夏場の仕入れオークションの現場から ー大島紬は重いのよーその2
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本日のお題:夏場の仕入れオークションの現場から ー大島紬は重いのよーその2
呉服のきくや本店:https://www.kikuya.shop/
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いつもメルマガのご購読、ありがとうございます。先日から大量に入ってきた大島紬、なんとか本日9日までにアップロードできれば、と思ってるんですが(これを書いてるのは7日)はたしてどうなることやら…。本文中にも書いてますがかなりいい大島紬が大量に登録されている(はず)なので是非今週の新入荷商品をチェックしてください!
【夏季休暇のお知らせ】
当店は8月11日から15日まで夏期休暇を頂戴いたします。この間、注文はお受けいたしますがご入金の確認や発送、お問い合わせへの回答等は8月16日以降となりますことをご了承ください。
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■リサイクル着物続々入荷中です!是非ご覧下さい。本店サイトは楽天などのショッピングモール価格よりも5-10%程度お安く提供いたしております。
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■夏場の仕入れオークションの現場から ー大島紬は重いのよーその2
今週もタイトルは「夏場の仕入れオークションの現場から ー大島紬は重いのよー」ですが、先週の仕入れオークションの話から私が昔勤務していた呉服店の展示会のことに場面が移ります。先週のメルマガをお読みで無い方はnoteで「呉服のきくやてんちょ」で検索していただくとバックナンバーをお読みいただくことができます(楽天やYahooのメルマガは外部リンクを貼れないためお手数ですが検索してください)。
先週爆買いした大島紬。山盛りになった大島紬を目の前にして一瞬悩みましたが他の店に取られないうちに「買う!全部買う!」と声を上げてウン十枚仕入れました。その大島紬たちを箱に詰めようとして思い出しました。そうだ、大島紬はめちゃくちゃ重いんだ。
今はリサイクル店ですので会場を借りての展示会をするなんてことはまずありませんが、以前に勤務していた店は、店としてほとんど機能しておらず(注)月1回から2回程度の展示会で売上を取っていく形態でして、店内でダンボールに商品を詰めて会場に商品を運ぶことが多々ありました。
注:月1-2回も催事がある展示会主体の店になりますと、お客様は商品が揃ってたり、お得な商品のある展示会の時に買うようになり、店に買いに来るということが少なくなり、普段の店の売り上げはパッとしないという状態になります。固定客がほとんどの呉服店あるあるです。
着物って意外と重いんですよ。反物1反で1kg近くあり、それを段ボール箱に30反ほど詰め込むと単純計算で30kgです。腰痛は呉服業界の持病と言われますが、こんなのを頻繁に運ぶんですからそりゃ腰も痛めますって。私などはまだ小売店ですので大きな催事は月1-2回程度でしたが、卸問屋の営業は担当している店がそれぞれ毎週末のように展示会を行いますので毎週末商品を運んで行って、催事が終わったら運んで持って帰らなければなりません。
搬入口にトラック横付けできるんちゃうん、と思っちゃダメですよ。ナショナルチェーンの大きな催事でしたらホテルを借りるなど、搬入口もしっかりしたものがあるのですが、ほとんどの零細呉服店はそんな大きな会場なんて借りることができませんので小さな公民館や貸し会場での開催ですから気の利いた搬入口なんてありません。いや、搬入口があるようなところでも、そういうところは会場自体が大きいので搬入口からその商品のコーナーまでダンボールを持っていくのもなかなか大変なのです。
この時、箱を見るとだいたい中身が想像できまして…というか商品ごとに入れる箱がだいたい決まっておりまして、幅70cm、奥行40ぐらいの長方形の箱は帯か反物、50cm四方ぐらいの箱は絵羽物用(留袖や訪問着など仮絵羽状態になっているもの)の箱になっております。そしてもう一つ、長方形の一回り小さい箱があるんですが、これが大島紬の箱でした。
