かわいいかも知れない詩を集めてみました 1
タイトル画像の著作者:Freepik
「風」
風の通り道
猫たちしか知らない
きっとおいしい食べ物が待っている
風のたまり場
帆船のクルー達がビールで乱痴気騒ぎ
風の生まれる所
コリオリの力
気圧
そんなのでなくて
雲の中の竜の咆哮という説もある
生まれたばかりの風は
よちよち歩きじゃない
最大瞬間風速からはじまるのだ
どの風も愛おしい
風と共に歌おう
風と共に踊ろう
風と共に暮らそう
レムエル2
子供とも大人とも言えない歳のレムエルが
空に昇るひこうき雲を
もぐもぐ食べていました
虹さんに頼んで
お空に上げてもらったそうです
地上で眺めていた時は
とっても美味しそうだったのに
お腹いっぱいにもならないと
不満を言ってます
一方、病室の窓から
同じひこうき雲を眺めていた
娘はとってもびっくりしてました
どんどんひこうき雲が短くなるのだから
ひつじ雲達は次は自分達が食べられないか
戦々恐々としてる
実はレムエルがひこうき雲を食べるのは
ひこうき雲が空を切り別けると
虹さんが困るからというのもあったのでした
新月
月を望遠鏡で観ていた
科学好きの少年に
月が恋をした
月は月の魔力で
地上でのことは
何でも分かるのでした
月は自分の欠片を
少年への使者に遣わした
それを盗み聞きしていた
大泥棒の三代目は
月の欠片に凄い価値があると思い
使者の旅の途中
虫取り網で月の欠片を捕まえようとしたが
凄いジグザグ、急ストップを繰り返し
とても捕まえられなかったのでした
地上は月の6倍の重力があるのに
凄い運動性能だったのです
そして無事少年と会えた月の欠片は
「井戸の底に私が映る時に
そこで私を捕まえて」
と、月の伝言を科学好きの少年に伝えました
果たして恋は成就したのか・・・
未来の伝承は何も伝えてはいないのでした
「黄昏の猫」
空地
おそらくは工事現場
色々な資材が置いてある
乱雑に積み上げられた資材のてっぺん
猫
空は黄昏ている
黄昏の猫
神々しい
黄昏は
幽霊や
妖怪や
邪神の領域
黄昏猫も何かが変化したものに違いない
それなら僕は黄昏の戦士。災いを呼ぶ男!
鞄の中からエクスカリバー1を取り出して
黄昏の猫を薙ぎ払った!
「ミャーミャー」断末魔の声
黄昏の猫は屈服して
剣の誓い2を行った
明日は暁の猫を倒そう
*1 ちゅーる
*2 舐める
「シチュウ」
クラシック音楽が
深手のガラスでできた鍋のなかを
ぐるぐるまわります
おかあさんとはいうと
そんなことはありゃしない
現に今シチュウをこしらえてるじゃないですか
とおっしゃる
でも僕には聞こえるんです観えるんです
ショパンの曲と
ガーシュインの曲が
ぐるぐる回っています
やがてご飯できたよーとよぶので
キッチンに座ると
それらの曲は
美しいハーモニーになって
窓から飛び出して
星空へと昇って行ったのでした
<ココア共和国に投稿した。佳作だったお>
「にゃんこ」
にゃんこ にゃんこ
ネコに化けた
ぬいぐるみかぶった人間の
にゃんこ にゃんこ
風見鶏みたいに気分屋だよ
それでも愛しい
にゃんこ にゃんこ
ちゅーるの代わりに
メロンフロートあげるよ
にゃんこ にゃんこ
「好きな物」
好きな音楽が同じだった
やくしまるえつこ
ゆらゆら帝国
好きな映画が同じだった
コンタクト
レオン
好きな食べ物が同じだった
ミートソース
ハンバーガー
だが好きな人は違ってた
僕 君
君 あのアスホール
「残月」
あまり眠れずに
仕方ないので
朝の散歩に出かけた
まだ暗い空に月が出ている
残月というらしい
歩いてる後ろから
ついてくるような月に
少し浮き浮きしながら
日が昇るまでの間の
散歩のお供を命じた
自動販売機で
缶コーヒーを買って
残月と一緒に飲んだ
「性癖」
僕アーニャしゅき
ピーナッツ嫌いだけど好きになる
犬より猫が好きだけど
でかいうんちする
でかい犬好きになる
僕波戸源次郎しゅき
男の娘パチンコ屋のイベントで
話しかけられて
怖かったけど好きになる
ムダ毛処理してあそこつるつるにする
僕ターニャ・デグレチャフしゅき
非情なエリートサラリーマンになって
電車に突き落とされる
僕耳ピアスのコスプレギャルしゅき
TikTokで乳袋の研究する
『「それよりこのソファーいくらするんですか水崎氏」
「300万ぐらいかな」』
ネコパンチ ネコパンチ
バッタ ゴキブリ
ノックダウン
にゃんこビーム にゃんこビーム
飼い主の視線を釘付け
ガリガリ ガリガリ
にゃんこ鉄の爪
300萬のソファーを
ビリビリ ビリビリ
にゃんこボディプレス
布団の上で丸まって大あくび
しっぽの根本を
とんとん叩いて
チュールで篭絡
あっノミ移された
ソファー300万は大嘘です
詩作能力絶賛低下中
「詩」
イルカの書いた詩が読みたい
くじらの書いた詩が読みたい
海の書いた詩が読みたい
月の書いた詩が読みたい
バッタの書いた詩が読みたい
ヤギの書いた詩が読みたい
ヤギは紙に書いた自分の詩を
すぐに食べてしまうだろう
「化身」
夜明け色に染まった虹彩
まもなく朝の色の虹彩になる
何もつけない食パンを食べ
水道水を飲む
人間の食べ物は
それしか食べられない
僕は猫の化身
虹彩の色はさまざまに変わる
僕の仕事は読モ
不思議な目の色が売り
満月にならないと
しっぽは生えてこない
連れは僕のしっぽで
遊ぶのが大好きだ
僕の寿命は20年位しか無いので
なるべく甘やかしている
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