ready AIm fire 構え、狙え、撃て
”ドローンとAIを使った、アクティヴィティ地域密着施設”
企画書を読んで、ため息が出る。上層部の要望に中身はない。
「どうすんのこれ」
事務所で一人つぶやく。一人の、はずだった。
「なんとかなっかもよ」
玄関から同僚の声。
「いや、流行り言葉並べただけで中身ないっすわ」
「空っぽで渡されたなら、思いつきぶち込んじゃえ。だって丸投げでしょ」
「アイデアあるんすか?」
「俺の部署の問題と地域の問題。両方解決して、エンタメになる。
ネタあるよ」
二週間後、役員達へのプレゼンが始まった。
「AI制御ドローン警備ロボVS侵入者
最新鋭警備システムによる鉄壁の防御を突破するアトラクションと、
警備システムの実証実験場」
このプレゼンの5年後、この土地は世界初のAI対世界の戦場となる。
しかしこの日は、そんな事は考えすら及ばなかった。
【続く】
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