テイクアウトでお願いします

美味しかった。私は気分転換に、近くの洋食屋にてランチを食べていたのだッ♪

それにしても,美味しすぎるな… ふむ、これは、行けるのでは?追加、行ってしまうか?うん、もっと行こう。ガンガン食べよう。これは、投資なのよ。冬に向けての投資。脂肪は冬の寒さから私を守ってくれるわ。

……

食え……ない… げふっ

無理だわ。なんだこれ。 あの頃の私、どこへ行ってしまったの?希望に満ち溢れていて純粋で、透き通っていた私。私はなんだって食べれる。lサイズのピザだってコメダ珈琲の逆詐欺ランチだって、なんだってイチコロなのよ。

現実は非情だ。 後一口なのに。この一口がどれだけ遠いことか。 いいえ。私はこんなところでは負けない。負け癖は一度ついてしまったらもう治せないわ。 ……賭けに出ましょう


•••••••••••

ウェイトレスに向けて、アイコンタクトを送る。この店の従業員は有能だ。私がアイコンタクトを向けて5秒後、駆けつけてきた。

グッ…言うのよ、私。ここで勝負に出るの。 そして、勝ってみせる。勝って、つまるところ勝つのよ。 

何かやらなければならない事があるとき。だがしかし、理由がない時。 そう言った時支離滅裂な理由で行動を起こすのは非常に有意義なものである。”何がなんでも、とにかくやるんだ”

「すいません、これ、申し訳ないのですけど、持ち帰りでお願いします。」

言えたわ! やったわ! 第一の難関は突破よ! 正直、勝ったも同然ね。

「ええ、承りました。容器をお待ちしますので少々お待ちくださ」



瞬間、私は音速を超えた。


・・・ 静寂に包まれる。 私は、音速を超えてパスタを胃の中へとかきこんだ。


音は、遅れてやってきた。 店員も、客も、お皿も、お店も。この街も。 私が音速を超えてパスタを食べたのが原因で、吹き飛んでしまった。


爆ぜた街の中心で、私は1人呟いた。


「容器は、結構です。持参してますので♪(胃でテイクアウト)」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?