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すぐさま言葉を揃えるだけで歌詞が音楽になります。
韻を踏むと歌詞がサウンドとして格好良く響きますが、それに準じた手法もあります。意識的に使ってる人とそれを全く意識して無い人では出来上がった歌詞のサウンドに雲泥の差が生まれます。その例を挙げてみます。
またまたハク。の「自由のショート」を例に挙げます。この曲は音楽専門学校の歌詞の作り方の参考資料としてITAZURA STOREの「ハイトーンボイスレディオ」と共に取り上げて欲しいです。
「巡らす センス」
「風(かぜ)が かき混ぜる」
「触(ふ)れ フワリと」
すぐ気付くだけで3カ所あります。最初の「巡らす センス」は「す」を揃えてます。「風が かき混ぜる」は「か」を、「触れ フワリと」は「ふ」を揃えてる。これが歌詞に意味と共にサウンド、そしてリズムをもたらせてます。なんだそれだけのことか、と文字に起こすと思うかもしれませんが、どうか曲を聴きながら確認してみてください。そうです、たったこれだけのことで凄い効果を生むんです。
ポイントとしてはすぐさま頭か最後を同じ音にする、ということです。
更にこの曲は間をたっぷり置いて、それもAメロとサビで似た効果を狙ってる。
Aメロで、
「夏風と秋風が かき混ぜる」
サビで
「今を絶対、そう絶対 噛(か)み締めて」
ここで注目は「かき混ぜる」と「噛み締めて」です。「か」と次の文字の母音を揃えてます。これは曲を聴きながらでは無いといかにすごいか伝わらないのでぜひ聴いて欲しいんですが、これもきっと意識的にやってます。そして物凄い効果を生んでます。この言葉を、この曲で最も強い 「絶対」という言葉を更に強力にしてるんです。Aメロとサビという離れた部分でこういうことをされるともはや忘れ難い名曲になります。
ハク。のヴォーカリスト、ソングライターのあいにインタビューする機会がある方は是非聞いて欲しいです。彼女はアーティスティックでもあり職人的でもあります。