展示会で荷物を運んだ思い出・腰痛は辛いよ
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本日のお題:展示会で荷物を運んだ思い出・腰痛は辛いよ
呉服のきくや本店:https://www.kikuya.shop/
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■展示会で荷物を運んだ思い出・腰痛は辛いよ
しばらく固いお題が続いたので今週のお題はかるーく「展示会で荷物を運んだ思い出」です。
当店は私がリサイクル品の面白さに目覚めたため10年以上前からリサイクル品を主に取り扱っていますが、それ以前は新品の着物が主体でしたので、大小合わせて年間10回ほど展示会をしておりました。といっても当店のような地元密着のごく小さい店は大きなホテルの宴会場を借りるなんてことはできず、近所の小さな公民館で開催しておりました。
展示会を開催するときには通常は「かしもの屋さん」…といっても伝わらないかな。会場設営は私の周りの業界人がかしもの屋さんと呼んでいるディスプレイ屋さんに会場設営をお願いします。かしもの屋さんは畳や衣桁(いこう・着物を陳列する道具)、撞木(しゅもく・帯を陳列する道具)、売り場を区切る格子状のついたてや竹垣などを持ってきて綺麗にディスプレイしてくださいます。
しかし当店の場合はできるだけ経費を節約したかったのでディスプレイ用品のほとんどを自社で用意し、会場まで運んでおりました。もちろん保管するのもなかなか大変なんですけれど、かしもの屋さんに備品を全てお願いすると当店のような小さな展示会でも20-30万程度かかってしまいますので年間10回も展示会をするとかなりの出費になるのです。とはいっても全てを自社で用意できるわけではないので衣桁や撞木以外のものはかしもの屋さんにお世話になったのですが。
様々なディスプレイ用品を自社で用意するとなると、保管も運搬もなかなか大変です。保管場所は当時倉庫があった5階建て自社ビルの屋上だったのですが、展示会のたびにそれをえっちらおっちら抱えて下ろすのです。その当時何人かいた当店の社員だけでは到底人手が足りないので、その展示会に商品を出品してくださる協力会社の担当営業マンも手伝ってトラックに積んでくれるのですが、夏場の展示会などではたまに倒れる人がおりました笑←笑いごとじゃない
もちろん在庫商品もダンボールに詰めて展示会場に運びます。当店の在庫品はダンボールで40個程度だったように思います。協力会社が持ってきてくれる商品もダンボール数十個にもなり、商品数としてはものすごい量になります。
余談ではありますが、私が子供の頃は展示会が終わってから店に荷物を搬入することができなかったため、自宅に運び込まれて居間が数十個の段ボールで埋め尽くされました。もちろん全て着物です。小学生だった私はその段ボールの上に乗って遊んで走り回り、段ボールが崩れて下敷きになった、なんてこともありました。
ところで、ダンボールによって入れるべき商品が決まっているのはご存知でしょうか…って知りませんよね。長方形のダンボールは帯と反物用、正方形のダンボールは仮絵羽用(訪問着や留袖など絵羽物で仮縫いしている状態)です。長方形のダンボールは縦65cm程度、横38cm程度、正方形は45cm四方程度。長方形のダンボールは袋帯を入れるのにちょうどいい大きさですが、横幅は38cm=約1尺でちょうど反物も入って無駄のない大きさ(でもキングサイズは入らない時も)、正方形は仮絵羽の反物を袖たたみ(袖を持って畳む借り絵羽独特のたたみ方ですがどんなたたみ方かはややこしいのでここでは割愛)して4つに折るとちょうどいい大きさです。
商品の入ったダンボールってめちゃくちゃ重いんですよ。だいたい着物は1枚800g-1kg程度ありますが、ダンボールに20点ほど入れると16kgから20kg程度。短い距離を1つだけ運ぶならまあ別になんてことはないんですけれど、何十とあるダンボールを一つずつ運ぶのはなかなか大変です。
設備の整った大きな会場ならトラックを横付けできる搬入口があり、大きな搬入カートをトラックの荷台に積み込んでそこにダンボールを入れてそのまま会場の中にガラガラと持っていけばいいのですが私たちは零細弱小貧乏会社なので安い公民館での開催でそんな気の利いた搬入口はありません。入り口にトラックを横付けしてひたすら手作業で運びます。
かしもの屋さんも取引先も、もちろん当店の社員も誰がどの荷物を運ぶなんてそんなセコイことは言いません。みんな大変なんだからかしもの屋さんのディスプレイもみんなで運び、取引先の商品もみんなで運び、当店の商品もみんなで運ぶ。大変だったけれどみんな仲間で楽しく仕事してました。
仮絵羽のダンボールを手に持ったら当たり。袋帯のダンボールは重い。とにかく重い。1本1kgぐらいで25本ぐらいはいるのかなぁ。そうすると25kgぐらいになるからとにかく重い。みんな並んで荷物を運ぶんですけど、自分の番に運ぶであろう荷物が長方形だと帯の可能性が高いので「うええええ」と思います。逆に正方形(仮絵羽用のダンボール)ならちょっとラッキー。ふわふわして巻きが大きく、1つのダンボールにあまり入らない総絞りの着物が入ってるダンボールだと大当たり笑。
こんなことを毎月繰り返してたんですからそりゃ腰も痛めますわいな。呉服業界って結構力仕事で腰痛持ちの人が多いんですよ。当店は小売店だからまだ月1回程度だったんですが、卸問屋ですと毎週のように展示会の応援で商品を出品するので毎週、会社から商品を出荷するときと、展示会が終わって商品が返ってくる時にこの作業が繰り返されます。呉服問屋の方は着物を着て仕事するのはなかなか難しい、と言われるのは肉体労働だからなんですよ。
あと何ヶ月かしたら春になり、呉服問屋も新入社員が入ってきます。新入社員は若いので展示会の荷物運び要因に駆り出されます。展示会場設営に駆り出され、撤収の時にも終了時間に合わせて展示会場にきて商品をダンボールに詰めるのですが、どの商品をどのダンボールに詰めたらいいのかわからないんですよね。長方形の箱に無理やり仮絵羽を入れるぐらいはまあいいとして、長方形の大きな箱に大島紬を詰めてしまうような新入社員がいたりすると大変です。
大島紬って生地が薄いから巻きが細いんです。1反のあたり重さは同じなんですが、巻きが細いから1つのダンボールにたくさん入ってしまいますので長方形のダンボールに入れると40反、50反と入ってしまいとてもじゃないけれど老齢化の進んだ呉服業界の人間には持ち上げられない重さになってしまい、いざ運ぶ段になって「袋帯の箱に大島入れたん誰じゃぁぁぁぁ」と叫ぶ爺さんも春の風物詩です(ちょっと嘘)。
ちなみに大島紬は普通の箱に入れると重くなりすぎるため、大島紬用の少し小ぶりな箱があり、必ずそれに入れないと重くて持ち上がらないのですが、新入社員にはわからないですよね。
当店は展示会をすることは全くなくなってしまいましたが、営業時間が終わって大先輩方とビールを飲みながら着物のこと、作品の作り方などのお話を聞かせてもらったのはとても楽しく、その時の知識は今の大きな財産になっています。ついでに言うと私も御多分に洩れず呉服業界の職業病とされる腰痛という財産(?)もありがたく頂戴いたしております。
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発行:新品とリサイクル着物 呉服のきくや
住所:大阪市大正区泉尾3-15-4
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