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わいた地熱発電所 - 合弁会社設立による地域自治の明確化 -

熊本県阿蘇郡にある人口7300人の小国町、九重連山の麓にある "わいた温泉郷"。高齢者の比率が約5割に達し、衰退の一途を辿る地域の活性化が課題

以下の内容は『コミュニティと共生する地熱利用』から引用し、学習用に内容をまとめたものとなります。


わいた地熱発電所 概要

 運転開始年月日:2015年6月
   発電事業者:合同会社わいた会
建設時の環境配慮:発電所の敷地を200平方メートルに限定
      出力:2MW
    発電方式:フラッシュ方式
     稼働率:約90%

これまでの経緯

  • 1996年に町と電源開発株式会社によって2万kW規模の地熱開発の計画があったが、補償や対策方針が温泉関係者らと折り合わず頓挫した

  • その後、少子高齢化、交通の便が良くない立地など、観光による収入に頼ることのできない状況へ

  • 2012年、有志26名が出資した「わいた会」を設立。大規模な外部資本の参加に依存しない、小規模でも地域密着型の地熱発電所建設を目標に

  • 資金調達や建設・運営のパートナーに「中央電力ふるさと熱電」を選定、新興国のインフラ整備で活用する "BOO (Build Own Operate:建設・運営・所有)方式" に似た方式を採用

  • 2014年12月に試運転開始(FITによる売電開始)

  • 2015年6月から商用運転開始

住民に生まれたオーナーシップ意識

  • 2018年現在、従業員はわいた会に所属する地域住民が昼夜フルタイムの勤務をシフト制で行う

  • わいた会は売電収益の80%で中央電力ふるさと熱電に委託、その委託費で設備投資の回収、施設運営を行う

  • わいた会は自らの収益を活用し、わいた地区全世帯に対する配湯設備、熱水を活用した温室栽培施設の運営(パクチーやバジルなどを栽培)、観光資源開発や商品づくりを進めている

2号機構想と、温室栽培

  • 運転開始から2年経過し、地域経済に大きく貢献。同規模の2号機の開発を計画

  • 課題として電力系統接続の交渉がある。わいた地区周辺の系統線が細いことなどを理由に難航することが予想される

  • 収益性の課題では、固定価格買取制度 - FIT(40円/kWh) による電力買取が終了する2030年以降に、収益性の低下は免れない

  • 売電以外の地熱資源の「販売」を考えた
    発電所からの温水を利用して、バジルやパクチーなどの単価の比較的高い農産物の温室栽培を開始

  • さらに温水は、近隣の温泉旅館と住宅に供給され、暖房・給湯に利用

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