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長襦袢と長着の裄の関係

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本日のお題:長襦袢と長着の裄の関係
呉服のきくや本店:https://www.kikuya.shop/

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ついに毛布から暖かい布団に変わりました。朝晩寒くなってきましたね。この前まで暑かったのに一気に季節が進んだ気がします。そしてカメムシも一気にいなくなってホッとしています。先日なんて網戸にカメムシが10匹以上もくっついていて全部デコピンですっ飛ばしましたからね。

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■長襦袢と長着の裄の関係

今週のお題は「長襦袢と長着の裄の関係」です。X(旧ツイッター)で何度かペケート(旧ツイート)しているように、楽天の商品登録システムが新しくなりました。サーバの負荷がかからないように一度に全ての店舗が変わるわけではなく、少しずつ変わっているのでもしかしたら「あれ?今までの商品ページと違う」とお気付きの方もおられるかもしれません。ちなみに当店は来年2月に切り替わる予定です。

お客様にとって一番大きいのは選ぶ商品によって自動的に価格が変わるようになったこと。今までは350ml×24本のビール5000円のページがあったとしますと、500ml×24本が欲しい方はそこでは買うことができず、店舗が貼ったリンクをクリックして別のページに飛ぶ必要がありましたが、新しいシステムでは項目選択肢で350ml、500mlなどと並んでいて、その商品をクリックすると自動的に価格が切り替わるようになっています。

楽天としてはこれが一番やりたかったことなんでしょうが、それに伴ってお客様がもっと検索でわかりやすいように、もっと自分の欲しい商品に辿り着けるように細かい設定が増えました。これがとっても大変な作業でして…。

素材やサイズ、原産国はもちろん、フォーマル用かカジュアル用かなど非常に細かく設定をしなければならなくなって、商品登録にすごく手間がかかるのが容易に想像ができます。1点ものの商品で常に商品登録をし続けないとどんどん商品が減ってしまう中古着物店としてはは気が滅入ります。ちなみにこの夏は毎月400点以上新規商品を登録したので、新しい登録システムで毎月同じ量を登録するのは本当に大変…と思うでしょ?

ところがどっこい、当店に限ってはそんなの余裕をぶっこいてクリアします(笑)。

ファイルメーカーというソフトをご存知でしょうか。エクセルのような関数を使うソフトなんですけどこれを使って自動的に商品登録をするシステムを作成中でこれが完成したら簡単に商品ページを作ることができるという優れものです。プログラムというにはあまりも簡単すぎるのですが、パソコンに詳しというほどではない私にとってはかなりの仕事量。でも嫌いじゃないので夜な夜な仕事が終わってから自宅でパソコンをいじくり回して頑張ってます。

まあそんなわけでだいぶん完成に近づいているのですが、ちょっといろいろ困ったことが出てきています。

その「困ったこと」については後で話すとして話は飛びますが、皆さんは長襦袢の裄ってどんなふうに選んでますでしょうか?

例えば裄65cmの長着(紬や小紋、訪問着など着物の総称)に合わせる長襦袢はどんな寸法のものを選んでおられますでしょうか。「え?65cmの着物だから65cmでいいんじゃないの?」と思った方、ぶぶーっ!ハズレです。65cmの長着に合わせる長襦袢は必ず「65cm未満」じゃないとダメです。同じ寸法の長襦袢を選ぶと袖口から長襦袢が出てきますよ。リサイクル品なので多かれ少なかれ、妥協しなければならない部分はありますが、長襦袢は下着なので袖口から見えているというのはあまりカッコいいものではありません。

65cmの長着に合わせるのはできれば64cm程度、ほんの少し短いものをお勧めいたします。61cmなど極端に短いものでも袖口からは出てこないので悪くはないのですが、多少問題があります。

だいたいにおいて着物や長襦袢の袖幅、肩幅はそれぞれ裄の半分程度、または袖幅がちょっと長めになっております。つまり、65cmの裄の長着は肩幅袖幅それぞれ32.5cm程度、もしくは肩幅32cm、袖幅33cm程度が多いでしょう。裄64cmの長襦袢はそれぞれ32cm程度というのが多いかもしれません。

