喪服は黒紋付であって喪服ではない
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本日のお題:喪服は黒紋付であって喪服ではない
呉服のきくや本店:https://www.kikuya.shop/
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■喪服は黒紋付であって喪服ではない
今週のお題は「喪服は黒紋付であって喪服ではない」です。これを読んでいる読者の方は喪服ってご存知ですよね。ちりめん地を真っ黒に染めて五つ紋がついたあの着物です。ちなみに大昔には、関西ではちりめん地、関東では羽二重生地と地域差があったと聞きましたが、最近はちりめん地が全国統一を果たして日本全国ほぼちりめん地が使われているようです。
それはさておき、あの黒くて五つ紋の着物が世間一般的には「喪服」と呼ばれているようなんですよね。ちなみに当店でも女性の黒地に五つ紋の着物を「喪服」と書いて販売しておりますが甚だ不本意です(後述)。
一番初めに結論めいたことを書きますが、着物の種類の中で「喪服」と言われる着物はありません。みなさんが一般的に「喪服」と名付けているのは正式には「黒紋付」と申しまして、留袖と並ぶ女性の第一礼装としてお召しいただける非常に格の高い着物なんです。わかりやすく言うと男性の黒紋付と全く同じ役割ですが、女性の黒紋付は「喪服」と呼ばれてしまうのです。なぜそのようなことになってしまったのでしょうか。
黒紋付を「喪服」としてお召しいただくのであれば白い半襟、黒共帯(真っ黒の九寸名古屋帯)、黒の帯〆帯揚げにする必要があり、それらと合わせてようやく「喪服」という装いになるのであって黒紋付単体で「喪服」と呼称するのは間違いです。一般的に第一礼装の着物をお召しになる機会は、若い二人の門出を祝う結婚式、もしくは故人にお別れを告げるお葬式に限られてくるかと思いますが、お祝い用の第一礼装の着物としては黒留袖がありますので、黒紋付は図らずもお葬式専用になってしまい、そこから「喪服」と言う不本意な名前で呼ばれることになってしまいました。
でもよく考えてみると男性の黒紋付はお祝いの時、お葬式の時、どちらの場合にも着られるので女性の黒紋付も全く同じなんですよ。何度もいいますが、たまたま黒留袖というきらびやかで豪華な着物が存在するため、黒紋付の活躍する場が一般的にはお葬式しか無くなってしまったのです。その結果、黒紋付はお葬式専用のようになってしまいました。
お葬式専用と書いてしまいましたが、特定の世界ではそうではないんですよ。一番有名なのは宝塚音楽学校の式典では黒紋付に緑色の袴をつけるスタイルですね。また、一部の日本の伝統芸能でも黒紋付に金の袋帯を締めます。そうそう、落語家の桂あやめさんも「桂あやめ」を襲名するときに黒紋付に金糸の袋帯を締めてタクシーに乗ったらドライバーさんに「お葬式ですか?」なんて聞かれたとラジオでおっしゃってたのを覚えてます。
ある地域では19歳の厄除けの時に黒紋付を着て氏神様のところにいくのが習わしになっているらしいですし、黒紋付は決してお葬式専用の着物=喪服ではなく、留袖と同じ格の高い着物なんです。
でもきくやさんのサイトには「喪服」って書いてますよね?というツッコミは甘んじて受けます(汗)。当店もやはり着物を販売していかなくてはならないので「喪服」というキーワードを商品名に入れて検索に引っかかるようにしなくちゃならないんですよ。正直私自身、黒紋付を「喪服」と商品名に書いて販売するのは少し抵抗があるのですが検索にヒットしないのであればどうにもならないので喪服と記載しております。ここはうちも商売ですので目をつぶっていただければありがたく存じます笑。
以前、意地を張って頑なに「黒紋付」と書いておりましたら、紳士物と誤解して購入される方が続出いたしまして変更したという経緯もあります。まあ確かに「喪服」と書いた方が直感的にわかりやすいんですが、先週の長襦袢やコート寸法表記と同じようにこの喪服という表記も毎回「呉服屋が黒紋付のことを喪服などと間違った表記をしちゃダメなんだけどなぁ」と葛藤しながらも「喪服」と書いてしまっています…。
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発行:新品とリサイクル着物 呉服のきくや
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