
Photo by
take_futa
コロッケと定期入れ
昨日、お惣菜屋さんでコロッケを買った帰り道、店の外に出たら足元に定期入れが落ちていた。
拾ってみると、しっかりした革の定期入れで、中にはクレジットカードや免許証が入っている。
これは持ち主にとって大事なものだろうなと思った。
周りに交番は見当たらなかったから、仕方なく隣の駅の交番まで歩くことにした。
もちろん、片手には買ったばかりのコロッケを持ったまま。
歩いているうちに、コロッケは少し冷めてしまったけれど、冷めたコロッケは、カリッとはしていないけど、それなりに美味しいもんだ。
交番に着くと、警察の方が丁寧に対応してくれた。
「ありがとうございます」と言われたけど、別に大したことをしたわけじゃない。
特にいいことをした、という気持ちもなく、ただ「困った時はお互いさま」だと思ったから自然に動いただけだ。
誰だって、何かをなくして焦ることはある。
だから、困っている時に誰かが手を差し伸べてくれると、それだけで少し安心するものだと思う。
自分もそういう場面に遭遇したら、助けてもらうことだってあるだろう。
そう考えると、届けることは当たり前のことだと思えた。
ただ、目の前にできることをやっただけ。
帰ってから妻と一緒に食べた冷たいコロッケの味と一緒に、そんなことを考えた一日だった。
ちなみに私は、コロッケにはソース派です。
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