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#ボカスタレ のトリを務めたときの自分の脳内を言語化してみた

この記事を書くに至ったきっかけ

2024/07/13(土)に開催したVocaloid Standard Regulation Vol.1 ( #ボカスタレ )でトリを務めたときの選曲するときにあたってとてもいろんなことを考えていたなと思って、それを忘れないうちに言語化してみたいと思った次第です。

対象読者

  • ボカロDJやってるけど、5時間ってやつがどんなこと考えてるか気になる

  • ボカロDJやってて、トリってなにやればいいかあまりわかんないから勉強したい

  • お客さんだけどなんとなく気になる

  • またどこかのイベントでトリをやることになったときの自分

※ あくまで1ボカロDJの考えだと思って読んでくれると嬉しいです。
この記事を執筆するにあたって誰かの意見や思想を否定するような意図は全くないのでそこらへんご了承いただいた上で読んで頂けると嬉しいです。

当初(イベントが始まるまで)の想定

大筋>前半は自分の趣味ライン、後半にアンセム回収

BPM150~170くらいのEDM系、ダーク系のボカロ楽曲を前半に流して、後半はBPM190くらいのみんなで盛り上がって大団円って感じを想定してました。
混沌ブギ、メズマライザー、オーバーライドなど高BPMの楽曲が
完全にその通りにはいかないとは思っていたけど、実際の流れを見てどのくらいその通りにいけるか、配分はどのように変えていくかというところを見ながら考えていました。

※ アンセムとはそもそもなんだみたいな議論時々ありますが、この記事では
「現場でお客さんと盛り上がることができる曲」、この場合は「ボカスタレに遊びに来てくれたお客さんと盛り上がることができる曲」という定義の下で話を進めていきます。

締め候補曲

締め曲候補にはこんなものを用意してました。

一千光年
皆で輪になってワーーーと走り回るアレ(語彙力)をやって占めるイメージを持ってた。高BPMの楽曲ラッシュを決められそうだったらここで終わろうと思ってました。

フューチャー・イヴ
エモく終わって締める方向に倒れる場合にここで締めようと思ってました。
変拍子なのでグルーヴの中で使用される可能性はそこまで高くないため、DJで使われる可能性も低いけど流したら喜んでくれるお客さんも多いだろうという見通しがありました。

メズマライザー
最近のバズ曲の代表格。
時代を彩る曲で締めるのは第一回のイベントとしていいのではないかという気持ち。
どこかで流れるだろうなというのは一番あったけど、流れなかったら拾う気持ちありましたね。

のだ
大漠波新さんの名曲、激エモシリーズって勝手に自分は呼んでるのですがその中で一番好きな曲。
皆で最後のサビ前の「こーれがあーりのまーまなのだ」って言いたかったやつ。

せこいことしない

こんなレギュレーションだったんですけど、これ言い換えると
昔の曲でも自分でRemix作ればなんでも使えちゃうんですよね。

でもこれってお客さんの求める形ではないですよね。
Remixは使うにしても最新3年以内に投稿された楽曲のRemixに限定すると決めてました。

事前準備

曲寄せ

セトリを組むということはしないで、曲寄せ(HCHOさんというボカロDJの大先輩が作った言葉)といって、候補の楽曲を1つのフォルダにまとめていってました。
自分はイベントごとにフォルダを作成して、そこに何種類かのプレイリストを作成してます。
出来上がったフォルダはこんな感じ。

ごくりん というサービスでレギュレーション範囲内の楽曲をTOP500くらいまで見て使いたいと思った曲を突っ込んでいって、+で自分が普段楽曲掘ってて好きになった曲たちを「とりあえずつっこむ」リストに入れて、それをBPM順に並べたものが「BPM順」です。

自分がただただ好きな曲が「趣味ゾーン」、皆と一緒に盛り上がりたい曲が「回収ゾーン」です。

何回か自分がCUE打ちしながら家で即興でDJしてその演奏履歴から手癖フォルダ作ってなんかあったらここら辺に頼ろうと思ってました。

「2023MIX」というのは去年作った2023年の楽曲縛りで録ったMIXのセットリストです。なにかあったら使えるかなと思っていれてました。

ちなみにこれです。よかったら聴いてみてね(宣伝)

「演奏履歴」フォルダは当日実際プレイした内容を入れたやつなのでこれだけは事後のものです。

当日のイベントの流れ

イベントを振り返りながら各々がどんなDJをしていたが、それによって自分がどのようなことを思っていたかも振り返っていきます。
当初の想定、事前準備にどのような影響を与えていったのか書いていきます。

1番手:へるし~ さん

優しめのボカロエレクトロを流していて、上げすぎず落としすぎずに初回イベントの立ち上がりとして完璧だと思いました。

ここはさすがに自分の選曲には影響せず、純粋に楽しみながら聴いてました。

2番手:離狐 さん

ど真ん中すぎないけど、好きな人は必ずいる。そんなラインを絶妙に突いていくのが上手い離狐さん。
今回もこのラインでお客さんを見ながらしっかり盛り上がっていってさすがの離狐さんと思いながら聴いてました。

自分の選曲に大きく影響することはなかったけど、ダーク系のTrap系統の楽曲が入ってきてたのでそこは少し想定外だったのですが、まだ問題ない範囲ですね

3番手:ピコシマメ さん

海外Pメインでコアな選曲をしながらも曲の使い方や魅せ方が本当に上手いピコシマメさん。
選曲に対して人を釣るようなことはあまりしないけど、フロアは飽きさせないんですよねすげぇほんとに。

