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心臓がずっと動いてるのがなんか怖い

人間の心臓はずっと動いています。映画を見ている間も、トイレに行っている間も、仕事で怒られている間も、ご飯を食べている間も、そして寝ている間もずっとです。心臓が止まると死ぬらしいです。この事実と、自分が今も生きているという事実を重ね合わせると、自分の心臓はいまだかつて止まったことがない、という事実が導かれます。ですが、これってよくよく考えるとめちゃめちゃ怖くないですか?

わたしはシステムエンジニアの仕事をしていまして、24時間365日止まってはいけないシステムの売り込みをしています。この仕事をしていると、止まってはいけないものを作ることの難しさが骨身にしみてわかります。停電した場合に備えて予備の電源を用意しておくとか、ソフトウェアの状態がおかしくならないようにいろんなパターンを考えておくとか、考えうるあらゆる策を尽くしても、止まるときは止まってしまい、始末書を書くことになるのです。心臓の場合、始末書はなく、あるのは死です。そんなすさまじいものが、地球上に無数に存在しているのが信じられなくなります。

小学校だったか中学校だったかで、人体の仕組みを習いました。そこでは、腕や脚の筋肉を随意筋と呼び、内臓の筋肉を不随意筋と呼びますよ、ということを教えてもらいました。随意筋は、自分の意志で動かすことができて、不随意筋はできません。その代わり、随意筋は疲れて、不随意筋は疲れません。そんなことを習いました。しかし、「自分の意志で動かすことができないから疲れない」ということの論理展開がさっぱりわからず、結果なんで心臓が疲れないのかはさっぱりわかりませんでした。胃は自分の意志で動かせませんが、胃もたれを起こしてしまいます。心臓だって心筋もたれが起きてそのまま目を覚まさないことだってあるんじゃないのかしら?と思いませんか?

Googleで検索をしてみると、いろいろな情報が出ています。心臓は特別頑丈な筋肉でできているので大丈夫なんです!という子供向けの説明だったり、血液をいっぱいもらっているので大丈夫なんです!という説明だったり、実は心臓は止まらずとも休んでいるのです、という説明だったり、実は心臓は自らを癒しながら動いているのです、という説明だったり……いろいろな情報が見つかります。ですが、果たして納得できますか?心臓が止まらずに動いてくれている、というめちゃめちゃ根源的なことが、なぜ起きているのか理解できない、でも実際そうなっている、ということに対して時々すごく恐ろしい気持ちになります。

心臓が動き続けるメカニズムがわからないからといってじゃあ明日から止まるかというとそういうわけではありません。なので、実際きにする必要は全くないのです。が、どうやって動いているのかわからない、しかも自分の意思でどうにかなるものでもないものが、ずっと自分自身の生殺与奪を握り続けている、と考えると、やっぱりめちゃめちゃ怖い気持ちになります。心臓さんの機嫌を損ねないように、慎ましい暮らしをしていくしかないのでしょうね。

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