自炊黙示録スイジ
齢30にして開幕した・・・圧倒的一人暮らし・・・!
謳歌する圧倒的自由・・・!そして高まる自炊への機運・・・!
本稿は一人暮らしを始めて3ヶ月が経過したある男の記録である・・・
もちもの
めんどくさいのでここからは普通の文体で書きます。(タイトルで福本作品的なものを期待した方はすみません)
調理器具として持っているものは下記のような感じです。
テフロン加工のフライパン:IKEA製
多目的な鍋:KEYUCA製
包丁:IKEA製
まな板
木の菜箸
樹脂のレードル
樹脂のおたま
ジップロックコンテナー
ボウル
ザル(ボウルよりでかいので失敗である)
冷蔵庫
電子レンジ
炊飯器
ティファールの電気ケトル(あまりにも良い)
IHコンロ2式
多分あった方がいいんだろうなと思いつつ買ってないものは以下です。
ピーラー(剥くのが楽な野菜ばかり食べている)
はかり(束になってないパスタの分量がわからん)
圧力鍋(正直使いこなせる気がしない)(わたし風情が持っていいものではないと思っている)
これまでのラインナップ
肉野菜炒め
肉を炒めてカット野菜をぶちこんで適当に味をつけるだけでそれなりにおいしくなる手軽さが魅力です。
参考にしているのは下記です。が……
野菜の火の通し方については、それぞれの野菜ごとに適切なものが決まっているようです。たしかにそうなんでしょうが、カット野菜を買ってくるとそれらがすべて渾然一体となっているので、それぞれの火加減なんて気にしてられなくなってしまいますね。せめてもの抵抗で、肉を炒めた後一度皿にあけて、野菜だけ炒めた後で肉を差し戻すという営みをやっています。それだけでも肉が硬くなりすぎなくてよいですね。
ベーコンエッグ
在宅勤務の日の朝食に、仕事中こっそり抜け出してちょちょいと焼いて食べています。ベーコンから油が出てくれるので、油をしかないでやれるのが魅力です。しかし、卵を流し込んだときに、全く思い通りの経路に流れてくれないので、毎回フライパンに白身が貼り付いてしまいます。白河法皇が一人暮らしをしていたら、思い通りにならないものとして賀茂川の水、サイコロの目、山法師、ベーコンエッグの上の生卵と言っていただろうなと思います。油を敷けよって話ですね。
青椒肉絲・麻婆茄子
日本を支配する光魔導士による大いなる魔術の力を得て青椒肉絲を作りました。気合を入れてしっかり作ったのはこれが初だった気がします。魔術の詠唱の説明が丁寧だったおかげで初心者にもちゃんと作れました。この時点では片栗粉の偉大さにあまり気づいていませんでした。
調子に乗ったわたしは麻婆茄子を作りました。これも魔術の詠唱の説明が丁寧だったおかげで簡単に作ることができました。
作ったところまではよかったんです。問題はそのあとでした。洗い物です。ここでわたしは油の恐ろしさを知ったのです。麻婆茄子の油ってのは意外と結構しっかりとんでもない代物です。油の威力を知らないわたしはキッチンペーパーで拭うとかいうことをせず、水に漬け込んで流しに流しました。この日からいろいろな歯車が狂い始めました。スポンジの泡立ちが悪くなり、シンクから変なにおいがするようになりました。
このときにはなんと排水溝ネットもつけていませんでした。そんな状態で油物を流すのはおそらくとんでもない罪です。わたしは赦しが欲しくて告白しているわけではないのです。この罪だけがわたしと排水溝をつなぐ、絆なのですから。この罪だけは、神にさえも、赦させはしないーー
パイプユニッシュ「ならば、わたしが赦そう」
排水溝の機構を外すと、そこにはべっとりと麻婆茄子のものと思われる赤い油がついていました。ゴム手袋とパイプユニッシュを使った死闘で、とりあえず新居の平和は今も守られています。
みくのしんの黒いカレー
黒ごまペーストを贅沢に使った、黒いカレーです。オモコロライターのみくのしんさんという方のご実家に伝わるすごいレシピです。
見た目的には「なんだこれ!?」って感じなのですが、食べるとなかなかおいしいです。作ったあと一晩おいた2日目が一番うまい気がします。
このカレーを作るにあたって、かなりいろいろな技術を得たなと思います。オリーブ油ににんにくとしょうがと唐辛子を入れて、低温でジウジウと熱を加え、油に香りを移していくことだったり、キクラゲを水に戻す能力だったり、牛すじを煮込む能力だったり……
