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大阪中之島美術館で再び迷う

月に1回は美術館に行きたい。しかし好きな美術館はもれなく混んでいる。2022年に大阪中之島美術館の開館記念で開催されたモディリアーニ展を観たときは、絵よりも人の頭を見ている時間が多かったように思う。

あれから3年弱が経ち、再び大阪中之島美術館へ行くチャンスがやってきた。今年のお正月休みのある日、妻から「お昼までに帰って来れるなら一人時間をあげるよ」とのお達しが出た。急いでオンラインでチケットを購入し、開館時間ピッタリに着くように家を出た。

すでに列ができている『歌川国芳展』を横目に向かったのは『Space In-Between:吉川静子とヨゼフ・ミューラー=ブロックマン展』。こちらは並ぶどころかほぼ貸し切り状態で鑑賞することができた。

ロンドンでデザインを学んでるときに大学の図書館で毎日のように読んでいたのがブロックマン著の「グリッド・システム」だった。あれから20年という歳月を経て再会したにも関わらず、現在でも古臭さをまったく感じさせない美しい佇まいで会場に存在していた。

当たり前ではあるがブロックマンが活躍していた1950年代はMacもIllustratorもPhotoshopもない時代。吉川静子さんの作品もそうだが手仕事のすごさを体感した展示だった。完成された実物を観られる嬉しさもあるが、アイデア段階のスケッチが残されているのを見ると思考の形跡を知ることができてアナログの素晴らしさを実感する。

昨年末に手帳を新調し今年こそは紙の手帳を使いこなすぞと意気込んだものの、やっぱりデジタルで一元化した方が情報を管理しやすいと早々に方針転換をして、夜な夜なNotionの勉強をし始めたばかりなのに。

再びアナログの誘いに惑わされている。

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