見出し画像

ティーンエイジャーの肥満は17種類のがんの原因

 今や肥満は(特に欧米諸国)、健康に悪影響を及ぼす一般的な社会問題となっています。 肥満とそれに関連する慢性疾患と闘っている人々の中で、小児が占める割合は注目に値します。 QOL(生活の質)の低下に加え、思春期早期の肥満は糖尿病やその他多くの病気のリスクを高めます。 さらに悪いことに、スウェーデンの研究者たちは最近、小児肥満と17種類以上のがんとの関連性を発見しました。
 肥満者のがんの危険因子は以前から知られていましたが、今回の研究で、小児期の肥満は重大な問題をもたらすことが明らかになりました。

●小児肥満はがんの引き金になる
 どのようなライフステージにおいても、肥満が様々ながんのリスクを高めることは間違いありません。 糖尿病やメタボリックシンドロームなど、過剰な体脂肪に関連した代謝異常は、炎症反応や全身の機能障害を引き起こし、がんの発生を助長します。
 スウェーデンの研究では、小児肥満の永続的な影響に焦点が当てられ、子供が肥満と長く付き合えば付き合うほど、関連する危険因子が顕著になることが示唆されました。

●過剰な体脂肪ががんの炎を燃やすのか
 この研究では、1965年以降にスウェーデン軍に入隊した110万人以上の男性を調査しました。 研究者たちは、18歳から25歳までの軍人の健康診断のBMIに注目し、31年間彼らの健康状態を追跡しました。この研究では、入隊前5年以内または入隊後5年以内にがんの既往歴がある参加者は考慮されていません。

 研究から収集されたデータでは、入隊時のBMIが高いほど、胃食道がん、中枢神経系腫瘍、肺がん、甲状腺がん、胆道がん、前立腺がん、悪性黒色腫を含む17種類以上のがんの発症も上昇していることが示されました。さらに、喫煙やその他の発がん性物質への曝露などの危険因子を特定したところ、やはり結果は同じで、肥満と判定される小児は、その後の人生におけるがんに罹患する確率が増えていました。
 
 研究者たちは、小児期の高いBMIと、その後の人生における認知能力の低下や記憶力の問題との関連も発見しています。 肥満が、一般的な健康上の問題であると同時に、がん細胞増殖の大きな引き金になることは間違いありません。

●誇大広告を信じるな!
 スーパーマーケットには健康を謳った商品が売られていますが、そのほとんどは栄養価を奪うような加工が施されているのが現実です。無添加の有機野菜、牧草飼育の肉、天然魚、放牧飼育の鶏肉など、健康的な食材を選択するようにしてください。しかし、真の課題は、1970年代以降の肥満の急増と密接に関係する、加糖の影響を理解することにあります。 私たちの身体は、現代の食生活に蔓延している日常的な糖分摂取量を代謝するのに苦労しており、より良い健康を追求するためには、添加糖分を最小限に抑えることが急務と言えます。
 
●子どもの肥満を防ぐ
 定期的な運動とバランスのとれたオーガニックな食事に加え、小児肥満の原因となる見過ごされやすい危険因子に対処することが極めて重要です。 非有機食品、造園用化学物質、家庭用洗浄剤、パーソナルケア製品に多く含まれる環境毒素は、ホルモンを乱し、体重減少を妨げる可能性があります。
 同様に、スマホやパソコンの過度な使用による睡眠の質の低下は、ホルモンバランスや体重管理に大きな悪影響をもたらします。 適切な睡眠、定期的な運動、新鮮でオーガニックな栄養価の高い食事を優先させる家庭環境を作ることは、子どもたちがより健康で楽しい将来を送るための土台となります。

いいなと思ったら応援しよう!