着物初心者が頑張って外にお出かけしてみた!
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本日のお題:着物初心者が頑張って外にお出かけしてみた!
呉服のきくや本店:https://www.kikuya.shop/
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なんだかあっという間に寒くなってきました。朝方は結構冷えるのですでに真冬の体制で電気毛布まで出してしまいました。でも着物が一番似合う季節なので私はこの時期が一年中で一番好きなんですよ。着物の虫干しなどお手入れをするのも一番いい季節ですので、広げて1日風を当てて…なんていうと大層になってきますので気候のいい日に1日タンスの引き出しを開けて湿気を外に出してあげるだけでカビの発生を防げますので是非やってみてください。
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■着物初心者が頑張って外にお出かけしてみた!
今週のお題は「着物初心者が頑張って外にお出かけしてみた!」です。いつもの豆知識的なものとは少し趣向を変えて、着物初心者の友人がほぼ初めて着物を着て出かけた顛末記をお届けします。なお、この文章は友人に「メルマガに書くからどんなことを感じたかを書いてよ」とお願いして私がメルマガの文章にしたもので、もちろん本人了解済みですが多少フェイクを入れています。
まずは友人の紹介(?)から。2018年になぜか着物熱がいきなり吹き出して無料着物教室に通うことになりました。自身がお嫁入りの時に持ってきたほぼ着たことない着物も色々あったけれど、リサイクルの着物を買い漁りはじめ、ネットで見る着物全て可愛く見えてしまってあっという間にタンスの中が着物だらけに。カレンブロッソの草履もすごく可愛くてちょっと高かったけど新品でポチッと。もう気分は和服美人♪
一応インターンというところまでは行きましたが(声をかけられた時には「私なんかでいいの?」と思ったけど、どうやらテイのいい無料のお手伝いで誰でもなれるらしい笑)、無料期間が終わったし、インターンで教室に通う時に何回も着てそれなりに手順だけは覚えたのであとは着慣れたらなんとかなる、と思ったけれど、無理やり着る機会を作らないとつい楽ないつもの洋服になってしまう。やっぱり着慣れないということは面倒なことが多々あるのでつい洋服に…。
教室を辞めてからすぐは教室で知り合った友人と着物ランチ1回しただけでそれから6年。なんと着物を着て京都の老舗料亭のランチ行くことになってしまった。まあなんとかなるか、と持ち前の楽天的な性格でOK。あれから全く着物を着ていないからちょうどいい機会と思って頑張ってみることにしました。
まず、1週間前から本番に向けて練習。着物はどれを着ようか、帯とのコーディネートはどうしたらいいのん?そうだ、困ったときにあいつ(きくやてんちょ)がいた!リサイクルで格安で手に入れた大島紬を着ることにして、それに合いそうな帯の写真をいくつか撮影して送った後で電話してみた。
「はいはい、なんですかね?」
「今度着物着なあかんねんけど、帯と着物の組み合わせがわからんねん。さっき写真送ったの見てくれた?」
「ああ、見た見た。ええんちゃう?」
「何がいいねん」
「ん?全部ちゃんと合ってるやん。大島紬着ようと思ってるんやんな?泥染めの大島に白の塩瀬なんか定番やし」
「もう一つは?」
「あれもカジュアル用だし、別におかしくない。いいんちゃう?」
「黒地のも送ったやろ?」
「ええんちゃう?」
「あんたは何でも『ええんちゃう』やな(怒)」
「いや、別に悪くないし、格も合ってるし何も間違ってないからええやん。ちゃんとわかってやってるんやろ。白地の塩瀬でいいんちゃう?」
いや、何もわかってない。キラキラしたのはフォーマル用というのはわかってるからキラキラしていないのから選んでみたけどそれで良かったのか。意外と簡単やん。帯〆、帯揚げも決まった!後は着るだけ!1週間かけて予行演習したら出かけられるはず。無料期間だけというものの教室に何ヶ月も通ったんだから何とかなるはず。何とかなると思う。何とかなったらいいなぁ。帯締めや帯揚げを着物や帯の上に置いてどれを使おうか、なんて考えているときはワクワクして楽しかった。これが着物は楽しいと言われてるアレだな。
