オレ流クソ主観素人お笑い論21「スラップスティック」
スラップスティックと言っても様々な定義があるが、とりあえずここでは叩いたりどついたり顔にパイを投げたりするようなことで笑いを取るということを前提としてオレの個人的な見解を綴ることにする。
最近だと錦鯉がM-1グランプリで優勝したときに、ツッコミが頭を叩きまくっていた。
他にも頭や体を叩いたりどついたりする漫才はM-1に出ていた中でも印象的なのがマルセイユ、トム・ブラウン、マユリカ、ゆにばーす、デニス、カミナリ、見取り図、金属バット、とろサーモン、ミキ、スーパーマラドーナなど。
旧M-1のときだとブラックマヨネーズ、オードリー、サンドウィッチマン、キングコング、ザブングル、東京ダイナマイトなどがこの手法を用いて笑いを取っている場面があった。
昨年錦鯉が優勝した際に、頭を叩く強さがもう少し弱い方が良いと審査員から指摘されていたり、ネット上でも、
叩くのは好みではない、痛そうで笑いにくいという感想もいくつか見られた。
オレ個人的には、確かに感想としてそういう意見もあってもおかしくないかもしれない。
オレも芸人のネタに偉そうに点数つけることがたまにあるが、ちょっと痛そうだなと感じた場合に減点することが無いワケではない。
あとは叩く人と叩かれる人のそれぞれのキャラクターや人間性も笑いと関係あると考える。
叩かれた方が面白いボケ、叩いた方が面白いツッコミ、叩かなくても面白いボケやツッコミってのがある。
しゃべくり漫才はあまり叩かないで笑いを取っている印象。
暴走するタイプのボケ、ワードよりも勢いでどつくツッコミの場合、スラップスティックで面白くなりやすい。
また霜降り明星、コウテイ、滝音、銀シャリのようなパワーワードや名詞型のツッコミで笑いを取る芸風だとスラップスティックは無い方が面白いかもしれない。
あとはマユリカが使っていた技法だが、ボケが理由をつけてツッコミを逆に叩くことを宣言してから叩いて笑いを取るという場面、スーパーマラドーナが叩いた後に「痛くないように叩いてます」と観客に向けて説明する場面などもあった。
ともあれ、叩く、叩かれることに理由を見出だせるのならオレは全然ありだと思う。
喋り重視で笑いを取るなど、叩く理由が無ければ叩く必要はないと思う。
叩かれて面白いキャラをしているから。
叩いて笑いを起こしたい場面だから。
笑いが取れるんだったら理由は何でも良い。
あとは痛そうだなという感じを見る側に感じさせない工夫があるとよりよいかもしれない。
オレも過去に漫才でピコピコハンマーでツッコミをしていたことがあり、相方が痛そうな顔をしていたり、そもそも暴走するタイプのボケとかキャラでもないのにそういうツッコミをしていたのだ。
これでは笑いに繋がるワケがなく、叩く理由が無ければ、ピコピコハンマーを用いる理由も特に無かったからだ。
ハリセンでも滑っていたかもしれない。
芸人が漫才やコントをする上で、ただ何も考えずに叩いて叩かれているワケではないことは改めてわかってほしいと個人的に思う。
てことでこのテーマについて以上です。