何度も書きますが、大島紬って本当に重いんですよ。最近は高級品指向が強くほとんどが9マルキ(注)ですので糸が細く巻きも細くなっております。いや、私の中途半端な知識では大島紬は縦糸1240本と決まっており、そのうちの絣糸と地糸の割合でマルキ数が決まるので糸が細いはずはないと思うのですが、9マルキの大島紬の方が生地が薄いような風合いなんですよ。昔の5マルキの大島紬とは全く風合いが違うので糸も違うはず、と思ってるのですがどうなんですかね?大島紬に詳しい方、もしこれを読んでいたら教えていただければありがたいです。
話を戻しますと、大島紬は表面がツルツルしていて滑らかで、ダンボールの中に入れると空気の入る場所がありません。ちょっと想像していただきたいのですが、空気を含んだ総絞りのふんわりとした着物をダンボールに入れると巻きが太くて10反入るかどうかですが、一方大島は空気の入るところがなくて全てガチガチのぺったんこですのでダンボールの中に入れると遊びがないのです。
注:大島紬の絣の細かさは「マルキ」という単位で表され、5マルキ、7マルキ、9マルキと数字が増えるに従って絣糸が多くなり細かい表現ができるようになりますが、当然高くなります。最高は12マルキですが高級すぎて滅多に見かけません。ちなみに6マルキとか8マルキはありません。なぜかというのはいろんなサイトで解説されてますのでここでは割愛します。
というわけで大島紬は普通の反物が入る大きな箱に入れると40反以上は入ってしまうので(実際に何反入るか数えたことはないですが…)1反1kgとしても40kgになってしまいます。若いうちならそれでもまだ持てるんですが、何せ平均年齢のめちゃくちゃ高い業界でおっちゃんばかりなのでなかなか辛い…というかそもそも持てない。というわけでさっき書いたように一回り小さい箱にいれるのでした。
まだ大島紬なら良いでしょうけれど、大島紬以上にツルツルぺったんこの宮古上布がダンボールいっぱい入っていたらどんな重さになるんだろうと想像しますが、そもそも希少価値が高く、1反300万円を超える超高級品の宮古上布がダンボールにいっぱい入ってるなんてことはほぼあり得ないので要らない心配ですね。わはは。
たまにあまり展示会に慣れていない新入社員が普通の反物を入れる大き目の長方形の箱に大島紬を入れてしまい(注)、いざ運ぼうとすると重くて持ち上がらず「これ入れたん誰やねーん!」という叫び声が会場内に響くことも。
注:展示会が終わった後、まずは会場内の反物を箱に詰めて、全部詰め終わってから会場内の山積みのダンボールをトラックに積み込むので誰が詰めたものかわからないので、若者がダンボールに詰めたあと、年寄りが持とうとして持ち上げられないことも。
先日のオークションの話に戻します。
毎月の仕入れは比較的小さなプラスチック製のキャビネットをたくさん持って行って、そのなかに着物を入れて車で持って帰ります。オークション会場から車に積み込む時には横付けできるので比較的楽なのですが、大阪に帰ると店の二階に商品を上げなくてはならず、これがまた辛い笑。ただでさえ階段登ったり降りたりすると息が切れる年齢になっているのに着物を入れたプラスチックの箱を抱えて何往復もするのはなかなかキツいです。しかも夏場ですので汗だくになりますが自分しかいないので頑張る以外の選択肢がありません。
まあでもそんなことを言いながら今回も比較的安く仕入れることができて、お客様に喜んでいただけるのであればこのくらいの苦労なんてなんてことはありません。今回仕入れてきた大島紬ほかの商品は現在頑張って写真撮影しておりますのでまたぜひご覧いただければ、と思います。このメルマガが配信される頃には少しずつ出品されていっているはず。たぶん、おそらく…。知らんけど。
追加:今めちゃくちゃ頑張ってまして、今の時点で登録できていなかったら夜中にはなんとかできている…はず。
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発行:新品とリサイクル着物 呉服のきくや
住所:大阪市大正区泉尾3-15-4
電話:06-6551-8022
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