そして実地練習。しかし帯締めの結び方からしてすでに忘れていたという事実が目の前に突き付けられました。教室で購入したテキストを6年ぶりに広げてみるけれど本ではいまいちよくわからない。綺麗さっぱり忘れとるやん。いくら写真でみてもよくわからない。ここは文明の利器、インターネットのYouTube様に頼るしかない、と思って見つけた「すなお着物」の1時間たっぷりな動画。ゆっくりと1時間もかけて説明してくれるなんてありがたいと思ってさっそく練習に入る。
まずは襟芯を入れなければ。ゴニョゴニョ…。ん?なんか違う。私外側に通してるやん。やり直して内側へ。肌着は上を着て裾除けをその上から巻いたらやっぱり違和感…裾除けを先につけないとあかんわな。
てんちょ注:普通に余裕をもって考えたら裾除けを先につけて肌襦袢というのはわかると思うんですが、もうすでにテンパっててあまり段取りを考えられていないのがよくわかりますな笑。
次に長襦袢。ありゃ、なんかおかしい…と思ったら左前に着てた。洋服の打ち合わせとは逆なのでついやってしまう着物初心者あるある。先は長いとつくづく後悔しましたが今更断るわけにもいかないし、せっかく着付教室に通ったのに(無料期間のみ)時間をかけて覚えたことが全く無駄になるのももったいないし、和服美人にもなってみたい。
何とか着物を着終えて次は帯。何とか巻き終えてお太鼓の位置も整えたので仮紐を解いたら帯がだらりと落ちた。なんでやねん。
せっかく着物を整えて着たはずが帯と悪戦苦闘している間に着崩れてきてまたやり直し。身体をひねって帯を巻いたり身体をひねったりしているうちに着崩れてくる。初日の今日はとりあえず3回、Youtubeのすなお先生と一緒に頑張りました。
3日前。何度も練習しているうちにそれなりに手順は身についてきたような気がするけれど、何だかあちこちぶよぶよしてるし変なシワも寄ってる。和服美人にはまだまだ遠い。何かコツはないかと思ってまたきくやてんちょに電話してみる。
「はいはい、なんでっか」
「着付けで悪戦苦闘してるんだけど、シワとか衿の収まりとかが悪くてぶよぶよしてるねん。どうしたらいい?」
「羽織持ってる?」
「羽織は…ない」
「コートは?道行コートとか道中着とかどっちでもいいけど」
「コートはある」
「それ着てたら隠れるやん。コートやからランチの屋内では脱がないとあかんけど、いちいちお客さんの着物の着付けなんか誰もみてないし、椅子やテーブルで隠れる。本当は屋内でも着ていられる羽織がいいねんけどな」
「まあそれはいいとして、着付けのコツを…」
「わし売るのは専門やけど着るのは専門ちゃうねん。女物の着物なんて着たことないし、そんなコツわからん。コートがあったら着付けが多少拙くても隠れるけど衿の部分だけは見えるから襦袢の襟が左右均等に出るというところに全集中して着なはれ」
うーん、役立たず。でもコートがあれば隠れるとはいいこと聞いた。少し気が楽になる。
そして前夜。いよいよ明日が本番。そういや着物ばっかり気がいってたけれど髪の毛どうしよう。着物1時間から1時間半、髪に30分で合計2時間以上見ておかないと。当日家を出るのは10時なので8時前から準備するとして逆算すると7時過ぎには起きないと間に合わない。再度Youtubeでおさらいをする。この1週間頑張ったからきっと何とかなるはずだし、何とかならなくてもコートがある。いろんな意味で秋から冬は着物でお出かけしやすい時期です。Youtubeでおさらいしていたはずがなぜかいつの間にか菜々緒さん主演のドラマ「無能の鷹」を見てしまう。いやいや、こんなことしてる場合じゃないねん。最後のおさらいで寝たのは2時。明日は頑張る(鼻息)。
そして当日。11月17日はポカポカとした陽気ではあったけれど普通に過ごしているとエアコンなんていらない快適な温度のはずが、これから着物を着て汗だくになるのを見越してエアコンフルパワーの20度に設定。悪戦苦闘の末、気に入らないところももちろんたくさんあるし、変なシワもあるけれど「写真館で記念写真撮るんじゃない、生きてる人間が歩いて動き回るんだからシワぐらい出るわ!気にすな」というきくやてんちょのいう通り気にしないことにする。そんなの気にしててもキリがないし、特に初心者の私にはシワなく綺麗になんて土台無理な話なのでもういい。
少し遅れて待ち合わせ場所についたら「意外と早かったね」と言われた笑。どうやら着付けに手間取って30分ぐらいは遅刻してくると思っていたけど予想外に早かったらしい。ランチの時間を考えても集合時間早すぎると思った。家を出てから気づいたけど、足袋が私より1cm大きい娘の成人式のでブカブカ。着物にばかり意識がいって足袋がブカブカなの全く気づかなかった。でも友人からは「頑張ったね」と言われて少し誇らしかった。着物が好きな友人と一緒なら初めての着物でお出かけも怖くない!
