草履の鼻緒を買うときは気をつけて
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本日のお題:草履の鼻緒を買うときは気をつけて
呉服のきくや本店:https://www.kikuya.shop/
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一昨日、健康診断に行ってきました。バリウム検査で台の上で回転したり逆さまになったりしてたんですけど、あれ落ちる人いないんでしょうか。頭が下になった時結構な力で手すりを持たなくちゃならないのでお年寄りとか握力のない方は大変だろうなぁ。
私の母親も年取って見るからに体力がなくなってきてるのですが、あの手すりにつかまって落ちるのを耐えられるような気がしません…。落ちる方、いないのかなぁ、と少し心配になりました。
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■草履の鼻緒を買うときは気をつけて
今まで当店は本店サイト、楽天、Amazon、Yahooショッピングの4店舗運営していたんですが、ちょっと以前からフリマサイトの「楽天ラクマ」に出品しております。なんでラクマやねん!今はメルカリやろ!と様々なところ(主に同業者・笑)からツッコミをいただくのですがメルカリに出品できない理由があるんです。
ちょっとややこしい話になりますが、当店のような1点ものの商品を楽天やAmazon、Yahooショッピングなど複数のサイトで販売するためにはどこかのサイトで1つ売れたら自動的に残りのサイトから商品を1つ減らす在庫連携システムが必須なのですが、メルカリはこれに対応しておらず、最近ラクマが対応したのでそこに出品しているというだけの話でして。
ちょっと以前にメルカリショップという法人向けのマーケットプレイスもできたことですし、なんとか対応していただければ嬉しいのですが、在庫連携システムの担当者に聞いたところ、メルカリのシステムは少し特殊らしく対応するのがなかなか難しいらしいです。メルカリショップもまだまだ始まったばかりでショップとしての使い勝手はまだかなり悪いと聞きますが…。
それはさておき、今まではライバル店の動向など情報収拾するためにショッピングモールを眺めることは多かったのですが、最近はフリマサイトも眺めて勉強しています。出品しているのは主に業者じゃなく一般ユーザーではありますが、商品を売り買いするという点においては業者であろうが一般ユーザーであろうが同じなのでどんな商品をどんなふうに販売しているのかみていいところは取り入れたり見習ったりしております。日々勉強。
で、着物が出品されているのは当然として、たまに草履の鼻緒が出品されてるんですよ。でもこの鼻緒、パッとみて「うわー、可愛い!」なんてすぐに買っちゃダメですよ。商品説明をちゃんと確認してからにしてください。
鼻緒を外すと前つぼ部分(草履を履いた時に親指と人差し指で挟む部分)や後ろ側の部分(なんて言うんだろ)から長く紐が出ているのがわかると思います。たまにこれが短く切られているものがあるのですが、それは買ってはいけない鼻緒です。
まず草履の作り方というか、構造というか、そちらからお話しいたしますと、草履の台に前つぼ部分と後ろの二つ、合計3つの穴が空いています。草履を裏返してみると前つぼ部分の裏と後ろの二つの穴の裏あたりにホッチキスの針で留めたような蓋があるはずです(注)。
注・一般的な草履はここを開けて鼻緒をすげるのですが、安価なウレタン製の草履ですと台に鼻緒を直付けしていて蓋がないのものございます。こういったものは鼻緒は変えることができません。人気のカレンブロッソの草履も比較的高価な部類ですが鼻緒をすげる穴が開いてないですよね。あれ、なんでなんでしょうか。そこそこいい値段の草履なので多分何か合理的な理由があると思うんですが、ご存知の方がおられましたら教えてください。
で、話を戻しますと、台の穴の空いている部分にそれぞれ鼻緒から出ている紐を差し込んでぎゅっと結んで鼻緒をすげるのはみなさんご存知の通り。
ところが草履にすげたあと、長い紐が穴から出ているんですがこの紐を台の中の穴に押し込むのって結構手間なんですよ。意外とかさばるし、台の中の紐収納スペースは小さいので、綺麗に丁寧に折りたたまないと収納スペースの中に収まりきりません。というわけで比較的安価な草履の場合、ちゃんと畳む手間を惜しんで最低限の紐を残して紐をちょん切ってしまうことが多いのです。
まあ、比較的安価なものですから鼻緒を一旦外してから足に合わせてもう一度すげ直したり、他の草履に付け替えることはあまりなく、履きつぶしてしまうことの方が多いと思うので割り切ってさっさと切ってしまうのも合理的な判断かと思います。
しかし、この短く切ってしまった鼻緒、残念ながら一旦外してしまうとどうにもならんのですよ。
鼻緒をすげるときには職人さんがかなり強い力で引っ張るので、しっかりと紐を握らなくてはなりませんが、そもそも紐が短く切られてしまっていると持つところがなく鼻緒をすげることができないのです。一度、職人さんに「紐が短かった場合、別の紐をくくりつけてすげることはできる?」と聞いてみましたが「理屈としてはできるかもしれないけれどやったことないからどうかな」と言うことでした。もしかしたらできるかもしれないけれど、正直面倒くさい仕事でしょうね。
私も全ての草履を全て分解してみたわけではありませんのであまり確定的なことは言えないのですが、おそらく安価な外国製の既製品の鼻緒の紐はほとんど切られていると思います。切られてないのは国産で鼻緒と台が別売りになっていて職人さんにすげてもらうタイプのものぐらいじゃないかなぁ、と思いますがどうでしょう。
もちろんフリマから買う時、草履から外したものではなく新品のものならきっと大丈夫だと思いますが、もし気になる鼻緒がありましても一旦深呼吸して少し落ち着いてまずは出品者さんに単に既製品の草履から外したものなのか、それとも台と鼻緒を選んで職人さんにすげてもらったものなのかなど、問い合わせてみた方がいいと思います。
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発行:新品とリサイクル着物 呉服のきくや
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