一回の料理をすると、他の料理に転用できる能力を得ることができる、というのは料理の面白い点の一つだなと思います。応用してポトフとかやりました。
そして、カレーも洗い物がとんでもない料理の一つであると実感しました。排水溝ネットが一瞬にして目詰まりを起こす近代兵器です。よく、母の日に子供たちがカレーを作ってくれる的な話があります。それ単体はいい話だと思うのですが、洗い物はお母さんがやっていたら何の意味もないなと思いました。カレーを作る大変さを3とすると洗い物の大変さは27くらいあります。サビの部分だけ歌って気持ちよくなってんじゃねえよって話になりますね。
パスタ・ナポリタン
しばらく鍋がなかったので、パスタの麺を茹でるのもフライパンでやっていました。茹でるときはいいのですが、お湯を捨てる時にお湯のタプタプエネルギーがグリップ部分に伝わってきて恐ろしいです。今では鍋で茹でているのでだいぶいいです。
パスタはおいしいパスタソースがたくさんあるのでそれに依存しているのですが、たまに、ナポリタンやクリームなしカルボナーラなどを作っています。クリームなしカルボナーラは、我が家に伝わる伝統のレシピです。父が乳製品嫌いなので、クリームやバターの代わりに卵を入れるカルボナーラです。写真はおいしくなさそうですがまあまあおいしいです。
ナポリタンも何度かやりました。参考にしているレシピは下記です。塩を引くほど入れるので本当にいいのか?って感じですが、おいしくはありました。
某フォロワーに教えていただいたもので、ナポリタンに醤油とウスターソース1:1の液体を入れるというものがあります。これもやってみたらおいしかったです。
オムライス
カゴメのトマトソース缶を買ってきて鶏むね肉を一晩漬ける、そしてそれをチキンライスに使用する、というレシピで挑戦してみました。
玉ねぎのみじん切りという工程があるのですがこれがまーーーーーーめんどくさいですね。めんどくさくて難しいです。まな板がオーバーフローを起こしてしまい、床に玉ねぎがポロポロと落ちてしまう悲しみを浴びることになりました。
また、卵調理の難しさも実感しました。フライパンがテフロン加工なのでマシだとは思うのですが、フライパンの全ての面において、1秒後にはどうなっているかわからない緊張感がすごいです。オムライスはかなり好きな料理なのでもっとうまくなりたいですねえ。
豚の角煮
一番難しかったのはこれです。豚の角煮はとあるYouTube動画で、リュウジさんのレシピで作ったものが美味いという話を聞いたので一度やってみようと思っていました。
最初にやろうと思ったときはフライパンしかなく、茹でる過程や煮込む過程で豚が完全にお湯に浸かってない状態でやりました。その結果、なんか思った通りにならなくて、妙に硬い仕上がりになってしまいました。その後何日間か煮込むのを繰り返すことで「あ〜こういうことか?」みたいな柔らかさには近づきました。
また、ゆで卵を作るのに超失敗しました。こんなに剥きにくいなんてありかよ?ってくらい剥きにくくて、ボロカスという言葉以外に適切な表現がないくらいボロカスになってしまいました。以下がその時の投稿です。よく見るとゆで卵がボロカスなのがわかると思います。
悔しかったので1ヶ月後にリベンジしました。今度は鍋を買って、ゆで卵作成のコツも白ごはん.comで調べまくりました。
その結果が上記です。チキン南蛮の隣にひっそりと角煮がいると思います。これがリベンジマッチ角煮の姿です。今回は割と柔らかく出来ました。ゆで卵もちゃんとしたものができています。黒ギャルの肌のようなスベスベの表面が写っていると思います。
健全な調理は健全な調理器具のもとに宿るのだと思います。おそらく不器用な人間ほどちゃんとした調理器具を揃えるべきなのでしょう。その意味では「圧力鍋を買いなさい」ということになるのですが、この快楽はもうちょっと先まで取っておきたいなと思います。
今回の記録は以上ッ・・・!圧倒的文字数ッ!
もし本記事が好評であれば検討しないこともない・・・次回作ッ・・・!
しかし、我々はその期日までは指定していない・・・その気になれば、10年後、20年後あるいは逆に1週間後ということも可能ということ・・・!