小説 殺人権
ある国では治安の悪さから、善行を積むと人を1人殺していいという法律ができた。善行を積んで役所に届出をして証明されれば殺人権が正式に貰える。
この法律が成立してから、見事に犯罪の数はめっきり減った。人々が合法的な殺人の為あくせくと働き、積極的に人助けをしていった。
実際に殺人権を施行して人を殺した者によると、「合法的に人の命を奪うことはSEXの何倍も気持ちがいい」らしい。
私の周りの友人もそう言っているものが数多くいた。
人々は未知の快楽に突き動かされた。
かくいう私もとうとう殺人権を得た。
この世界は異常だ。
その日私は家の一室で首を吊って死んだ。