神の国と悪魔の国の戦い(最終回)
新天新地について預言しているのは、黙示録21~22章です。黙示録1~20章は、旧約聖書全体にちらばっている終末預言を時間順に並べています。それに続く21~22章は、それまでに明らかにされていなかった新しい真理の啓示です:
●創世記1章から続いてきた被造世界は、やがて過ぎ去る。
●罪の影響を受けない新しい天と地が創造される。
●新しいエルサレムが天から下ってくる。
新天新地到来の預言(黙21:1~2)
新天新地には海がありません。今の地は海で覆われていますが、それは裁きの一部です(創1:2)。もとから存在する天のエルサレムが、花嫁のように整えられて新地に降ってきます。地上のエルサレムは諸勢力による支配を受けましたが、天のエルサレムは永遠に自由です(ガラ4:26、ヘブ11:9~11、12:22~24)。そこには次のような住民がいます:
三位一体の神、天使たち、教会時代の聖徒たち、完全な者とされた義人たち(旧約時代の聖徒たち)。この聖書箇所には書かれていませんが、患難期の聖徒たちと御国の聖徒たちもその中に含まれます。
見よ、神の幕屋が人々とともにある(黙21:3)
私たちは、新しいエルサレムで永遠にシャカイナグローリーに囲まれて生活するようになります。これは、ヘブル人への手紙12:22~24の成就です。一切の労苦や呪い(創3:16~19)が、すべて取り除かれます。「彼らの目から涙をことごとくぬぐい取ってくださる」(4節)とは、悲しみの原因がすべて取り去られるという意味です。
全能の神による宣言(6節)
「わたしはアルファであり、オメガである。初めであり、終わりである」(6節)は、神の永遠性と全能性を表現する御名です。神は「いのちの水の泉」(6節)を約束されます。これは信じる者が無代価で受ける祝福であり、永遠に渇きを癒す水です。信者が相続するのは、新天新地とその中に降りてくる新しいエルサレムです(7節)。私たちは、これらの朽ちることのない財産を相続します。
不信者が相続するものは、火と硫黄の燃える池での第2の死です(8節)。黙示録のメッセージを真剣に受け止めるなら、私たちの世界観は革命的に変化せざるを得なくなります。
新しいエルサレムの11の特徴
神の栄光(黙21:11)
旧約時代には幕屋と神殿の中に、新約時代にはイエスの内にシャカイナグローリーが宿りました。最終的には、聖なる都エルサレムにシャカイナグローリーが宿ることになります。この都の麗しさは、私たちの想像を遥かに超えるものとなります。
城壁(黙21:12~13)
城壁は、この都に与えられる神の守りを象徴しています。さらに、資格のない者はこの都に入れないことの象徴でもあります。城壁には12の門があり、それを守る天使が任命されています。さらに12の門には、イスラエルの12部族の名前が記されています。12部族の名前は、永遠に覚えられるということです。
城壁の土台(黙21:14)
土台石は、都の永遠性を表しています。土台石には、12使徒の名前が記されています。教会は、使徒と預言者という土台の上に建てられました(エペ2:20)。この聖句は、教会時代の信者がこの都の住民となることを暗示しています。
広大な面積(黙21:15~17)
都は、長さも幅も高さも全く同じ立方体の形をしています。1辺の長さは1万2,000スタディオンとあります(2,200km以上)。新しいエルサレムは、史上最大規模の都市です。この規模なら、あらゆる時代の聖徒たちが住むのに十分なスペースが確保できます。ソロモンの神殿の至聖所は立方体でした。(1列6:20)。新しいエルサレムは、永遠の至聖所としての役割を果たします。
新しい素材(黙21:18~21)
城壁は碧玉でできていますが、都そのものは「透き通ったガラスに似た純金」でできています。これは、私たちが見たこともない新しい素材だと思われます。城壁の土台石は、色とりどりの12種類の宝石で飾られています。12の門は、それぞれ1つの巨大な真珠でできています。都の大通りは、透き通ったガラスのような純金でできています。
不要になったもの(黙21:22~24)
新しい天と新しい地には、海はありません(黙21:1)。さらに神殿もなくなります。私たちは、神に会うために特定の場所に行く必要がなくなります。
太陽と月もなくなります。シャカイナグローリーが都を照らし、子羊が都のあかりとなってくださるからです。異邦人たち、地の王たちは、この光に導かれて生活するようになります。彼らは、神に栄光を帰すためにこの都に上ってきます。イスラエルと異邦人の区別は存続しますが、役割の違いはありません。
聖徒たちだけが入る(黙21:25~27)
聖徒たちだけがこの都に入ることができます。そこには夜がありません。罪のない世界では、闇が取り去られるからです。栄光の体に変えられた聖徒たちは、眠る必要がなくなります。その門を通って都に入るのは、「子羊のいのちの書」に名前が書かれた者だけです。罪人たちは、第2の死によって「火の池」に閉じ込められたままとなります。
いのちの水の川(黙22:1~2a)
水晶のように光るいのちの水の川が神と子羊との御座から出て、都の大通りの中央を流れています。この川は、新しいエルサレムにおける霊的祝福の象徴でもあり、その両岸にいのちの木があります。
神ご自身がこの川の源です。神と子羊がともに御座におられます。これによって、キリストの神性が証明されます。この御座は、千年王国における御座とは異なります。千年王国の御座は、キリストが神の代理人(王の王)として統治するためのものです。新しいエルサレムでは、キリストの統治形態が変化します。
いのちの木(黙22:2b)
エデンの園に、いのちの木がありました(創2:9)。アダムが罪を犯したとき、死が被造世界に入ってきました。新しいエルサレムでは、いのちの木が再登場します。いのちの木は、都の大通りの中央を流れるいのちの川の両岸にあり、豊かな実をつけます。毎月が収穫で、12種類の異なった実がなります。この木の葉には、癒しの力があります。これは、その葉には病気にかからないような予防的な力があるという意味です。
新しいエルサレムでは、食べる喜びが与えられます。これは肉体の生存のための食事ではありません。この木の葉は、満ち足りた生活を保証してくれるためのものです。
都の住民(黙22:3~4)
あらゆる時代の聖徒たちが、その都の住民となります。神と都の住民たちの間に継続的な交わりがあります。彼らの額には神の御名が記されています。フィラデルフィアにある教会への約束が成就します(黙3:12)。
夜のない都(黙22:5)
その都には夜はありません。太陽は月が取り去られ、創造主である神がご自身の都の光源となられます。贖われた者たちは、シャカイナグローリーに照らされて祝された生活を送ります。
まとめ
永遠の住まいは、神からの贈り物です。新しいエルサレムに関する啓示の量は、ほんのわずかですが、私たちは、贈り物を開ける前の子どものような思いで、永遠の住まいに行く日を待ちわびています。神の国と悪魔の国の戦いは、神の国の勝利で終わります。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?