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着物の虫干しと収納
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本日のお題:着物の虫干しと収納
呉服のきくや本店:https://www.kikuya.shop/
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今週になって一気に寒くなりましたね。真冬になりますとコートを着なくちゃならなくなり、下の帯などが隠れてしまうので着物を着るにはこのくらいの寒さがちょうどいいような気がします。これだけ一気に寒くなると紅葉も綺麗に色づくのではないでしょうか。ちょうどいい気温の時期はほんのわずかな間ですので感染対策しながら楽しんでくださいね。
岡重シルクショールプレゼント企画に多数のご応募ありがとうございました。厳正な抽選の結果、
北海道 N・M様(姓・名の順)
に当選が決定いたしました。すでに昨日発送いたしておりますが、北海道は到着まで2-3日程度お時間を頂戴いたしておりますのでしばらくの間お待ちくださいませ。お手許に到着いたしましたらSNSなどで自慢してくださいね。
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■着物の虫干しと収納
本日のお題は「着物の保管と収納」です。ようやくコロナが収まってきて、それと同時に朝晩冷え込む着物でお出かけしやすい季節になりました。この夏はコロナでイベントも減り着物を着てお出かけする機会も失われていましたね。もともと浴衣を扱っていない当店は夏は閑古鳥なんですが、例年にもましてめちゃくちゃヒマでした。夏は毎年全く売れないのですが、その想定以下だったので仕方なく織物の産地などにいって勉強できたのは良かったのか悪かったのか(汗)。
今まで着物でお出かけできなかった分、ウズウズしておられる方も多いのではないでしょうか。まだ本格始動には躊躇するかもしれませんが、感染対策を十分した上で少しずつお出かけして着物を楽しんでくださいね。
真冬ほど寒くはないし、湿気も少ないこの季節は着物の虫干しには最適な時期なので、本日は虫干しと収納についてお話ししたいと思っております。
着物が一番痛む原因は湿気です。元来木と土でできた日本家屋は通気性が良いのですが、現代の家は断熱性が良くなって密閉性が高くなり、家の中に湿気がこもりやすくなりました。真冬の窓に結露して床に水たまりができるような家もあるかと思いますが、そういう家も要注意です。
湿気自体は真水なので、着物に付着してもそれが即シミになるというわけではありませんが、カビが発生する原因となってしまいます。また、タンスの中は湿気がこもりやすく、開かずの引き出しの中に入れたまま何年も経過するとカビから変色してしまいます。当店は店頭持ち込みで着物の買取もしているのですが、あまりお手入れされていない昔の着物が持ち込まれた時にはカビから発生したシミが出ていることが多いです。
全く着てないはずなのに!と不思議そうな顔をされるのですが、残念ながら全く着ていないからこそ空気の入れ替えが行われず湿気がこもり、カビが発生してシミだらけになってしまうのです。
これを防ぐには、ありきたりの方法ですがやっぱり虫干しです。年に1-2回程度、着物を広げて風を当てて陰干しをして着物とタンスの中に溜まった湿気を飛ばしましょう。着物の染料は紫外線に弱い場合がありますので、必ず陽の当たらないところに干してください。また、袖を広げてかけられる専用の着物ハンガーをお使いください。洋服用のハンガーを使うと、着物の重量で肩の部分が伸びる場合がございます。
余計なことですが、座敷犬がいる家は着物が珍しくて鼻でクンクンしにきて着物の裾に鼻の水がついてしまいますので気をつけてください。私が実家にいたころはポメラニアンのロンくんがクンクンしてくれたので私の着物の裾に水シミをつけられました涙。
毎日クッソ忙しいのに着物にそんなに手間かけられないよ!という方はしかたがないのでタンスの引き出しを1日中開けておくだけでもタンスの中の湿気が外に放出されてかなり違います。もう少し頑張れる、という方はタンスの引き出しからたとう紙を出して着物を広げずに床に並べておくというのでもカビの発生をかなり防げます。毎年続けることが大事なので続けられる範囲で頑張ってくださいね。呉服店やホームセンターでは、タンスの中に入れる湿気取り用シートが販売されておりますのでそういったものを利用するのも効果的です。
あまり着物を扱い慣れていない方は、虫が来てはいけないとばかりに防虫剤をたくさん入れる傾向があるのですが、虫が食うというのはおそらくウールの着物のイメージかと思われます。たしかにウール100%の着物はすぐに虫が寄ってきて小さな穴が空いてしまいますので防虫剤は必須です。
しかし絹の着物はほぼ虫の被害はありません。子供用の絹の着物に着やすいように後付けでウールの紐を縫いつけていたらその紐の部分だけ綺麗に穴が開いて着物本体の絹の部分はほぼ無傷だったこともありますし、ウールと絹の混紡の生地も「うわ、絹混じっとるやん!ぺっぺっぺ」と言ったかどうかは知りませんが、絹混の生地すら食べませんのでほぼ必要性は感じません。当店には1万点ほどの在庫があり、倉庫に大切に保管しておりますが一切防虫剤入れておりません。
絹を食べる虫が全くいないというわけではないようですので心配な方は最低限の防虫剤をいれておいてもいいかもしれませんが、誤って洋服用を使ったり、説明書に書いてある以上の量を引き出しにいれてしまうと着物に使われている金箔が傷んだりといったこともありますので、必ず着物用、そして説明書きの用量を守って使用してください。説明書を読まずつい入れすぎてしまいがちですが、多ければ逆に着物にとって害になりますので注意してくださいね。
ですのでウールの着物と絹の着物の両方をお持ちの方は、できれば引き出しの段を変えてウールの引き出しには和服用の防虫剤をいれ、絹の着物の段には何も入れない(もしくは上で書いた湿気取り用シートなどを入れる)のがお勧めです。
タンスの中に収納するときには、頻繁に着るものは下側、あまり着ないものは上側に入れてください。湿気は空気より重いのでタンスの下側に溜まる傾向があります。そのため、留袖や訪問着など滅多に着ないフォーマル用は上側に、頻繁に着る小紋や紬などは下側にいれておくと、引き出しを開けるたびに下側の湿気が排出されて自然に湿気を対流させることができます。
長々と書きましたが、着物にとって一番いいお手入れは着物を着て出かけることです。着ることによって湿気は飛びますし、気づかなかったシミにも気づくことができます。コロナも一段落したようですし、着物を着やすい季節ですし、ぜひ着物でお出かけしてくださいね。
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発行:新品とリサイクル着物 呉服のきくや
住所:大阪市大正区泉尾3-15-4
電話:06-6551-8022
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