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凄いライブバンドなのに売れないたった一つの理由。
あなたの周りにはライブがめちゃ良いのに何故か売れない最高のライブバンドで溢れています。今日も変わらず全国各地で数十人とか数人のお客さんの前でライブをしてます。なぜ人気が無いんでしょうか?答えは簡単です。
ヒット曲が無いからです。
ここでいう「ヒット曲」はいわゆるオリコンベスト10入りとかミュージックステーションに出るとか、そのレベルのことを言ってるわけではありません。その前段階です。ライブハウス界隈で話題になる曲、ファンは一緒に歌える曲、初めてライブをみた人が代表曲だと認識できる曲、という段階にある曲のことです。それらの総称としてここでは「ヒット曲」とします。
あなたは凄いライブを見た時に友人にその感動を伝えたくなりました。では何と言うでしょうか?
最高だった!
めちゃライブ良かった!
格好良かった!
と力を込めて友人に力説しますが、もちろんその友人は3日で忘れます。なぜなら具体性が何も無いからです。具体性とは固有名詞と数字です。友人にバンドを伝えたいときには強いワードを示す必要があります。例えばこういうライブはどうでしょうか?
歌舞伎1億円プレイヤーの有名ホストがジミヘンの曲カバーして最後にギター燃やした。
これだと一発で伝わります。凄いインパクトです。映像がSNS上にあれば必ずバズります。でもそれは一瞬のことで長続きしません。それ以前にライブハウス出禁になります。逆に言うと出禁になるくらいのインパクトを残さないとライブを観てない友人にはライブの凄さは何も伝わらないんです。
いくら最高のライブ、凄いライブをしてもライブを観てない人には全く伝わりません。
では他にどういう手段があるでしょうか?ここでようやく主題に戻ります。「ヒット曲」です。初めて観たけどあなたはある曲の一部のフレーズが頭を離れません。検索してどうにかタイトルを知り、そしてサブスクで聴いてハマってしまいました。その曲を友人にどうしても伝えたくなり、お気に入りのフレーズを伝えます。例えばこんなふうに
健康で文化的な暮らしって
眠れる余裕の上に成り立ってる
口角を偽造
快活を捏造
町で2番のスペックで
古いトロフィー片手にかかえ
(以上ITAZURA STOREの「モンスター」の歌詞の中から3つのフレーズを抜粋しました。キラーフレーズ満載のヒットを狙う曲として理想的です。)
あなたの友人はこの曲が気になります。親しみやすさと斬新さが絶妙にミックスされたこのクールなフレーズが頭に残ります。そしてどうしても全容が知りたくなります。
少々脱線してしまいましたが、こういう「ヒット曲」、現時点でのバンドの推し曲でありヒットを狙ってることが明快な曲が必要なんです。その段階を超えて初めて更に上の「ヒット曲」になり、バンドはただの最高のライブをするライブバンドを無事卒業して、「ヒット曲」のある人気バンドへと歩を進めることができるんです。
結局何が言いたいかというと「すごいライブ」では無く「すごい曲」が必要だということです。
「すごい曲」、つまり「ヒット曲」が一曲あれば、他は何をやってもかまいません。あなたが好きな海外のマニアックなバンドを真似ても良いし、地味ながら何度も聴くと良さがわかる曲でも良いし、おふざけでも良いし、20分の組曲でも良いんです。好きな音楽を演るために、やり続けるために、より多くの人に届けるために、とにかく「ヒット曲」です。バンドには「ヒット曲」がとにかく必要なんです。