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がん、脳卒中、脳機能低下に拍車をかけるアルコールの隠れた危険性

 慢性的なアルコールの過剰摂取が健康に壊滅的な影響を与えることは、研究者や医師は以前から知っていました。そして今、アルコールを大量に摂取すると、特定のがんのリスクが急激に高まることがますます明らかになってきています。

 気がかりなことに、一部の研究では、1日わずか1~2杯の飲酒でもがんのリスクが上昇する可能性が示されていますが、一方、他の研究では少量のアルコールは心臓病に対してある程度の予防効果があることも示されています(注:アルコールは一滴でも有害という報告もあります)。

●アルコールには毒性代謝産物があり、がんやその他の病気を引き起こす
 アルコールが分解されると体内でアセトアルデヒドに変換されます。アセトアルデヒドは発がん物質として知られ、細胞のDNAを傷つけ破壊します。 アセトアルデヒドはまた、体内の抗酸化防御機能を低下させ、炎症を引き起こす危険なフリーラジカルを生成し、これががんを引き起こすとも言われています。
 
 ヨーロッパの研究では、飲酒は男性では10人に1人、女性では30人に1人のがんの原因であることが示されています。 ある研究では、飲酒によって口腔がん、食道がん、気管がんのリスクが男性で44%、女性で25%上昇したと報告されています。さらに大量の飲酒は、脳卒中のリスクを最大4倍に高め、神経変性疾患の発症確率を高めます。

●少量のアルコールでもがんリスクを高める
 アメリカ国立衛生研究所は、問題となる飲酒の量を週に12〜15杯と定義していますが、最近の研究は、アルコールは少量でも危険である可能性があることを示しています。1 日 1~2 杯の飲酒でも、がんのリスクを高めるようです。たとえば、適度なアルコール摂取でも乳がんの発生率が高くなります。
 がんを回避するためには、体内の抗酸化物質のレベルを健康に保つことが重要です。 抗酸化物質は、がんを引き起こすダメージや突然変異から細胞のDNAを守り、炎症を抑えます。
 
●ビタミンB群とベンフォチアミンは、アルコールの害に対する最初の防御線
 アセトアルデヒドは、危険な酸化と闘うために必要な栄養素であるビタミンB6またはピリドキシンを細胞から奪い、葉酸の作用を妨害します。 大量飲酒者によく見られる葉酸の欠乏は、がん原遺伝子と呼ばれるがん遺伝子を抑制する体の能力を損なう可能性があります。

 ビタミンB6と葉酸を十分に摂取することで、がんになる確率を41%、ビタミンB3(ナイアシン)を摂取することで、がんになる確率を38%減少させることができます。
 ビタミンB1、つまりチアミンもアセトアルデヒドによって消耗され、深刻な結果をもたらします。 専門家によれば、アルコール中毒者に見られる脳の変性はアルコールの毒性代謝物よりもむしろチアミン欠乏が原因だと言います。
 
●ビタミンCはアルコールによる酸化ダメージを防ぐカギとなる
 アルコールによるダメージから体を守ることができるもう 1 つのビタミンは、ビタミンCです。この強力な抗酸化栄養素は、アルコールの有害作用から脳細胞を守り、アルコールやその有害代謝物によって増加するCOX-2などの炎症性物質の脳内レベルをコントロールするのに役立ちます。アルコールを摂取すると、ビタミンCが少なくなるため、サプリメントで摂取するのも良いでしょう。ビタミンCは、脳や肝臓での危険な脂質過酸化をブロックするビタミンEの再生にも役立ちます。

●N-アセチルシステインは有益なグルタチオンを増やす
 グルタチオンは体内の主要な抗酸化物質で、毒素と結合し、胆汁や尿中への排泄を促進します。 アセトアルデヒドはグルタチオンを枯渇させ、身体の自然な防御システムを劇的に低下させます。
 N-アセチルシステイン(NAC)はアセトアルデヒドと結合してその有害作用を中和し、組織内のグルタチオンを増やします。 この作用は非常に効果的で、西洋医学ではビタミンCとともにアセトアミノフェンの過剰摂取の治療に用いられています。
 NACはアルコール摂取の直前に摂取するのが最も効果的ですが、飲酒後でも効果を示します。

●ミルクシスル-最新の研究で実証された自然療法
 ミルクシスルは、肝臓の健康と機能をサポートするために、長い間、自然療法家によって利用されており、アルコール摂取に関連する毒素を含む毒素の除去を促進します。最新の研究でも、ミルクシスルの活性成分シリマリンが免疫系を強化し、炎症と闘い、DNAを保護し、アルコール誘発性肝疾患の緩和に役立つことが示されています。

 細胞実験では、シリマリンはエタノールからアセトアルデヒドへの変換を阻害し、肝がん細胞の増殖を抑え、腫瘍に栄養を与える血管の成長を止め、正常な肝細胞の再生を促進することが明らかになっています。 
 「Current Pharmaceutical Biotechnology」に掲載されたレビューでは、シリマリンの長期使用により、肝硬変患者の生存期間が有意に延長することを発見したと述べられています。
 
●レスベラトロールの効能は?
 この有益なポリフェノールは、ブドウ、クランベリー、そして赤ワインに含まれています。 レスベラトロールは、LDLコレステロールを減少させ、血小板の粘着性を低下させることで、心臓血管に良い影響を与えます。
 さらにレスベラトロールには強力な抗酸化作用と抗がん作用もあり、損傷した細胞 DNA を保護し、修復することで炎症性サイトカインの生成を抑制し、がん性の変化を引き起こす前に損傷を治癒する作用もします。

 「Critical Reviews in Food Science and Nutrition」に掲載されたレビューの中で、研究者たちはレスベラトロールが腫瘍の発生から促進、進行に至るまで、複数の段階でがんの発生を阻止していると評価しています。
 
 

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