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駅メモのキャラクター多すぎ問題について

本日から、わたしの遊んでいる駅メモというソーシャルゲームのアンケートが行われています。どんなキャラが欲しいかとか、どんな衣装が欲しいかとか、どんなイベントを開いて欲しいかというのを問うアンケートです。

駅メモのキャラクターは、9年もの間、毎月コンスタントに増え続けた結果、2023年6月12日現在で総勢213名います。(内訳はオリジナル128名、エクストラ79名、IKS.gearと呼ばれる子たちが4名、案内役2名です)歴代のプリキュアが77名、スマブラSPのキャラクターが87名、アイドルマスターシンデレラガールズのアイドルが190名ですから、これらと比較してもまあとにかく凄まじい数出ていることになります。

これらは駅メモの陣営にとって「資産」なのですが、果たして本当に資産としてフル活用できているのかというと疑問符があります。もはや「負債」になってない?と思うときがあるのです。

まず、キャラクターを新たに生み出すには差別化が必要になります。キャラクターが増えていくにつれていろいろな性質を使い果たしてしまうので、あとからリリースされるキャラクターは他のキャラクターと被ってしまったり、差があったとしても不明確な感じになってしまいます。各キャラクターにはスキルがあるのですが、スキルのネタも枯渇していくため、実装の難易度はキャラクターが増えるごとに上がっていきます。ゲームバランスの考慮も同じく単調増加的に難しくなっていきます。キャラクターの生成にかかるコストは毎回少しずつ増加していきます。

そして、キャラクターが増えるにあたって、ガチャで特定のキャラクターを引き当てる難易度も上がっていきます。お目当てでないものが出ても引き続ける強いメンタルの人であればいいですがそれにも限界があります。お目当てが当たる確率が下がるほど、財布の紐が固くなる効果もありますから、キャラクターを増やすたびに財布の紐が固くなることがありえます。

また、キャラクターが増えていくにあたって、それぞれのキャラクターに少なからぬ人数ファンがつくことになります。そうすると、特定のキャラクターだけ冷遇するわけにはいかないので(少なくとも建前上は)全キャラクターぶんのコンテンツを用意してあげる必要があります。毎年アプリがn周年を迎えるたびに全員共通の衣装をあしらう慣習がありますが、おそらくデザイン費用は年々上がっているのではないかと思います。何かしらの新機能を公開するときにも、全員分を用意するのはかなり大変という理由で、段階的なリリースになったり、リリースまでにとても時間や費用がかかる、といった問題が起きているのではないかと思います。

以上のことから、キャラクターの増加は、ある時点までは資産の増加になるのですが、ある時点からは負債の増加のように働いてしまうのではないかと思います。わたしはその分界点を、割と前の段階で超えてしまっていると思っています。衣装の公開後にセリフの修正が入る事案が何件か起きているからです。

駅メモには通常のソーシャルゲームに存在するレアリティの概念がありません。そのため、特定の1キャラクターのために熱心なファンが何十万円も落としてくれるということがありません。収益を上げるには衣装かキャラを増やし続けるしかないのです。たとえとして適切ではないですが、まるで貧困にあえぐ家庭が働き手を増やすために子供を増やしまくり、一人当たりの食い扶持が減っていくような辛さがあります。正直に言ってこの流れを止めるのはかなり難しいことだと思います。

あえて厳しいことを言うと、なんとなく感じているのは、「キャラクターを今後も増やしていくぞ!」という覚悟の欠如しているように思います。より正確にいうと、「増やしたキャラクターが今後も末長く愛されて欲しい」という覚悟が感じられない……という感じでしょうか。おそらく検索禁止ででんこのフルネームを書かせる書き取りテストを行ったら、プレイヤーはもちろんスタッフの方も満点を取る人が少ないのではないかと思うのです。なんとなく惰性でキャラクターが増えているように思われて、プレイヤーによる育成もどこか作業的になってしまっている節があります。

もちろん、キャラクターへの愛が全くないかというとそんなことはないでしょう。キャラクターの深掘り施策もやってないわけではありません。マイレージの増加をはじめとするやり込み要素の追加、メモリーズフォームの実装など、既存のキャラクターを深堀する施策はないわけではありません。また、最近出てきた「でんこプロフィール帳」の概念も結構いいなと思っています。キャラクターの理解を深める資料としてこの上ないものだと思います。しかし、根本的な問題は、キャラクターが増え続ける限り解決しないような気がします。どこかでペースを緩めることが、駅メモの持続的な成長のためには必要なことではないでしょうか。

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