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中年期の果物摂取が老年期の憂鬱を防ぐ

 果物は甘いものへの欲求を満たすだけでなく、精神科医や抗うつ剤を遠ざけることにも役立つかもしれません。
 
 Journal of Nutrition, Health, and Agingに掲載されたシンガポール中国人健康調査によると、 中年期に果物を多く食べると、より幸せで健康的な黄金期を迎えることができるそうです。果物には抗酸化物質、ビタミンが含まれ、抗炎症作用もあり、このシンプルな食材は、精神的健康を維持し、老後のうつ病を防ぐのに不可欠かもしれません。
 
●果物は高齢化する世界人口にとって不可欠である
 米国や世界の多くの国で人口の高齢化が進んでいることは周知の事実です。残念ながら、疲労、集中力の低下、うつ病などの健康上の問題により、人生の黄金期が損なわれてしまうケースが多すぎます。しかし、研究によると、こうした晩年の悩みと戦うシンプルかつ強力な解決策は、毎日果物を食べることにあるようです。

 Yong Loo Lin医学部が実施した縦断的研究は、中年期に果物の摂取量を増やすと、加齢に伴う脳の神経変性変化を相殺できるという説得力のある証拠を示しています。この研究では、栄養と老後の精神的健康との間の重要な関係が強調されています。この研究では、中年から老年期まで13,738人を追跡し、約20年間にわたり健康と食習慣を分析しました。45歳から74歳の参加者は、老年うつ病スケールを使用してうつ病の症状を測定して評価されました。

 平均20年間の追跡調査の後、分析により3,180人の参加者がうつ病の兆候を示したことが明らかになりました。しかし、果物を多く摂取した人はうつ病の症状を経験する可能性が著しく低くなっています。研究では、以下の果物はうつ病の可能性を減らすのに役立つことが分かりました。
·        リンゴ
·        パパイヤ
·        ハニーデューメロン
·        スイカ
·        バナナ
·        オレンジ
·        みかん
 
 果物が老年期のうつ病と闘う理由は完全には解明されていませんが、果物に含まれる抗炎症性微量栄養素と抗酸化物質が酸化ストレスを相殺するようです。果物にはフラボノイド、カロテノイド、ビタミンCが含まれ、体内の炎症を軽減するのに役立ちます。

●うつ病と闘うには果物の方が野菜よりも優れている?
 研究者らは、14種類の果物の影響を測るだけでなく、25種類の野菜の影響も研究しました。さらに、食品摂取頻度アンケートには、うつ症状に最も大きな影響を与える食品を把握するため、120種類以上の食品も含まれていました。結果は、うつ病のリスクを避けるには果物の摂取が最善であるようです。

 注意:果物は適量摂取すべきです。食べ過ぎると糖質過剰となり、逆効果となります。
 

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