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キミは個人事業主になりたいか
わたしはなりたくないですね。
会社で仲良くしていた人が続々と離職していて悲しい気持ちになっています。先日、同期社員の中で一番長く一緒に仕事をした人が退職するというニュースを聞いて寂しくなりました。どうやら彼は個人事業主になるようです。フリーランスになっていろんなことをしたいというのです。彼のことは全力で応援したいですし、なんでそう思ったのか、どんな夢があるのかについて聞いてみたいな、と思うのですが、同時に、「自分には真似できないな」と思います。彼と会ったときに丸め込まれないようにするために、理由をいくつか考えてみました。
①気が狂う
自分が精神の安寧を保っていられるのは、毎月お金が必ず入ってくるという保証が得られているから、という側面が強いです。会社をいつクビになるかわからないという意味ではそんな保証がないのは当然ですし、それに備えなければならないというのもありますが、それでも、安定した地盤の上に立っていることで得られるものは大きいです。学生時代は結構心がアレだったのですが、今の方が明らかに精神状態が安定しています。やっぱりお金の力と言うか、安定の力は大きいな、と思うばかりです。
②自分の仕事に値段をつけられない
わたしは会社から給料をもらうことで生活していますが、自分から「いくら出してくれ」っていうことは言えないなと思います。給料以上働いている月もあれば、給料以下のパフォーマンスの月もあります。毎月、パフォーマンスを正直に申告して金額ベースでもらうようになるとすると、今よりもはるかに低い金額しかもらえなくなってしまうだろうと思います。これは自分の能力が低いからというより、それ以上に自己評価が低いからです。
実際のところ、フリーランスの仕事は「この仕事は〇〇円です」と言ったらはいそうですかと言ってそのままもらえるわけではなく、他の人との競争によって値段が決まってくるのだと思います。だとするとなおさら、自分の労働の価格を低くすることでしか戦えなさそうだな……と思います。
③クライアントを見抜く審美眼がない
この人の案件は受けちゃだめだな、というのがフリーランスの世界にはあると思うのですが、たぶんそれを見抜く力がわたしにはあんまりないです。自分にも他人にも甘すぎて人を見る目がないのです。
会社員の場合、案件を受けるかどうかは大の大人がたくさん集まって話し合って決めることが多いです。いわゆる決裁と言う奴です。これがあれば安心かというと、別にそんなことはなく、全然ヤバい案件がくるときがあります。そう考えると、「大の大人がたくさん集まって話し合ってもヤバい案件を引くときがあるのに、一人で判断ができるのか?」ということが恐ろしくて仕方がないです。わたしには無理ですね。
④確定申告が不可能
レシートなんて取っておけるわけがないです。無理です。
「フリーランスで稼げる!」みたいな情報商材でご飯を食べている人たちにとっては、ここで書いている悩みはクリボーみたいなものと思います。これを論破するための内容はマニュアルにバッチリ書いてあり、いくらでも丸め込む方法はあるのだと思います。フリーランスになればもっと自由かもしれないし、もっと儲かるかもしれないとは思うのですが、ハイリスクハイリターンな生き方ができるメンタルじゃねえな、ということを理解していますので、わたしは会社員として自分の道を行きたいと思います。お前はお前の道を歩め。