![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/152839897/rectangle_large_type_2_3c9b4fa50529d99bf3e2bea95e2f2137.png?width=1200)
Photo by
pitchinwith
【詩】ハイキ圏
プラスティックな気圏に
宮沢賢治が座している
ハイキ圏の向こうに
有機交流電灯が
曼陀羅へと指し示す
仏教の涅槃の胸中
そこから見下ろす街は
優しい光が点々として
街で生きる意味を考え直させてくれる
そこから見下ろす街は
優しい光が点々として
僕はハイキ圏から帰還した
雲間から差す陽は
悠久の時を経ているに違いなく
ぐぐると太陽の中心から
表面に届くまで17万年かかるという
僕の気分も晴れるまで
そのくらいかかるよ
家を出た
道すがら猫がいた
近づいても逃げないが
泣きもしない無愛想な
どっぷり猫だ
今日はこいつをミャーと言わすまで
ここを動かないと決めた