日何百回したらそうはいきませんよね。ヘトヘトになり、毎日毎日同じ繰り返しだったら...どうなっちゃうか、なんとなく想像つきますよね。
そう聞くと、「えぇ、そんなに...」と思うかもしれませんが、逆に、それだけ変わるチャンスがゴロゴロ転がっています。
その事実を知り、まず1つ変えていくところからスタートです!
一気に全部変えようとせずに、まずは一つ身の回りから
一つポイントとして、何かをしようとする時に、一気に仕様を変えようとすると3日坊主になる可能性が高いです。笑
一朝一夕で変わるものでないので、まずは頑張って全部変えようとせずに、まずは着替える時だけやってみる。
出来てきたら次は家を出るまで、午前中と範囲を広げてくいくといいですね。
意外と共通する所もあるので、やっていくうちに一気にできる範囲が広がることもあります。
こういうことをすると、最初は意識するので、今まで以上に息が止まっていることに気づくかもしれません。
それだけ自分の体と向き合っている証拠です。それも変わっていく過程の1つです。
そして、いつも息が止まっていたところで、止まらなくなったら大きな前進です。
1回息を止めても大きく変化しないように、1回止まらなくなっても大きな変化は感じませんが、体に楽な、良い感覚が入力されます。淡々と繰り返していくうちに、着実に体は変わっていきます。
魔法みたいに、ワン、ツー、スリー・・パッ。「おーーー!」みたいなのはインパクトありますが、そのうち冷め、すぐに元に戻ります。
刹那的な変化も必要ですが、養生も並行しながらですと、より基礎がしっかりし活きてきます。
ここに書いてることは、たぶん地味〜なように思うかもしれませんが、本質的な変化をするので、ストレッチしてすぐに戻ってしまうとは違う変化です。イレギュラーなことが起きても、またすぐに戻ってこれます。
まとめ
僕のイメージとしては、樹木を育てるです。
最初は色々やることがあります。こまめに水や肥料をあげたり、すぐにポキっとなるかもしれないから風から守ったり。
徐々に大地にしっかり根を張っていて、葉や実がつき、時がくればお花が咲く。
いずれ花や実、葉も落ちます。それの繰り返しですが、毎回表現されるものは違います。生長すればするほど。
毎日見てると大きな変化は見えないですが、それでも確実に根を伸ばし、幹も生長しています。
長いスパンで見れば確実に、太く、ガッチリ根が張っているのが分かり、軸がしっかりすると多少のことではびくともしません。
もちろん良いことだけでなく、どれだけ注意して、水や肥料を与えていても、時には実がならない、枯れてしまう時もあります。
そういう時は、根に栄養剤を与えたり、誰かの手を借りたり。自分でどうにかするより、早く確実に対処してもらえます。
状況に応じて決め、経験値が増えれば、もしかしたらこうしたらいいかな。ここはプロに頼って、もっと良い案を教えてもらおう。
そうやって大切に育てる、その行為自体が面白いです。
日々、体と向き合うことも、それに近いように思います。
体と向き合うには、色々やることあります。最初は、それどころではない人にとっては、治療をして心身に余白を作ってもらい、自分でも少しずつ日常を変えてみる。
こういう時はどうしたら良いんだろう、自分で解決できない時は、プロに頼んでヒントを得たり。
何でもかんでも自分でゴールを目指すより、先にゴールを知って目指すのも一つの手です。
少しづつ地に足をつけ、軸を太くしていく。
あっ、いつも止まっていた呼吸が1回止まらなくなった。こういう体の使い方なら楽かも。また一つと増えていく。
間違いなく体は変わっています。
疲れにくくなってるかも、いつもより動けるかも。
そんな日々を過ごしていたら、あれ?最近肩こり無いな。最後痛み止め飲んだのいつだったかな。
悩んでいた症状が、治っていた。
体に余裕ができると、痛みを良くしよう、病気にならないようにと、そこに使っていたエネルギーを他に使えるようになります。
マイナスからゼロ、次はゼロからイチを。
自分の可能性を発掘し、開拓していく。
年だから、私はこうだから、と思っていたことも、あれ?私の身体ってこんなだったんだと、希望も見えます。
時には後退したり、止まったりしてるように見える時もありますが、結果的には一歩一歩前進している。
それでも病気になることもあります。
どれだけケア、食事、運動など、体に気をつけていても。
それが自分と向き合うということではないでしょうか。
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えんじゅ
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