これが61cmの長襦袢だったらどうでしょう。セオリー通りの寸法だとすれば肩幅は30cm程度、袖幅31cm程度といったところでしょうか。この長襦袢を裄64cm、肩幅32cmの長着と合わせると2cm肩幅が狭いので、その分袖付けが背中心側に引っ張られてしまいます。つまり、身八つ口から長襦袢が見えてしまうということになります。

ずっと腕を上げて着物を着ているわけではありませんし、先ほども書いたようにリサイクル着物という商品の特性上、価格が安い分どこか妥協しなければならない部分はあると思いますので私の感覚では許容範囲内だと思いますが、65cmの長着を着ている方が61cmと64cmの長襦袢をどちらにしようか悩んだときには61cmの方が柄が好みだったとしても64cmの方を選ぶ方が無難という程度の判断基準にはなると思います。

で、冒頭の話に戻りますが、現在そんなプログラムもどきを作っております。商品のサイズをS、M、Lサイズと入力しなければならなくなったのですが、着物は洋服と違って身幅が大きくても身丈が短い、身丈が短くても裄が長いなど、既製品の洋服とは寸法の感覚が違うので、あくまでも裄によってS、M、Lを区別しております。

というわけで

婦人裄61cm未満:SSサイズ
婦人裄61cm-63cm未満:Sサイズ
婦人裄63cm-65cm未満:Mサイズ
婦人裄65cm-67cm未満:Mサイズ
婦人裄67cm-69cm未満:Lサイズ
婦人裄69cm-71cm未満:Lサイズ
婦人裄71cm以上:LLサイズ

このように表示しております。今まで長襦袢も長着も同じに定義してるのですが、楽天の商品登録システムが新しくなるに伴ってサイズ表記も厳密に定義されるようになりました。

ここでプログラムを作るにあたって悩みどころがありまして…。

67cmの長着だと、上の定義ですとLサイズになるのですが、同時に長襦袢を選ぼうとすると、探さなくちゃならないのは66cmまでの長襦袢でMサイズの長襦袢ということになってしまいます。これ、私の中ではどうも違和感がありまして、Lサイズの長着を探して買い物かごに入れて「さあ、長襦袢を探そう」と思った時に当店のサイズ表記定義まで見て65cmの長襦袢を探す人はそう多くないと思うんですよ。

既製品の長襦袢ですと、メーカーによっても違いはありますが、裄65cmと書かれていても少し短めになっており「裄65cmの長着に合わせる長襦袢」という意味で表記されているところが多いように思いますが、リサイクル着物店ではどうでしょう。お客様が裄65cmの長襦袢を選んで購入したのに表記通りの寸法がなかったら違和感を感じると思うんですよね。

どうするのが一番正解なのか、プログラム(もどき)を組みながらずっとモヤモヤしております。モヤモヤしながらもきっと従来の通りのサイズ定義で作ってしまうんでしょうけれど、今日もモヤモヤしながらプログラムもどきをつくります。

最後になりますが、同じようなことはコート類でも発生いたしまして、長着の裄が65cmだった場合、羽織やコートの適正寸法は66cm程度となります。また、袖丈についても長着の寸法が49cmだった場合、長襦袢の適正な袖丈は47-48cm程度となります。従来のようにフルオーダーばかりの時代は長着の寸法を一つ覚えておけば(または店側にお任せしておけば)その寸法に合う長襦袢や羽織、コートを仕立ててもらえたし、お客様側はご自身の寸法を把握する必要すらなかったのですが、リサイクル店を利用する場合はそういった知識も必要になります。

洋服とは少し感覚が違うので戸惑うかもしれませんが、今回のお話は長襦袢やコートを選ぶときのために頭の隅に少しだけ留めていただけると失敗することも少なくなると思いますのでぜひ覚えておいてくださいね。

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発行:新品とリサイクル着物 呉服のきくや
住所:大阪市大正区泉尾3-15-4
電話:06-6551-8022
https://www.kikuya.shop/

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