オレガノオイルで細菌や真菌から身を守る
周知のとおり、西洋医学は感染症の治療に抗生物質に大きく依存しており、時にはこれらの薬が本当に必要になることもあります。しかし、抗生物質耐性の「スーパーバグ」の増加と、抗生物質の使用に伴う望ましくない副作用により、病原体を安全かつ効果的に殺すための天然由来の物質、オレガノオイルが今注目されています。
●オレガノオイルはカンジダ・アルビカンスに対して強力な効果がある
ミント科の植物であるオレガノは、学名では origanum vulgare L として知られています。「オレガノ」という名前は、ギリシャ語で「山」と「喜び」を意味する言葉に由来しており、その驚くべき抗菌作用は目を見張るものがあります。
ジョージタウン大学医療センターで実施され、Molecular and Cellular Biologyに掲載された研究で、研究チームはオレガノ精油のカンジダ・アルビカンス殺菌能力を調査しました。カンジダ・アルビカンスは真菌酵母で、過剰増殖すると関節痛、疲労、消化不良を引き起こす可能性があります。
結果は驚くべきものでした。0.25 mg/mlの濃度で、野生オレガノオイル（P73として知られるブレンド）は、培養されたカンジダ・アルビカンスの発芽と菌糸の成長の両方を完全に阻害したのです。
●危険な細菌やウイルスから身を守る
2012年の研究では、研究者らは、オレガノのエッセンシャルオイルが、重度の胃腸障害、貧血、さらには腎不全を引き起こす可能性のある大腸菌の20種類の臨床細菌株と、耳の感染症、皮膚の発疹、肺炎を引き起こす可能性のある緑膿菌の20種類の株の増殖を阻害することを発見しました。
この有望な結果を受けて、研究者らは代替抗菌剤としてのオレガノオイルのさらなる研究を求め、「抗生物質耐性菌の予防に効果的な手段」としての使用を模索しています。さらに、追加の研究により、オレガノオイルは、皮膚や軟部組織の感染症の主な原因である黄色ブドウ球菌や、風邪、肺炎、その他の呼吸器感染症の主な原因であるコロナウイルスなど、少なくとも30種類の病原菌を殺すことが示されています。また、オレガノオイルは、十二指腸潰瘍の 90 %、胃潰瘍の 80 % の原因となる H. ピロリ菌も殺します。
●オレガノオイルがなぜこれほど強力なのか？
オレガノの最も強力な武器は、揮発性オイルのチモールとカルバクロールの2つです。カルバクロールは治療効果についても研究されており、2016年に European Review for Medical and Pharmacological Sciences で発表された研究では、オレガノオイルに含まれるカルバクロールがメトトレキサートの毒性から保護することが示されました。
オレガノのその他の成分には、鉄、マンガン、ビタミン E、トリプトファン、オメガ 3 脂肪酸などのさまざまなフラボノイド、必須ビタミン、ミネラルが含まれます。オレガノには、強力な抗酸化物質および抗菌物質であるウルソール酸も含まれています。
●MRSAにも有効
世界保健機関 (WHO) が「スーパーバグ」の出現を世界的な公衆衛生危機と分類していることをご存知ですか？ 現在、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA) は、毎年世界中で 80,000 人を感染させ、11,000 人以上の命を奪っています。英国とインドの研究者チームは、ヒマラヤオレガノ (ヒマラヤに生息するオレガノ) のエッセンシャルオイルが MRSA 病原菌に効果があると報告しています。
研究者のVyv Salisbury教授によると、エッセンシャルオイルは1対1,000の希釈度でMRSAを殺菌します。このオイルは液体でも蒸気でもMRSAを殺菌し、その抗菌力は沸騰したお湯で加熱しても低下しません。
●この強力なエッセンシャルオイルの摂取方法
P73 オレガノオイルはカプセルの形で入手できます。自然療法の専門家は、風邪、インフルエンザ、副鼻腔炎、その他の呼吸器疾患、またカンジダや酵母の感染症にオレガノのエッセンシャルオイルの使用を勧めることが多いです。また、ピロリ菌を標的とする他の薬剤と併用することで十二指腸潰瘍や胃潰瘍にも使用でき、ココナッツオイルと混ぜると水虫や白癬に局所的に使用できます。
オレガノオイルは非常に強力なので、適切な量をアドバイスできる信頼できるホリスティック医師の指導の下でのみ使用してください。オレガノオイルは水で薄めるかココナッツ オイルと混ぜ、2 週間以上内服しないほうがよいと述べる専門家もいます。
オレガノオイルは抗菌作用が非常に強いため、長期間使用すると腸内の善玉菌が減ってしまう可能性があります。そのため、生培養ヨーグルト、味噌汁、生ザワークラウトなどのプロバイオティクス食品と、有機ニンニク、タマネギ、アスパラガスなどのプレバイオティクス食品を十分な量摂取することが重要です。