
YAMAHA QY20 修理に必要な道具
今回は、QY20を修理する際に使用している道具等を紹介します。すべてが必ず必要というわけでなく、必要な条件も紹介します。
まず、工具です。

左から順に説明します。
ニッパー:スパッと切れるニッパーです。より線を押しつぶして、バラバラになってしまうようなニッパーは、修理ミスのもとになります。
ラジオペンチ:先が細く、合わせの良いラジオペンチです。丸いコンデンサ等をつかんでも滑らないのが大事です。
マスキングテープ:ケースを保護したり、はんだ付け部品の仮止めに使用します。
ピンセット:先端の合わせがしっかりしており、力を加えても歪まないピンセットです。ピンセットでしっかりつかめないと修理できません。
プラスドライバー:ケースや基板はプラスネジで留まっています。+2番のドライバーが良いです。ネジ頭をナメないためにも、カチッとはまるドライバーが良いです。
ハンダ吸い取り器:白光の吸い取り器です。私はこれが一番使いやすいです。表面実装のコンデンサを取り除いた後の、ランド面の整形、基板貫通穴を埋めているハンダの吸い取り、表面実装ICのハンダ融着を取り除くのに使用します。必須ではないですが、極力用意したい工具です。使い方もコツがいるので、練習が必要です。代用として、ハンダ吸い取り線がありますが、貫通穴のハンダはかなり難しいと思います。
はんだごて:必須です。これがないと何もできません。できれば、温調はんだごてが良いです。安定したはんだ付けができます。上級者はどんなはんだごてでも使いこなせると思いますが、私は温調はんだごてが必須です。
ストリッパー:配線の被覆を剥がすのに使います。なくても修理できますが、有ったほうが作業がはかどります。
続いて、修理用部品です。

被覆付き配線:基板上のパターンが切れていることが多いです。ほとんどがViaと呼ばれる表裏をつなぐ小さな穴がありますが、ここが腐食して断線しています。断線部をジャンパーするために使います。ジャンパー付けする部分は、表面実装チップやICの足になるので、細い線が良いです。
ハンダ:細めのハンダ線がよいです。
部品:交換用の部品を調べて、購入しておきます。
フラックス・フラックスリムーバー:古い基板なので、ハンダが溶けにくく、また新しいハンダとなじみません。フラックスを使用します。フラックス使用後は、リムーバーで掃除します。私は、リムーバーでなく、無水エタノールで掃除しています。これらは無くても作業できますが、ハンダ作業で苦労するかもしれません。
ペースト:配線の先に予備はんだをつけたりするときに使用します。なくても修理作業できます。
最後に、機材です。

マルチテスター:電圧測定、コンデンサの容量測定、導通確認に使用します。テスターは必須です。
オシロスコープ:CPUや表示コントローラ、デジアナ変換の状態を確認します。電源ONしても全く動かない、乱れた画面表示、起動画面だけ表示、音が全く聞こえない、などの現象では、原因の切り分けに使います。正常に操作でき、音も出るが、液晶表示されないという故障ではオシロスコープは使わなくても修理できます。
これらすべてが必要というわけでなく、代わりに使える道具や、もっと便利な道具があると思います。