モノクローム・モノトーン・モノローグ
春の激務から逃げるように新幹線に飛び乗った。
横浜に来たのは感傷でしか無い。
10年近くぶりに横浜駅の改札を出ると、目の前に女の子が二人、いる。
白いカーディガンと黒いワンピース。
黒いカーディガンと白いワンピース。
似たような雰囲気で、全く似ていない二人の女子が
手を繋いでこちらを見ている。
手を繋いでいない手にはチェーンソー。
白い液体が滴る、黒い液体が滴るチェーンソー。
目が合う。
瞬間、総毛立つ、音が消える。
「あなたは白い?」
黒白の女の子がチェーンソーを振るい、通りすがる人を両断する。
白い液体が飛び散る。
「あなたは黒い?」
白黒の女の子がチェーンソーを振るい、通りすがる人を両断する。
黒い液体が飛び散る。
女の子の後ろには、白か黒の液体を流し倒れる人々。
徐々に世界から色が失われる。
こうして、長く短い休日は始まった。
【続く】
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?