(連載14)カリフォルニアの新生活!乗るならアメ車?:ロサンゼルス在住アーティストの回顧録:1990年
。。。。ロサンゼルスの空は晴れていた。
まるで、何事もなかったかのように。。。
気がつけば1年間。空白の、、、っていうか、あまりにもハードな日本での1年であった。それまで好きな事しかやってこなかった自分の人生。しかし、その裏側には、必ず直面しなければならない、暗い影の部分が存在したのでした。
これを、、、「青春の後ろ姿」と呼ぶのでしょうか?
呼ばないです。
別に泣きながら写真をちぎってないし、それに、もう、こん時、30歳越してましたし〜〜。
前を見て、進みましょうよ!!
ユーミンじゃなくて、水前寺清子ですよ。「365歩のマーチ」ですよ!
ワン、ツー、ワンー、ツー、腕を振って、胸をはって
休まないであるけぇーーーー!!という歌です。
(平成生まれの方には、わからないと思います。すみません)
昭和のジェンダー・ブレンダー系です。(男女の性差を混ぜてる系)
若さで体当たり!
あ。えっと、話、それました。
ロサンゼルスでの新しい生活の話でしたね。汗
まず、アメリカは、何はともあれ、「車社会」です。
しかし、夫のトッシュは運転しない。。。
これは知り合った時、すでに聞いていたのですが、この「運転しない事」が、いかに「普通ではない」のか。。。というのが、ロザンゼルスに住むようになって、よくわかりました。
彼は、バス・ライダーでした。どこに行くのもバスです。
もしくは、徒歩!!笑
この頃、私が「メルローズ」に行ってみたいなー。というと、
「あ、そこだったら、ウォーキング・ディスタンス(徒歩可能な距離)だよ。」
っていうから、歩いて行ってみたら、えっら〜〜〜〜〜〜く、遠い。
歩いて1時間以内であれば、彼にしてみれば、至近距離!
全部ウォーキング・ディスタンスなのです。
そういえば、二人で東京の恵比寿に滞在した時に、彼が「今日は一人で、東京タワーに行ってきたよ。」と言うので、え?日本語も出来ないのに?どうやって〜?
恵比寿から東京タワーまでって、ちょっと行き方が複雑ですよね?今だったら、ネットで検索できるけど、当時はそういうのないですから。
それを彼は「歩いていってきた。」っていうんですよ!!
ウォーキング・ディスタンス!!て。
「タワーが見えるから、それに向かって、どんどん進んでいった」って。
あんたは、伊能忠敬かい?!!
そんな、。。なので、彼のスケジュールは、1日一つの用件だけ。
私は東京歴が長いので、最低でも午前中には二つくらい、
午後には五つくらいの事をやるというのが、当たり前。
その私のパンパンの計画ノートを見て、トッシュは驚いて、
「ロサンゼルスでは、1日ひとつだよ!」と警告した。「最高に忙しくても二つ!!」と。
ま、これも、今考えると、あながち、間違っているわけでもないのであります。
ともかく移動に時間がかかるんです。一箇所から一箇所へ移動するのが、車で20分から30分。それなら、まだいい方で、フリーウェイで渋滞などの時間になると、これが、すぐに1時間くらいになってしまいます。
なので、単純に計算しても「行って帰って、2時間」そして現地でたとえば2時間くらい居たとして、もうこれで4時間ですからねー。だから、物事が1日ひとつくらいしか進まない。。。。
まーーーこれをご覧ください。こんなんですよ〜〜〜!!
これが、毎日。。。。。
この「フリーウェイの混雑状態」と「車の駐車問題」がロサンゼルスに住んでいる一般ピーポーの大きな共通項であります。
あれ、また、かなり話がズレました。。。。
今回はですね、私が買った初めての車の話をしようと思ったんでした〜!
うっかり脱線で、この回が終わるとこでしたよ〜〜。汗
はい。では、まいりましょう!
初めて買った車は、ア・メ・シャ! アメ車です!
