何が問題なのか?EPA、遺伝子組み換え農薬にゴーサイン
従来の農法で育てられた食材に農薬が散布されるだけでも十分に有害です。しかし、巨大な単一作物農産業は、現在使用されている最も毒性の強い農薬でさえも回避し抵抗する害虫を殺すための農薬を開発しました。
●EPA、安全性評価なしに遺伝子組み換え農薬を早期承認
EPAは今年9月下旬、農作物の害虫を殺す新しい農薬として、「新規有効成分レドプロナを含む農薬製品を3年間登録する」予定だと発表しました。 EPAは、この3年間の登録期間は「他の新しい農薬に対するEPAのアプローチと一致する期間である」と主張しています。しかし専門家たちは、このゴーサインは非常に時期尚早だと警鐘を鳴らしています。
EPAは2023年5月、マサチューセッツ州を拠点とするグリーンライト・バイオサイエンシズ社(モンサントのような大手農業関連企業と密接な関係を持つチームが率いる)に、この新しい化学物質レドプロナの実地試験を米国10州で実施する実験的使用許可(EUP)を与えました。アイダホ、メイン、ミシガン、ミネソタ、ニューヨーク、ノースダコタ、オレゴン、バージニア、ウィスコンシン、ワシントンの10州です。そしてEPAはわずか5ヵ月間の実験(その間にEPAはこの新しいバイオテクノロジーの安全性について "厳密な評価 "を行なったと主張している)の後、同社が新製品を広範囲に使用するために登録することを決定しています。
EPAは、この新しい遺伝子組み換え化合物の安全性に関する否定的な報告は今のところない、と主張しています。しかし、まったく新しい遺伝子ベースの技術が導入されてから、まだ1年も経っていないのです。
この動きは、COVID-19ワクチン注射に関する時期尚早の「安全で効果的」という宣伝文句と不気味に呼応しているのではないでしょうか?
一方、グリーンライト社は、Ledprona含有農薬(商品名カランサ)を地上散布、空中散布、さらには灌漑用水を通じて農地に散布することを計画しています。
●Ledpronaとはいったい何なのか?
EPAはLedpronaを、RNA干渉(RNAi)として知られる新しいメカニズムで害虫を殺す「噴霧可能な二本鎖リボ核酸(dsRNA)」と説明しています。
dsRNAであるレドプロナは、コロラドハムシとして知られる害虫の細胞内にある特定の遺伝子を阻害するために開発されました。 この化学物質を含む殺虫剤が散布されたジャガイモの葉を甲虫が食べると、標的とされた遺伝子は特定のタンパク質を産生できなくなり、これが細胞死を引き起こし、最終的に甲虫は死んでしまいます。
しかし専門家たちは、この農薬に関する初期の安全性データでは、この農薬が他の動物に害を与えるかどうか、コロラドハムシが変異して農薬を回避できるかどうかなど、いくつかの予期せぬ結果を排除できないと懸念しています。