EPAが神経ガスの食品使用禁止にようやく動く

　あなたの好きな食べ物に神経ガスが混入しているかもしれません。環境保護庁（EPA）は、50年以上にわたって広く使用されてきたこれらの有毒物質の使用禁止にようやく動き出しました。
 
　EPAの使用禁止対象はアセフェートです。アセフェートはIQの低下、自閉症、子供のADHDなど、憂慮すべき健康問題を引き起こす神経ガスです。しかし、この禁止案は、種子の果樹園や樹木農園でこの農薬が散布されるのを止めるものではありません。 つまり、この脅威は完全に根絶されるわけではないのです。

●衝撃の真実：食品や飲料水に潜む有毒な神経ガス
　医療専門家は食品中の神経薬剤の禁止を歓迎していますが、実はこの提案はひどく不十分なのです。 問題は虫を殺す強力な化学薬品であるアセフェートです。驚くべきことに、トマト、インゲン豆、セロリといった栄養価の高いはずの食品からアセフェートが検出されています。 さらに憂慮すべきことに、飲料水まで汚染しているのです。アセフェートは有機リン系神経剤で、アメリカの農家が害虫と闘うために広く使用しています。

　この化学物質は、自閉症やADHD、認知発達の低下、さらにはがんなど、特に子供たちの深刻な健康問題に関係しています。アメリカの主要メディアは、アセフェートがヨーロッパでは数年前に使用禁止になったということを報道していません。
 
　EPA独自の分析によれば、現在のアセフェートの使用は今日の安全基準とは相容れない食生活上のリスクをもたらすとのことです。さらにアセフェートは食糧供給に欠かせない受粉媒介者であるミツバチにも強い毒性を示します。禁止案にもかかわらず、EPA はアセフェートを完全に排除するつもりはありません。 EPAは、種子果樹園、樹木農場、森林など特定の用途ではアセフェートの使用が継続されることを容認しています。 さらに、この神経薬剤は食品以外のものにも使用されています。

　公開審査期間を経て、EPAが本提案の一部を修正する可能性も残っています。EPAは、特定の条件下でアセフェートの登録使用を認める可能性のある代替案について、一般からの意見を求める意向を示しています。このため、一部の地域ではまだこの化学物質の使用が認められる可能性があります。

●EPA、アセフェート一部禁止で反発する綿花業界と環境擁護派
　アセフェート禁止案は、業界関係者、特にこの農薬に大きく依存している綿花栽培農家からの大きな反対に直面することが予想されます。EPAはこの禁止案について2ヶ月間の意見公募期間を設けており、環境と公衆衛生の擁護者たちの間で、譲歩する可能性が高まっています。食品へのアセフェートの使用を完全に禁止しても、食品や水中でのアセフェートの存在を完全になくすことはできないでしょう。 2011年にEPAがインゲン豆へのアセフェート使用を中止したにもかかわらず、その後の米国農務省の検査では、インゲン豆のサンプルからアセフェートが検出されています。

　EPAは、分析と議論の期間を経てアセフェートの使用を再評価することを提案しています。 EPAは、豆類や芽キャベツを含む限られた作物について、アセフェート残留に対する新たな許容水準を設定しました。さらに、アセフェートの代謝物であり、最も毒性の高い有機リン系農薬のひとつであるメタミドホスの残留を限定的に許可しています。農業農薬の専門家は、メタミドホスの許容量は子供にとって安全とみなされるレベルよりもかなり高いと警告しています。理想的には、EPAは公衆衛生と環境を守るために、すべての有機リン酸塩を包括的に禁止すべきです。

●アセフェートを避けるための対策
　アセフェートによる被害を最小限に抑えるために、以下のような対策で自分の健康を管理しましょう：

1.　オーガニック農産物を選ぶ：可能な限りオーガニックの野菜や果物を選びましょう。 オーガニックの基準ではアセフェートのような合成農薬の使用が禁止されているため、曝露量を大幅に減らすことができます。
 
2.　食品ラベルをチェックする：食品ラベルをよく読むこと。 オーガニック農産物や無農薬農産物であることを示す認証を探しましょう。信頼できる団体のラベルは、より安全なものを選ぶための指針になります。
3.　農産物を徹底的に洗う：果物や野菜は、食べる前に必ず流水で洗いましょう。洗っても全ての残留農薬を除去することはできませんが、農産物の表面に残留する農薬を減らすことはできます。