もちろん、アメリカにいるんだから、
乗るんだったらアメ車でしょ〜〜?
それも、あのアメリカン・デザインがピカピカ輝いてた時代のぉ〜!!
車種はランブラー、1965年!!
バッキューーーーーんん!!!
アメ車に詳しいあなた!!今、ニヤっとしましたね〜〜〜??
だったら、もう、おわかりでしょうね?。。。。。。
この代償は、後から払うことになりますが、それは後ほど。。。。
まずは、購入時から、順を追ってお話しいたします。
前に私がハリウッドの住宅地で、後方からドツかれて、持ってたバッグを盗まれ、警察のお世話になった話を覚えていらっしゃいますか?(連載10)です。読まれてない方は、是非!←これ、毎回言ってて、ウザいですかね?苦笑
あの場所のすぐ近くなのですが、
「あなたの運命を占います」って書いた看板を出してた家の前に、むちゃくちゃかわいい車が止まっていたのです。
「売ります。1000ドル」(当時、大体10万円くらい)と書いてありました。
うわお〜!素敵な車!!!色もミントと白のツートンで、かなり私好みでした。
しかし、、、、、、、、ですよ。
●引ったくりの犯行現場近く
●怪しい占い師の看板
●バカやすい値段のアメ車
もう、コレだけで、ロサンゼルスにちょっとでも詳しい方だったら、
やめとけ!!!!。。。。。ですよね?
しかし、私は当時はわかりませんでした。
で。
ドアベルを鳴らして、ピンポーンン!!
中から、「おそらくこの人が占い師」らしき、太った中年のおばちゃんが出てきて、
「あ、車ね? 乗ってみる?」って言われたので、
「はい。」と言って、乗せてもらい、その近辺を一周しました。
それは、いい感じで、走りましたよ〜〜。
運転しながら、そのオバちゃん(多分占い師)は、トム・ジョーンズを爆音で聞いて、
運転しながら大きな体を揺すっていた。
私も、もともとトム・ジョーンズが好きだったのです。数少ない白人ファンクのシンガーとして、尊敬もしてた。なので、車窓からの風が、そのグルーブ感の後押しをして、だんだん、いい気分になってきた!
計器や車のハンドルの形なんかも、むちゃくちゃ、カッコいい!!
ミッド・センチュリーのアメ車、そして、トム・ジョーンズ!!
私の未来のアメリカ生活が、マックスに広がった!
(後になって、彼はイギリス人だと知りました〜。汗)
で、早速、キャッシュで1000ドル、そして、税金とかと言われて、だまされて、あと50ドル余分にとられたけど、それでも1050ドルですから。
で、ついでに、「占ってあげようか?」っていわれたけど、
さすがに、このおばちゃんに私の未来をどうのこうのって、言われるのは、どうよ?と思って、それは断りました。
断ってなければ、あと100ドルくらい請求されたかもわかりません。
ま、それにしてもこんなクールな車がたったの10万円だなんて、なんでみんな買わないんだろう?と、不思議でした。アメリカ人って、デザイン・センスないからなーとも、思いました。
わーい!!わーい!!の、私とダーリンのトッシュ!!
それで、
しばらくはよかったんです。
みんなから、クールだ、クールだ、って褒められて、私は有頂天でしたね。
ところが、しばらく乗ってると。。。
いろいろな問題が浮上してきて、毎回違うドラブルで、ここを修理したと思ったら、また違うところ。それが終わったら、また違うとこ。。。
その度に車屋に持って行って、修理してもらわなければなりませんでした。
今でも覚えている一番大変だった問題は、左に回る時にエンジンが止まるんです。(右は止まらないのに!)つまり、信号で左折する時に、(日本だったら、右?かな?)直進する車が来ないタイミングを見計らって、アクセルを踏んで、さっとまがらないといけない瞬間がありますよね?
