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新品未着用品なのにシミがあった帯の話

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本日のお題:新品未着用品なのにシミがあった帯の話

呉服のきくや本店:https://www.kikuya.shop/

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本店サイトにて開催いたしておりました倉敷帆布製の横長バッグの当選者は…

奈良県 S・T様(姓・名の順)

と決定いたしました!今回も多数のご応募ありがとうございました。賞品は本日発送いたしますので3月24日ごろにはお手元に到着する予定です。到着いたしましたらSNSなどで喜びの声を聞かせていただければ嬉しく思います。

今回はずれた方も、毎月プレゼント企画は続けていきたいと考えておりますのでまた次回ぜひご応募くださいませ。

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■リサイクル着物続々入荷中です!是非ご覧下さい。

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■新品未着用品なのにシミがあった帯の話

本日のお題は「新品未着用品なのにシミがあった帯の話」です。最近、ツイッターに質問箱を設置して着物ユーザーさんからの質問に回答しております。完全に匿名で質問できるシステムなので直接メールを送ったりコメントするよりも気軽なのでしょう、ほぼ毎日のように質問いただけて楽しいんですよ。

着物ユーザーの素朴な疑問は私のような業界にどっぷりつかっている人間からすると目から鱗のようなものも多く、ユーザーの生の声に耳を傾けることができるのは匿名掲示板ならではと喜んでおります。

さて、そんな匿名掲示板に寄せられた質問をご紹介いたします。私のような悲しい目に遭う人が少なくなるようにメルマガの題材にしてください、と快く許可を頂いたのでほぼ転載のよう形で掲載させていただきます。だいたい質問を要約いたしますと…

先日中古着物の店で「綴じ糸付きの未使用品」の名古屋帯を購入したが、糸を外して状態を確認したところ、お太鼓の裏面に10cmぐらいのボールペンらしい線と、それを上から何かで消そうとしたような(ごまかそうとしたような)跡がついていました。未使用品でないものに綴じ糸をつけて未使用品として売ったのか、それとも糸をつける前に汚してしまい、素知らぬ顔で糸をつけたのではないか、と思うけれどこういうこと(瑕疵を隠して綴じ糸をつけること)はよくあるのでしょうか。

まあこんな感じです。

不届きな店も絶対ないとは言えませんが少なくとも私の周りにはそんなことをするような店は見当たらないんですよ。リサイクル店同士のつながりもあって親しくお付き合いさせてもらっておりますが、どの店もみんな真面目に頑張っておられます。

そもそもそんなわかりやすく悪意を持ってシミを隠して販売したところで、クレームやトラブルにつながりますし、下手すればこのネット全盛の時代ではあちこちで店の悪口を書かれてしまうかもしれません。お太鼓の部分についたシミではなくお太鼓の裏側ですとシミによる値下がりも少ないですから、そんな誤魔化しをしても店が得られるメリットはかなり限定的です。その一方で、そんな誤魔化しがばれてトラブルになればデメリットは甚大です。

例えば通販で販売した場合、そういうトラブルが発生すると着払いでの返品になります。この着払いの返品ってバカにならなくて、店からの発送は運送会社との大口契約で割引された運賃なのですが、お客様から着払いで返品されるとこの契約運賃が適用されないのが一般的で、大きさによっては2倍程度の運賃がかかります。結果的に発送の3倍近い値段が無駄になってしまいますので、私にはそんなリスクを負ってまでごまかして販売することにメリットがあるとは思えません。ましてやお太鼓の裏なら着用すれば見えないのですから、初めから「使用時には見えないお太鼓の裏にシミがあります」と書いて返品着払いの分を割引して販売する方がいいです。

では今回の件はなぜ起こったか。

あくまでも私の想像ではありますが、その店に入ってきた段階で既に綴じ糸がつけられていたのではないでしょうか。そしてそのまま新品の未着用品として店頭に並べられたものを、今回の質問者の方が購入されたのでは、と思うのです。

当店もそうですが、リサイクル着物は「市(いち)」と呼ばれる業者専用の競り市で仕入れられます。当店がよく行く市は、毎月1回20人ほどの業者が集まって数百枚から1000枚以上の着物を競りにかけます。そのときに当然綴じ糸付きの帯も出品されることがありますが、それはもう新品未着用品というのが前提なので特に糸を外して中身を確認すると言ったことはありませんし、綴じ糸を取るのは出品者側も嫌がるでしょう。

そして店に持って帰ってそのまま販売します。新品未使用と思ってますのでこちらでも綴じ糸を外して確認するということはありません。私の感覚からすれば、一旦こちらで外して再度自分で綴じ糸をつけたものを「新品未使用品」として販売するのはすごく抵抗がありますので綴じ糸を外したくないのです。おそらく当店で販売してる帯で「しつけ糸付きなので長さ不明」と書かれているものがいくつかあると思いますが、そういったものは新品であることが前提なので検品はしていません。

ただ、今回の件がそうであったようにリサイクルの着物は一旦ユーザーの手に渡ったもので、その後どこをどうやって回り回って市に出品され、店に入荷することになったのか全くわからないのです。

貴金属や着物高価買取!などとTVCMが流れておりますが、そういった大手業者から市(いち)の出品業者に流れ、そこでまた売り買いされ、回り回ってお客様の手元に行きます。もしかしたらそのお客様がまた手放してまた回り回って、ということも考えられます。その間に何があったかは全くわかりません。悪意を持った業者もいたかもしれません。何度も書きますが「まったくわからない」のです。

ですので、今回の件の店も悪意を持って瑕疵のある商品を販売したのではなく、店側もわからないうちにそういった商品が混じっていたと考えて、疑問があった場合はすぐに店の方に問い合わせ値引きしてもらうか、または返品するなどの対応をお願いすればいいのでは、とアドバイスさせていただいたのですが残念ながら返品期間が過ぎてしまっているのでもういいです、ということでした。

綴じ糸がついている商品だったためにおそらく店は新品の未使用品だと信じて疑わなかったのでしょう。綴じ糸付き=未使用品として売られているものを購入されたお客様が驚き、悲しまれたのも当然です。今回の件の教訓としては、綴じ糸がついていても中を確認させてもらってから購入するか、購入前に綴じ糸を外すことを店側が嫌がったり綴じ糸が外せない通販の商品だった場合には、購入後に中のシミを見つけた時には返品を受け付けてもらえるか確認しておくと良いかもしれません。綴じ糸がついていても油断せず、購入前か購入後すぐに綴じ糸を外し、しっかり確認することが必要なようです。

シミ等の検品は目視で行うため、今回例に挙がった帯だけでなく、長着であってもしつけ糸付きの未着用品だとついパパっと見れば大丈夫だと油断しがちです。今回質問をいただいたことで、私も少し気をつけなくてはいけないな、と気を引き締めることができました。新品未着用品として仕入れたものでも油断せずに、お客様をがっかりさせることがないようにより一層検品に注意して運営したいと思います。

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発行:新品とリサイクル着物 呉服のきくや

住所:大阪市大正区泉尾3-15-4

電話:06-6551-8022

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