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(連載23)ロサンゼルス暴動と自分のパズルの全体図:ロサンゼルス在住アーティストの回顧録:1992年

えっと、今まで書いてきた連載の23話分、そして最初のゼロの回から始めると24回分ですが、それをわずか一行で、まとめると、

アメリカ人と結婚して、アメリカに引っ越した。

で、終わります。笑

声に出してみても、5秒くらいですかね〜。

クローズアップで、いろいろ見てみると、ものすごくいろんな事があり、曲がりくねってたと、今の今まで、思ってたのですが、上から俯瞰で見ると、と、「たったの1行で語れる」そんな私のシンプル人生。ププっ〜。

ま、いっか。

でも、この一行に、ものすごくいろいろとパズルの断片が詰まっていた、というのは、24話分を読んでくださったアナタっ! 

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(指差してます!パソコンに向かって!!笑)

アナタ様なら、きっと、おわかり頂けてると、思います、、、、。

感涙!!


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だいたい、私の人生は、人からみるとどうでもいい事。でも自分にとっては、重要な事だらけ。。。。

これって、俯瞰で見てみると、どうなんだろう?

自分の人生のパズルの全体図が、どうなってるのか、さっぱり、わからん。

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一体、どこのどの辺を今、チャレンジしてるんだろう?目の前の断片は、自分の全エネルギーをそそいでいるので、わかるのに、全体が見えてこない。。。。

けど、

まあ、

この1行には、まとまる。。。。。と。

アメリカ人と結婚して、アメリカに引っ越した。

まとまるからには、、、「これで良い」と、しときましょう!


で、アメリカに住み始めて、2年くらい経った頃なんですが、

そういう他人様にはどうでもいい出来事だけに集中して、ヘラヘラ過ごしていたわけでもないのでした。なんと!!

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ロサンゼルスの歴史に残る事件に遭遇したのも、この頃なのでした。

それは、何かと言うと。。。

1992年のロサンゼルス暴動です。

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その日は、私と夫のトッシュは、いつもと変わらない日常で、ハリウッドのアパートにいました。

そして、白人の警察官からひどい暴力をうけたロドニー・キングの判決が無罪になった事で、ブラックの人たちが暴徒化したという報道をテレビで見てました。

ニュースで、繰り返しやっていたのは、南の方のどこかで、白人のトラックの運転手が引きずりだされてボコボコにされるシーンでした。

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その頃はまだ今のように、ネットなどないので、その生々しい映像はものすごくショッキングで、またそれだけに、テレビのネットワークが、こぞって同じ映像を何度も繰り返し放映していました。

しかし、この現場はブラックの人の多いあたりで、自分が住んでいたところからは、結構離れていて、地図でいうと下の下の下くらいのところ。日本だと、隣の県ってかんじですかね、、、。

なので、まだこの時点では、まさか、こんな大きい事態に発展するなんて!!正直、まだ、対岸の火事くらいにしか思ってませんでした。

ところが、それからわずか1時間くらいすると、(この時間設定は、主観的です。以後も同様なので、ご了承を。)今度は車や店などが燃えてる映像。ストリートで、一部が暴徒化して、火がつけられたらしい。というニュースの映像が繰り返し、繰り返し流れはじめました。

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そして、どうも、暴動がどんどん広がってるらしかった。

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それからまた1時間くらいすると、今度は燃えた店に人々がはいりこんで、物を持ち出している、つまり火事場泥棒をやってる映像が、繰り返し、繰り返し。。

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燃えてる火事を見に、ただの野次馬だと思ってたのですが、実は人が集まってたのは、火が収まったら、中に侵入してどさくさに紛れて、物をもっていこうとする人たちの群れ。ものすごいたくさんの人々です。こんなかんじ。

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そして、また1時間くらいすると、今度は北のコリアンタウンにまで、広がり、店の店主たちが、銃を持って、武装して、火事場泥棒を店上から見張ってる映像。

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また、サイエントロジー(カルトな宗教団体)が、腕組みをして、自分たちの建物を攻撃されないようにぐるりと見張っている。

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ラブレアというロサンゼルスの中心を南から北へまっすぐに走っている道があるのですが、そこの南の方から始まっ暴動はだんだん北上して、どんどん、どんどん、広がっている。。。

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もう、次々に店に火がつけられて、人がたかって、物を持ち出している。しかも嬉しそうに笑っている人もいる。。。

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もう、無法地帯になり、あれよあれよという間に、どんどん広がっている。。。

つまり、、、このあたりもヤバいのか???

