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セレンは早死のリスクを低下させる
微量ミネラルのセレンは、多くの健康上の利点をもたらします。たとえば、体内のセレン濃度は、免疫力と全体的な健康に大きな影響を与えます。
2018年の研究では、食事やサプリメントで摂取したセレンがいかに強力であるかが強調されています。さらにこれを裏付けるように、最近の研究では、セレンが肥満に関連する炎症を軽減する上で重要な役割を果たすことがわかりました。食事からのセレン摂取量が多いにもかかわらず、肥満の女性は血中セレン濃度が低く、尿中のセレン濃度が高く、セレンの保持または利用に問題があることがわかっています。
●セレン濃度が高いほど寿命が延び、炎症レベルが低下する
Journal of Nutrition Health & Aging に掲載されたこの研究は 、イタリアの小さなコミュニティに住む80歳以上の男女約350名を対象とした前向きコホート研究です。これらの被験者は、シレンテ地域における老化と長寿 (ilSIRENTE) 研究と呼ばれる研究の開始時に血液サンプルを提供しました。そして10年間の追跡調査が行われました。
セレン濃度が低いと、交絡因子をコントロールした場合でも全死亡リスクが有意に増加することが分かり、一方、セレン濃度が最も高かった人々は、C反応性タンパク質やインターロイキン-6(IL-6)などの主要な炎症マーカーのレベルが最も低かったのです。セレンは、強力な抗酸化物質として、ほぼすべての慢性疾患の根本的な原因である慢性炎症を抑えるのに役立ちます。
他の研究では、セレン欠乏症はがん、関節炎、うつ病、心臓病、男性不妊症と関連があると報告されています。また、セレン濃度の低下はヨウ素欠乏症と同時に起こる傾向があるため、セレンが不足している妊婦は、発育障害のある乳児を出産する可能性が高くなります。
ほとんどのミネラル、ビタミン、その他の栄養素と同様に1日の推奨摂取量 (RDA) は個人の要因によって異なります。年齢はいくつですか? 現在の健康状態はどのようなものですか? 妊娠中または授乳中ですか? アメリカ国立衛生研究所 (NIH) が指摘しているように、これらの項目を考慮する必要があります。
一般的には、たとえば、ほとんどの成人および14歳以上の子供は、1日あたり55 マイクログラム (mcg) のセレンを摂取することを目標にする必要があります。妊娠中および授乳中の女性は、摂取量をそれぞれ1日あたり 60 mcg から 70 mcg に増やす必要があります。一方、年少の子どもが最適な健康効果を得るには、セレンの必要量はわずかに少なくなります。以下を参考にしてください(これも NIH からの引用)。
· 生後6ヶ月までの乳児:15mcg
· 7ヶ月から3歳まで: 20mcg
· 4歳から8歳: 30 mcg
· 9歳から13歳: 40 mcg
では、この必須の抗炎症性、抗酸化性栄養素を体内に取り入れるにはどうすればよいでしょうか。高品質のセレンサプリメントを摂取するだけでなく、食事からセレンを摂取することもできます。セレンを豊富に含む代表的な食品は次のとおりです。
· 牧草飼育(オーガニック)の牛肉と鶏肉を含む家禽類(ローストチキン
約85gにはセレンが22mcg含まれており、これは1日の推奨摂取量の31%
に相当します)
· オヒョウやイワシなどの天然魚介類
· 肝臓、心臓、胃袋などの内臓肉または臓物(フライパンで焼いた牛レ
バー約85gには、セレンが28 mcg含まれており、これは1日の推奨摂取
量の40%に相当します)
· ベジタリアンやビーガン向け:ブラジルナッツやカシューナッツなど
のナッツ類(ブラジルナッツ 6 ~ 8個には、なんと 544 mcg のセレンが
含まれています!)
· 牧草飼育(オーガニック)卵:ゆで卵1個にはセレンが15mcg含まれて
おり、1日の推奨摂取量の21%に相当します。