ここも自分のプレイには影響しない(想定内)ので安心してマメさんどこで曲見つけてくるんだろう。

4番手:けての さん

ダークなボカロ楽曲が得意なけてのさん。
ここで皆がっつり盛り上がっていて、最高のプレイでした。
これを皮切りにお客さんのボルテージが上がっていくことになります。

ただ、曲の趣味かぶりすぎててここからどう組み替えていこうかを考えることになります。
シャンティ自分も流そうとしてたけど、こんなかっこよく決められちゃ敵わんっすねw
締め曲候補のメズマライザーはここで流れました。

5番手:亜憐 さん

ずんだ色強い選曲で自分の色を積極的に出していったプレイでお客さんを盛り上げていました。
機材トラブルに見舞われてしまいましたが、それをもろともしないプレイだったと思います。

締め曲候補ののだはここで流れました。
ちょっと流れそうとは思ってた。

6番手:DJ McBEATS さん

アンセム大回収という感じで選曲全振りのプレイでここまで聴けなかった曲をがっつり出してくれました。
いい意味で予想を裏切る展開でした。
DECO*27多めだったところまくびらしくてとてもよかった。

フューチャー・イヴはここで流れた。
ここでアンセム回収ラインの選択肢は減ったけど、いい意味で減ってくれたなって。
逆にここであまりアンセム流れないとやるべきことを逆に定めにくくなってしまうので。

7番手:しゅが さん

アンセム流しつつしゅがの好みも活きた力強いプレイを魅せてくれました。
もうちょっとロック強めかなって思ってたら思ったよりそういうわけでもなかったので新しいしゅがを見れたと思う。

ここで少しお客さんが疲れ始めたかな?というのを感じてプレイの中でBPMを落とすことを決めます。
高BPMの流れが続いたので、それを受け取るか受け取らないかは番手ギリギリまで考えます。

8番手:5時間(自分)

自分の番手は自分の脳内を話します。

しゅがからBPM190ちょっとでもらうことを考えたときに、このBPM帯で残ってる曲を振り返ります。
混沌ブギとオーバーライドが流れてなかったのと、まくびが喫煙所で「混沌ブギ流そうと思ってたんだけど流せなかったんだよね」と話してたのを思い出して、このラインをやってからBPM落とすことに決めます。

あえて一旦仕切りなおしてトリまでに上げていくときのボルテージを上げていって終わる方針にしたわけです。

また、カメレオン、カルチャ、ニュートンダンスのBPM170帯の楽曲がほとんど流れなかったのでそこら辺を着地点に置きたいと考えます。
以前ボカマツリというイベントに遊びに行った時のことを思い出して

  • ライアーダンサーのPVをフルで再現するパフォーマンスがあったこと

  • その時の演者が遊びに来てくれていたこと

があって
BPM190帯の流れてないアンセム回収→BPM130帯に落とす→BPM170に上げる→ライアーダンサーで締める

の流れが確定しました。

あと遊びに来てくれたお客さんが若い層が多かったこともあり、そこにアプローチしていくことも考えてました。

その結果がこの演奏履歴となりました。
(これ書きながら思ったけど、三日月ステップ2023のstemでつくったから2023のつもりでいたけど、一応原曲は2020年なのよね。。せこいことしてた…かも?)

演奏履歴を振り返る

初手で不慮のトラブルもありましたが、ビートボックスに合わせてバイブス高いお客さんたちが歌ってくれるというので救われましたw皆ありがとうマジで大感謝。

ちょっとその立ち上がりで細かいミスしてたとこあったんだけど気合で何食わぬ顔しながらDJしてました。当日失敗なんてしてないと思わせるのも技術の内(?)

混沌ブギ~ドーピングダンスまではお客さんが入れ替わりつつ盛り上がってくれる人がいて大枠想定通りに進めることができました。

がつっときれいにBPM落ちる曲ないので間延びしないようにフル尺が短いドーピングダンスを流し切ってから落とすことにしました。

あんたにあっかんべ ~ 悪手くらいは自分も好きなラインではあったけどやっぱりダークな曲が多い気がするw

てせうすで前に来てほしい人が前に来てくれたのでフル尺流しを決行。
くるんちゅ~転生林檎あたりは流れると思ってたけど流れなかったなのライン。ピノキオピー流れてなかったので。

旧・空想領域は自分のエゴが詰まってるんですけど、好きな人いてよかった。

ドーベルマンはBPM144~166に動く曲なのでこれで170帯までもっていくことにしました。ただここで掴み切れなかったのが誤算でしたが、
その後のONESELFがその逆の誤算で思ったより盛り上がってくれて終盤持っていけました。

わちゃちゃむ~ はどうやってライアーダンサーまでもっていくかというのを残り時間と格闘しながら選曲していました。
カルチャはライアーダンサーの前にやりたかったのでそこまでの逆算をずっとしてました。

さいごに

イベントのトリらしいトリをやるのが久しぶりだったので色々書いてみました。
苦労もあるけど、それ以上に楽しいし、お客さんが盛り上がってくれるとDJやっててよかった~~~ってなります。

  • 客層

  • 共演者

  • タイムテーブル

  • 場の流れ

  • 会場での会話

など色々見て考えているのですが、結論
「イベントに来てくれたお客さんに最大限楽しんで頂く」
ためにどうするかということをイベント中常に考えていて、具体的にこんなこと考えてるよーってのを言語化してみました。

これからも頑張っていくのでまたお会いする機会があればよろしくお願いします。

曲作ったり、Remixしたり、DJ MIX作ったりって現場以外にも人知れずちょこちょこ活動しているのでお時間あれば聴いていただけたら嬉しいです。

ボカスタレvol.1遊びに来てくれた方々本当にありがとうございました!

以上、5時間でした。またどこかのボカクラでお会いしましょー!


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