車に乗り込もうとしたら足が上がらない。え、どうやって乗ったらいいの?お尻から乗るのよ、と言われたけれど身長150cmの私には座席の高いSUV車はとても乗りにくい…と思っていたら友人が足の悪いお母さんが乗るときのために車に常備している踏み台を出してくれた。なかなか気がきくやん。10cmでも台があるとかなり乗りやすくなって助かったけど、もう目的地まで絶対この座席から動かない。動くもんか。動いたら着崩れる。
秋の京都はかなり混雑していたけれど、着物姿で歩くと何だかワクワクしました。京都、和食、着物。楽しい。別の友人のLINEグループにランチの写真を撮って流したらみんなからお褒めの返事があって少し誇らしかった。帯をして出かける時には背筋もピンとして姿勢が良くなったようで気持ちいい。また行こうと誘われて嬉しくて二つ返事でOKしたけれど一抹の不安。次はもう少し早く着れるのかしら。
家に帰って着物を脱いだらお腹が紐で鬱血して真っ赤になってました。そして脱いだ後に帯をよく見るとお腹の部分に醤油が飛んだような1mmぐらいの小さな茶シミが2つ見つけてしまった。ランチの時に醤油か何か飛んだのかなぁ。どうしようかと、またきくやてんちょに電話してみると「あん?そんなの染み抜き出したら何千円もかかるからリサイクルで買ってるなら使い捨て…とは言いたくないけれどある程度割り切って使うのもいいんちゃうん」とのこと。3000円で買ったしなぁ、そこに何千円もかけるのは違うような気もする。「もしどうしても気になるならほんの少し綿棒に漂白剤をつけて絶対擦らずにちょんちょんとつければワンチャン目立たなくなるかも知れんで。ただし絶対擦るな、ちょんちょんとつけるだけやで」とも言われたのでダメ元でやってみます。
着物でたらふく食べたら紐がお腹に食い込むことも初めて知りました。着物で遠出して1日過ごすのは初めての経験だったけど、意外と着崩れしなかったし、1日着ることで気づいたことなどがたくさんありました。教室で着たり脱いだりするのとはまた違うというのも良くわかったし、ハードルも高かったけれど、和服美人(?)に3歩ぐらい近づいたような気がします。着物教室から外に飛び出すのは勇気がいるけれど、せっかく着付教室に通って、多少拙くても着物を着られるようになったなら、着物友達を作って自分にプレッシャーかけて無理矢理にでも外に飛び出していくのは上達への近道かな、なんて思います…と偉そうに言ってみる笑。
以上、着物初心者が頑張って外にお出かけしてみた!でした。初めて着物姿で外に出るのは不安だとは思いますが、この方がおっしゃるようにSNS等で着物友達を作って出かけるのは上達の一番の近道のような気がします。外に出かけるのは勇気が出ないという方、この冬に一緒にデビューしましょう!
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発行:新品とリサイクル着物 呉服のきくや
住所:大阪市大正区泉尾3-15-4
電話:06-6551-8022
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