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悪霊とは

 悪霊(demon)という言葉は、新約聖書に60回出て来ます。ギリシア語ではダイモニアです。単数形で19回、複数形で41回出て来ます。
 
●悪霊の起源
 悪霊と堕天使は同じです。サタンに従った天使が悪霊となりました。悪霊となった天使の数は全天使のうちの3分の1です。悪霊は、性質と行動が堕落しました。サタンは「悪霊どものかしら」と呼ばれています(マタイ12:24)。
 
 悪霊には2つのグループがあることを聖書は教えています。それは、サタンの計画を実行に移す自由が与えられている悪霊たちと、閉じ込められている悪霊たちです。閉じ込められている悪霊のうち、一時的に閉じ込められている悪霊もいれば(場所はアブソス(アビス))、永遠に閉じ込められた悪霊もいます(場所はタータラス)。多くの悪霊が閉じ込められていますが、大患難時代には解き放たれます。タータラスにいる悪霊たちは、白い御座の裁きを経て、火の池に直行させられます。
 
 永遠に閉じ込められた悪霊は、人間の女と雑婚した悪霊たちです(創世記6:1~4)。雑婚の結果、ネフィリムが生まれました。ネフィリムは、巨人ではなく堕落した者です。超人でしたが、巨人ではありません。そして人間でも天使でもありません。すべての悪霊は、白い御座の裁きで、信者によって裁かれます(Ⅰコリント6:3)。
 
●悪霊の本質
*   霊的存在であって体は持っていません。
*   しかし、形は持っています。
*   人間に入ろうとします。
*   しかしながら、彼らは遍在ではありません。生き物として制限を受け 
    ており、神のように無限ではありません。
 
●悪霊は知性を持っている
 悪霊は高度な能力を持った存在なので、優れた知性を表します。知識は経験によって増し加わります。悪霊は人類の歴史の全期間にわたって存在し続けています。悪霊たちのすべてが、歴史上に起きたありとあらゆる出来事を観察してきたわけではありませんが、彼らは長い間生きているので、その知識は広範囲に及びます。考えられるほぼ全ての状況で、人間を観察しています。従って、ほとんどの状況下で、人間がどのように行動するかを予測できます。

 しかし、ここで疑問が生じます。悪霊は未来について知っているのでしょうか?確かに聖書を読めば、彼らが神の将来の計画を理解することができるように思えます。一例として、使徒の働き16:16ですが、ここでは彼らが未来を予測できることを示しているのでしょうか?いいえ、そうではないことは明かです。「占い」という言葉は、新約聖書のこの箇所にだけ出てきますが、悪い意味に理解しなければなりません。それは「未来を言い当てるフリをすること」です。この用語が七十人訳聖書で用いられるときは、常に「偽りを語る預言者」や「律法によって禁じられている邪悪な職に就く人たち」を意味します。
 
●悪霊の働き
 悪霊は常にサタンの使者として行動し、神の計画を妨害するためにサタンに加勢します。サタンは被造物であるため限界があります。悪霊はサタンの力や活動領域を広げるために動くのです。サタンが全知であり遍在であるかのように思えても、実際には、悪霊がサタンの働きを大きく見せているのです。
 
 悪霊は人間を偶像崇拝へと積極的に導くことで、神への反抗を促進します。世界中で偶像を崇拝する人たちは多くいます。日本人も残念ながら非常に多くの人たちが偶像を崇拝しています。そして勿論、このような人たちは、聖書を完全に否定します。
 
 悪霊が汚れた霊と呼ばれている事実は、悪霊の行為はすべて、清く、気高く、正しい事柄を堕落させることを示しています。悪霊は、人間の歩みを神の計画からサタンの計画へとそらし、堕落させようとします。時には、人間にとって好ましく思えるような教理体系やライフスタイルをも使って、人々を堕落させます。
 
 
 
 
 
 

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