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甲状腺薬が骨を弱くしている?

 米国の医師が甲状腺機能低下症の治療によく処方する薬の副作用は、深刻な健康問題を引き起こす可能性があります。ジョンズ・ホプキンス大学医学部の最近の研究によると、甲状腺機能低下症の治療薬レボチロキシンが骨密度と骨量の減少に関連していることがわかりました。

 米国だけでも、12%以上の人が生涯のある時点で甲状腺疾患を経験すると推定されています。甲状腺疾患は、約2,000万人の米国人を悩ませており、その半数以上は、そのことに気づいていません。女性は、男性よりも甲状腺の問題を発症する可能性が8倍も高くなります。

 研究者の中には、甲状腺疾患は過剰診断されていると感じる人もいます。これは、臨床検査への過度の依存、症状のばらつき、診断基準の広さに対する懸念に根ざしています。

●甲状腺機能低下症が生活に与える影響
 甲状腺機能低下症は、生活の質を大幅に低下させる可能性があります。症状には、皮膚の乾燥、疲労、うつ病、体重増加、寒気、脳のもやなどが含まれます。甲状腺機能低下症の患者では、集中力や認知力の問題も頻繁に報告されています。甲状腺機能低下症は、肺疾患、肥満、認知症、心血管疾患、不妊症など、いくつかの深刻な病状のリスクを高める可能性があります。
 
 レボチロキシンは、この病気の治療におけるゴールドスタンダードの薬となっています。  しかし、この甲状腺薬には、ほとんどの患者が気付いていない無数の 深刻な副作用があります。  この薬を服用するほとんどの人が一生服用することになるため、これは特に懸念されます。
 
研究で判明したこと
 2024年11月25日に開催された北米放射線学会年次総会で発表された研究では、甲状腺機能低下症の管理のためにレボチロキシンを服用していた65歳以上の参加者81人を追跡調査しました。参加者全員の甲状腺刺激ホルモン値は正常で、6年間にわたりモニタリングされました。

 この研究では、レボチロキシンの使用と骨密度および骨量の減少との間に懸念すべき関連性が発見されました。骨の健康状態が悪化すると、特に高齢患者では骨折や転倒のリスクが大幅に高まる可能性があり、甲状腺薬を服用している患者にとって長期的な考慮が重要であることが浮き彫りになりました。

●対策
 甲状腺の健康をサポートする自然なアプローチは、副作用が少なく、生活の質への影響も少ないため、多くの場合、最良の選択肢です。目標は、甲状腺の問題の根本的な原因に対処することであり、これにより、より永続的な改善がもたらされます。
 まず、臨床検査、栄養評価、ライフスタイルの見直しを含む総合的な評価を受けてください。この情報を基に、次のような対策をとることができます。
·      食事によるサポート:十分なヨウ素を摂取し、セレンと亜鉛を多く摂
  取し、抗炎症食品を多く含む食事を心がけます。
·       ストレス管理:趣味、睡眠習慣の見直し、副腎サポートなどのストレ
  スを軽減する習慣を取り入れましょう。
·       毒性物質への曝露の削減:食品や環境中の内分泌かく乱物質や重金属
  への曝露を制限します。
·       ホルモンのバランスを整える:食事とライフスタイルのバランスのと
  れたアプローチで、内分泌系全体の健康をサポートします。
 
 これらの領域に対処することで、甲状腺機能を改善し、長期的な健康をサポートすることができます。全体的な健康状態を良好に保つことも重要です。バランスの取れた食事、定期的な運動、水分補給、十分な睡眠、ストレス管理はすべて、甲状腺と全体的な健康状態の改善につながります。
  

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