子供の健康への警告:BPAとDEHPが神経発達障害を引き起こす
身体や脳にダメージを負うことなく大人になることは、ますます難しくなってきています。 今日の社会には、有害な化学物質や毒素がいたるところに溢れています。 悲しいことに、そうした化学物質の中には、子供やティーンエイジャー、10代の若者たちに生涯にわたる問題を引き起こすものもあるのです。
例えば、『Plos One』に掲載された新しい研究では、DEHP(フタル酸ジ-2-エチルヘキシル)とBPA(ビスフェノールA)という化学物質が神経発達障害と関連していると報告されています。 DEHPは消費者向け製品の可塑剤として作用する化学物質であり、BPAはポリカーボネート・プラスチックの生成に使用される化合物で、一部の飲料容器、プラスチック製食器、自動車部品、玩具などを作るのに使用されています。
この研究の著者たちは、これらの有害な添加物と神経発達障害との間には強い関連性があると主張しています。 また、このような添加物が自閉症を引き起こす可能性も指摘されています。
●プラスチックは便利だが、人間の健康に対する静かな脅威
ローワン大学の科学者たちは、消費資本主義におけるプラスチックへの依存が裏目に出たのではないかと疑問を投げかけています。 科学者たちは、プラスチック添加物と注意欠陥多動性障害(ADHD)や自閉症などの神経発達障害を含む脳の健康との間に、複雑な関係があることを明らかにしています。神経発達障害児の中には、BPAを体外に排出するのに苦労し、結果的にBPAへの曝露を拡大させ、健康問題を引き起こしている子供もいます。
研究チームは、ニュージャージー州の医科大学のクリニックで、3つのグループの子供たちの解毒プロセスの効率を測定しました。 一つは自閉症の子供66人。 第2グループはADHDの子供46人、そして最後のグループは対照群で、神経発達障害のない子供37人です。
研究者たちは、3つのグループの子供たちのグルクロン酸抱合効率を測定しました。 グルクロン酸抱合とは解毒機構のひとつで、脂溶性の高い化合物を水溶性の化合物に代謝し,排尿によって有害な粒子を排出されやすくします。 研究者たちは、各研究グループを構成する子供たちから尿サンプルを採取して分析を行いました。
分析の結果、ADHDや自閉症の子供たちのかなりの割合が解毒に苦労している、つまり肝臓がBPAを除去するのに苦労していることが判明しました。 科学者たちは、自閉症の子供たちはBPAの除去効率が10%低下していることを明らかにしています。 また、ADHDの子供はそうでない子供に比べ、BPAの除去効率が17%低かったのです。
問題は、BPAへの曝露が乳児の胎内にいるとき、あるいは出生後に高まるかどうかです。 さらに、子供の予防接種が自閉症やADHD、その他の障害と関連しているという説もあります。
●BPAとDEHPへの暴露を減らす方法
人間には、BPAやDEHPのような有害な化学物質への曝露を減らす能力があります。 BPAは一般的に野菜や果物の缶詰をはじめとする包装食品や缶詰食品の摂取によって取り込まれます。 さらにプラスチックで包装されている様々な製品にもBPAが含まれています。
BPAは高温で分解される可能性があるため、プラスチック容器で食品を加熱するのは避けましょう。 食器はプラスチック以外の素材でできたものを選ぶようにしましょう。
もちろん、BPA入りの家庭用調理器具や容器の使用は避けましょう。 安全な代用品としては、高品質の鋳鉄製やセラミック製の鍋やフライパンを購入することをお勧めします。 さらに、食品はプラスチック製ではなく、ガラス製の容器に保存するようにしましょう。
レジのレシートを印刷する感熱紙にもBPAが含まれています。 レシートに触れるだけで、この化学物質が皮膚に付着し、血液に入り込む可能性があるのです。 可能な限り、紙のレシートを受け取らないか、レシートをEメールで送信するよう依頼することを検討し、BPAに触れるリスクを最小限に抑えることが大切です。