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そのうち、だんだん燃える臭いがしだした。アパートの外を見ると、だんだん人が外に出てくるのが見えた。

どうなってるのか様子を探っている人、ビデオカメラを持ち出して撮影してる人、野次馬のように、人がぞろぞろとアパートの前に。。。

そうしてるうちに、外から銃声が聞こえだした。

「うつな〜〜〜〜!!」と叫んでいる声がする。

どうも、角の酒屋も武装してるらしかった。。。

トッシュと私はとりあえず、身の安全、第一!! 家でジッ〜として、テレビに釘付けになっていました。

幸い、うちのアパートは無事で、夜になって、少しおさまりましたが、

その日は何を持って避難しようかと。。。自分の作品箱を横に抱きしめて寝ました。。。

これは、本当に、あまりにも急な出来事でした。

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知り合いの日本人の男性から、あとから聞いたのですが、彼はなんと、この日にニューヨークからロサンゼルスに引っ越してきて、空港に着いた時は、何が起こっているのか、全く知らず、(つまりネットとかケイタイとかない時代ですから)まず、ダウンタウンの日本のマーケットにでも行き、日本人向けの情報誌で、家を探そうと思い、ひとりで、バスで、空港からダウンタウンに向かったそうです。

そしたら、ダウンタウンはものすごく静かだったので、「ロサンゼルスって、そういうとこなのかな〜?」と呑気に、テクテクとあるいていたら、日本人の人が車で近づいてきて、「君!!ひとりで出歩いている場合じゃない!!!今、大変な事になってるんだ!!」と教えてくれて、そして、その親切な人は、「とりあえず、僕の家で避難していいですよ」と、その人の家に行ったら、隣に火が放たれていた、、、、。

残酷にも程があります、、、。

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もう、もうそのくらい、街中が火事だらけになっていた。。。

あっという間に3000件 以上もの火事でした。

アメリカという国の抱える人種という問題から始まって、全然関係ない人々のストレスが、一気に爆発。。。。。

軍も乗り出して、3日くらい(だったと思います)して、やっと収まった。

ひと段落して、外に出てみたら、街全体が無茶苦茶になっていました。いたるところで、焼け焦げた痛々しい建造物を目にしました。

ブラックが店主だと書いてあっても、燃やされてるところもありました。涙


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私は、当時まだロサンゼルスに移り住んで2年くらいしか経ってなかったけど、初めて、自分が住んでいるところが、好きになった場所でもあった。

悲しくて切ない。。。好きな街がどんどん燃やされているのを目のあたりに見て、体験して、これは、今まで味わった事のない喪失感でした。

何がいいとか悪いとか、わからないけど、ともかく悲しかった。

そして。

悲しくて切なくて自分のジグソーパズルを、俯瞰で眺めてみたら、

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3000箇所の黒焦げができていた。。。。

そこの断片は燃えてしまって、原型さえも、わからなくなってしまった。

パズルの全体図を知る為には、目を閉じてしか見る事ができない風景を、自分で探すしかなくなった。

黒焦げになった部分は、自分で形のあうようにイチからひとつずつ作り出していき、当てはめていくしかない。。。

それが完成した時の、全体図って???

こんなんかなあ〜?

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それとも、こんな?

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でも、

これだったら、どうしよう、、、。

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こんなのに、知らない間に挑戦してるとしたら。。。ぞっとするぅ〜〜。

しかも、これが、白人地獄、、、かも、しんない。。。。

でも、

こんな地味で大変な作業も、過去になったら、おそらく、たった一行で、終わるんでしょうね。

一生かかりましたが、無理でした。。。。 と。

それはそれで、、、、。

ま、いっか。

L*


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