あの大事な瞬間に、止まるんですよ。
いつも止まるんだったら、逆に原因がわかりやすいと思うのですが、時々なんです。
本当に、周りにいる車からしたら、とんでもない迷惑ですよね。
でも、ロザンゼルスのドライバーは、そういうのに慣れているのか、
私の車を見て、クラクションも鳴らさずに、無視して通り過ぎてゆきました。
左折が怖くて、どこかに行く時も左折しないような、右折だけで行けるような行き方で、(かなり遠回りになったとしても)移動しました。
そうしてるうちに修理代もだんだん、かさんできました。この時点ですでに修理代は3000ドルくらい(30万円)になっていました。
そして、それだけでなく、もし、夜に私一人の時に、突然、止まったりしたら、怖い!(ケイタイは、まだない時代です)なので、だんだん、この車が、憎らしくなり、ストレスが蓄積されていきました。
そして、ついに、決断!!
この車を売って、新しい車を買う事にしました。
それで、新聞に広告を出してみました。
3000ドルの修理費と元の金額の1000ドルを足して、
ランブラー1965年、4000ドル
一週間、何の連絡もなし。
だったら
3000ドル!
またしても、なんの連絡もなし。
その次の週に、じゃあ、
2000ドル!!
こうなったら、もう、修理費は差し引いて、買った値段と同じの
1000ドル(10万円)!!!
大出血サービスじゃ〜〜!!
そしてたら、さすがに一人、ラティーノ系のアクセントの男性から電話がありました!!そして、見にいくからと言うので、こちらの住所を教えました。
しかし待っても、待っても、、、、、きませんでした。
それで、もう、とうとう、プライドを捨てた!
500ドル!!!!
そしたら、トッシュの友達が、「だったら買ってもいいよ〜。」っていう人が現れました。ふぅ〜〜。よかった〜〜と胸をなでおろしました。
そして、2日か3日後に、やってきたので、うちのアパートの地下ガレージに置いてある車に案内しました。
そして、彼は、「おーー!いいじゃ〜ん」と言って、車に乗り込んで、エンジンをかけたら、、、、なんと!真っ黄色な煙が、モクモク出てきて、車は、まったく動きませんでした。。。。。トホホ
彼は「ごめん、さすがに動かない車っていうのは、ちょっと買えないなー」と言って、去っていった。。。私とトッシュはガックリ肩を落とした。。。
このまま、誰も買ってくれなかったら、ガレージ代もかかるし、動かすとしてもレッカー車を頼んだり、捨てるのも、逆に、お金がかかる事態に。。。
もう祈る気持ちで、
動かない車、300ドル!!!!
そして、ついに。。。コンちくしょー!!
持ってけ!泥棒プライス!!
動かない車、100ドルぽっきり!!(1万円)
そしたら、奇跡の電話が鳴った!!
ヘレン・ケラー・レベルの奇跡が起こったのだった。
サーファーっぽいイケメンの兄ちゃんが、道具箱をもって、やってきました。そして、再度、私は彼をガレージに案内して、「コレなんです。動かないですけど。。。」
と言ったら、「オッケー」と言って、その場で、100ドルくれた。
そして、1時間くらいして、トッシュとガレージに行ってみたら、車が。。。
ない!!もぬけのカラ〜!!!!
にいちゃんも車もいなくなってくれてる〜〜〜!!!
トッシュと二人でやった〜〜!!と大よろこびしました。
ちなみに、現在この車、いくらすると思いますか?
ネットで検索してみたら。。。。
なんと!!8ドル!!!
まあ、もう、この値段だと、パーツとして使うんでしょうけども、今どき、ネジ一個でも、このくらいするときありますよ〜。苦笑
そして、私の車は、晴れて!新車のホンダ・シビック!!になりました。
いや、車はなんだかんだ言っても、見かけより、実用性ですよ。
今、話題のテスラのトラックもカッコいいけど、窓ガラスが割れるようでは、ダメですね〜〜。
私は買いませんよー。実用性重視ですから。きっぱり!
続く。
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