記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

「音楽朗読劇 三毛猫ホームズ」に魅せられて

💡この記事では「音楽朗読劇三毛猫ホームズ」のネタバレが含まれています。
 もしネタバレを見たくない人は、ここで戻っていただいても大丈夫です。

生演奏と朗読劇の新しい舞台

先日、「音楽朗読劇 三毛猫ホームズ」の舞台を観劇しました。
原作は「三毛猫ホームズの騎士道」がベースの舞台になっています。

千秋楽当日、大阪は快晴。2025大阪ハーフマラソンが開催され、会場周辺はランナーと応援者で熱気に満ち溢れていました。

その熱気をかき分けながら、私は会場へ。駅から徒歩10分弱の道のりでしたが、人混みのせいか、いつもより長く感じました。

3日間4公演という短い期間で始まった大阪公演。私は前日のマチネも観劇できたので、2日間楽しい観劇となりました。

今回の音楽朗読劇は、今までにない新しい分野でした。
朗読劇とミュージカルを組み合わせたような舞台形式で、ピアノやギターの生演奏が物語を豊かに彩ります。

タイムマシンで非日常の世界

舞台セットは、シンプルな階段と塔、そして螺旋階段を中心に構成されています。役者たちの表現力と演出によって、様々な場面が鮮やかに立ち現れます。階段は時にハシゴに、またある時には廊下は踊り場へと変化し、観客を飽きさせません。

小道具として、役者さん7人に対して6個の椅子を使い分けます。

この椅子はドイツに行くまでの飛行機の座席や、食卓の椅子など、椅子の表現として使われていますが、猫のホームズは人間ではないので、椅子として使いません。

この表現方法がとても面白かったです。確かに猫は椅子に座りませんよね。
時に飛行機の中だと、貨物室の中ということで、役者さんは一人、螺旋階段に座っていました。

音楽は中世ヨーロッパ風の趣で、和と洋が融合したような独特の響きを奏でます。物語の舞台である古城の雰囲気を高め、観客を物語の世界へと誘います。

また、音楽がきっかけで、起承転結がハッキリと分かれているのが、この作品の良いところだと思いました。2回観劇することができたからこそ、冷静になって考えられたことだけども素敵な転換地点の作り方でした。

役者陣の表現力に感動

役者陣は、それぞれの役柄を巧みに演じ分け、観客を魅了します。歌唱力も素晴らしく、物語に深みを与えていました。

そして舞台上では人間以外のキャラクターもいます。三毛猫のホームズです。俳優の水江建太さんが演じています。

その他、メインキャラクターである片山義太郎は岡宮来夢さん、そして石津刑事は京典和玖さんの3人の俳優さんが演じています。

しかし、その他の物語に出てくるキャラクターは、1人の俳優さんが複数のキャラを演じ分けています。

2.5次元舞台を皮切りに、様々な舞台を観てきた私ですが、宝塚出身者の表現力にはいつも感嘆の念を抱かされます。

大湖せしるさんの存在感は圧倒的で、その所作や佇まいだけで役柄の心情が伝わってくるようでした。役作りへの徹底したこだわり、それを支える確かな実力。舞台に立つ姿は、まさに圧巻です。

原作を知らなくても楽しめる作品

私は今回、ここ5年ほど推している俳優の岡宮来夢さんを見に行くのが目的だったため、恥ずかしながら原作である赤川次郎さんの「三毛猫ホームズ」シリーズの原作は名前を知っている程度の知識しかありませんでした。

それが逆に功を奏したのかもしれません。以前別作品で原作を知っているが故に、自分の好きなシーンがなかったことに落胆したことがありました。今回の舞台では、メインキャラクターである妹の「晴美」は留守番です。

それでも、約2時間に収めるためにはこのキャラクターの数でないといけなかったので、苦渋の決断だったかなと思いました。しかし元のある作品をリライトする脚本家の腕の見せ所です。

最後のまとめられ方もすごかったですし、私はどこを見たら良いんだ!という気持ちにもなるシーンでした。

終わりの時間とトラブル

舞台上の幕が降りると、この日は大阪千秋楽ということで、演者からの挨拶もメインの片山とホームズ以外からもありました。

楽しかった時間があっという間に終わってしまった…という寂しさと、来た時には人がごった返していたような道路がシンと静まり返っていて珍しく車も通っていませんでした。

なんだか急に世界に取り残されたような少し寂しい気持ちになっていた所、今度は会場の最寄り駅が人がごった返しになっていました。

何やら線路で煙が上がったとのことでJRの大阪を走っている環状線が運休していた為。私は前日に会った友人にその事を知らされて、驚きと自分の運の悪さに笑えていました。

おわりに

トラブルもありましたが、私の中ではこの日はまた特別な一日となりました。

朗読劇でイメージ出来るものは役者さんが演技をしつつもセリフなどを読んでいるイメージでした。しかし今回はミュージカル調な部分もあるため、ただセリフを読むだけではなく、歌を歌う部分も多かったです。

もう少しだけ公演があるので今回はこの辺で書き上げようと思っていますが、終演した後にもう少し感想を書けたらなと思っています。

いいなと思ったら応援しよう!