芳香剤が健康を害している？
香りの魅力は否定できません。レモンの若返りの香りであれ、ジャスミンの心を落ち着かせる香りであれ、特定の香りにはエネルギーを呼び起こし、不安を和らげ、気分を高揚させる力があります。しかし、研究によって心地よい香りが有毒化学物質を含んでいることが判明しています。
『The Science Of The Total Environment』に最近発表された研究によると、芳香剤は車内の微粒子や揮発性有機化合物（VOC）の濃度を大幅に高め、心血管疾患、全身性炎症、自律神経機能障害などの健康への悪影響を引き起こす可能性があります。さらに、著名な研究者で科学者の Anne Steinemann博士は、最も一般的に使用されている芳香剤が人間の健康と環境に及ぼす有害な影響を研究しており、その影響は非常に深刻で広範囲にわたるため、彼女はそれを「伝染病」と呼んでいます。
芳香剤や消臭剤は、スプレー、ジェル、ディスク、プラグイン、キャンドル、オイルなどさまざまな形で販売されており、事実上どこにでも見かけます。化学的な香りは、洗濯用洗剤、柔軟剤、シャンプー、コンディショナー、ヘアスプレー、保湿剤、化粧品、日焼け止め、石鹸などの洗浄製品やパーソナルケア用品にも浸透しています（これはほんの一部です）。最近の調査では、アメリカ人の99%が日常的に化学香料にさらされていることが示されています。
●芳香剤は何百もの化学物質からなる「有毒なカクテル」である
市販の芳香剤には、呼吸器刺激物質、内分泌かく乱物質、神経毒、発がん物質など、文字通り何百もの有毒化学物質が含まれている可能性があります。驚くべきことに、芳香剤や消臭剤の製造業者に、製品の全成分をラベルやウェブサイトに記載することを義務付ける法律は存在しません。たとえ、これらの化合物が危険な汚染物質であり、発がん性物質として知られているものであっても（EPAは安全なレベルは存在しないとしている）、です。そのため、これらの化合物は未確認のままになる傾向があります。ただし、製造業者は、使用されている成分は無害であるかのように説明している場合があります。「生分解性柔軟剤」や「香料」と表示されているものは、エタノール、酢酸ベンジル、クロロメタン、アセトアルデヒドなどの化合物を特徴とするVOCの集合体である可能性が高く、これらはすべて連邦法で有毒または有害物質として分類されています。
環境汚染物質に関する国際的に認められた専門家であるSteinemann博士は、1,136人の成人を対象に、芳香剤が健康に与える影響を調べる調査を実施しました。科学誌「 Air Quality, Atmosphere, and Health」に掲載されたこの研究では、 研究対象者のかなりの割合に影響を及ぼす、数々の有害な副作用が明らかになりました。 参加者のほぼ3分の1、実に30%が芳香剤や芳香剤にさらされた後、 呼吸困難や頭痛を訴えたのです。Steinemann博士は、呼吸器系の問題が最も一般的な副作用であり、次いで鼻づまりと偏頭痛が続くことを発見しました。
その他の悪影響としては、低レベルの曝露であっても、発疹、筋肉のけいれん、下痢、吐き気、頻脈または不整脈などが挙げられます。リンパ節の腫れ、発熱、疲労などの免疫系の問題も報告されており、アナフィラキシー、意識喪失、発作などのさらに深刻な症状も報告されています。
Steinemann博士は、芳香剤は自己免疫疾患、免疫力の低下、成人および小児のがんにも関連があると指摘しています。重要なことに、この研究では、悪影響を経験した人の多くが、その製品を直接使用していなかったことです。アメリカ人のほぼ4分の1は他人の香水やコロンから悪影響を受けており、5人に1人は香りのする洗剤で掃除した部屋にいるだけで悪影響を受けています。
●「グリーン」と表示されている製品は安全？
残念ですが、「グリーン」、「ナチュラル」、さらには「100%オーガニック」と表示されている芳香剤や消臭剤は、従来の製品よりも安全ではないことが判明しています。研究によると、それらは同レベルの有毒物質を排出し、発がん性汚染物質を含んでいる可能性が高いことがわかっています。
最も賢い対策は、キッチンにある無毒で安価な洗浄剤や清涼剤、つまり重曹、白酢、レモン汁を使うことです。無香料のカスティール石鹸や過酸化水素も、より安全な代替洗浄剤として推奨されています。また、軽くて心地よいルームスプレーとして、重曹、水、バニラエキスを混ぜたものも良いでしょう。また、コンロで水、オレンジの皮、シナモンを煮詰めて心地よい香りを作ることもできます。
ローズマリー、アボカド、オリーブオイル、レモン汁などの天然成分を使用して、シャンプーや保湿剤などのパーソナルケア製品を自分で作ることもできます 。もちろん、部屋の換気を改善し、臭いの原因を特定して除去することも有効です。そして最後に、特にヤシ、ラン、ユリなどの観葉植物にも、空気を自然に浄化する能力があることも忘れないでください。
化学芳香剤は空気をきれいにしたり浄化したりする効果はなく、一時的に臭いを覆い隠し、多くの人に重大な害を及ぼす汚染物質を放出するだけです。