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初の日曜日 九月十五日

 朝から、新聞を読む。今日のテーマはFarbe bekannenという記事。直訳すると[色彩を告白する]だけど、意訳すると、「主義を表明する」といったところかな。「EU議会がイラク問題の意見を選別した」という副題。読み込むというよりは音読を目的としているので、ひたすら声を出して読む。
 次に文芸欄の演劇について音読。舌をかみそうになる。しかし、口がドイツ語に慣れ、耳がドイツ語に慣れた気がする。何事も三ヶ月続けないと何も変わらない。量質転化。空手の技と一緒である。
 次に文法。非常に基本的な問題集。二回目。格変化から結構間違えている。大学が始まる前には何とかしないと。
 留学先で同じ国同士の人が固まる。よくある傾向。せっかくドイツ来ている。語学研修ではないので、ドイツ人と同じように学ぶことができる。それなのに、日本人とつるんでは意味が無いような気がする。(まあ、むやみに日本人を拒むのもよくは無いが)もし明日大学が始まるならば、日本の友達が多くできるような気がする。というのも、ドイツ人の友達を作るドイツ語力がまだ無いからだ。今から専門の研究、勉強は置いといて、ドイツ語を必死に勉強していかないと。
 日本からドイツに来たというやつも、魅力があると思う。そういう人も友達にもなりたい。そして、ドイツ人の友人、ほかの留学生の友人も作らないとね。
● カッセルとハンミュンデン
 ゲッティンゲンは日曜でやることも無いので、今日も外に行くことにした。実はこう見えても私は旅行好き。旅行は人生の勉強である。ちなみに今日の旅行はすごくよかった。写真を撮りたいところであったのだが、残念なことにバッテリー切れ。充電するために今日はお休み。これが後々かなり後悔することになるのだが。
 先ずハンミュンデン。直感でハンミュンデン。難なく十時過ぎに駅をたち、いざハンミュンデンへ。ここは特に期待していなかった。観光地でもなさそうなので。駅に着いたら、何も無い。日曜なのですべてしまっている。電車が動いているのが奇跡みたい。
歩いて旧市街へ。方向は直感である。町の中心に近づくにつれて、中世の世界へ。町は非常にきれい。建物が木造!中心街の裏を出ると、そこには川が。もうタイムスリップしたみたいだ。昔の風景そのままなのだろう。晴天の下、土手で川を眺める。山の中なので空気がきれい。すごく落ち着く。その後教会を見学し、中心の噴水を見てカフェへ。チーズケーキとコーヒーを。このチーズケーキがいまいち!すっぱい。甘すぎる。大きい。蜂がいっぱい飛んでくる。その後歩いて駅に向う。町並みが非常に良かったので、OKとしよう。ハンミュンデンには五,六〇ユーロ。ちょうど私の実家から横浜くらいかな。
 
帰ろうかと思ったけど、また時間がある。ゲッティンゲンより近くのカッセルに行こう、と思った。カッセルへは近い。五ユーロ弱。
 カッセルの駅は薄暗く、治安の悪そうなところ。地図を見ても良く分からないので、出て左に行くことにした。街は整備されていて若干近代的。ちょうど後楽園から中央大学の坂を上っているような感じ。目の前には小さなお城があった。あそこに行ってみよう。そう思った。
 そこまでが登りで結構時間がかかった。そして、登りの森を抜ける。目の前が広がる。城がそびえている。これはすごい。体が震えるほどだ。目を思いっきり見開いてまじまじと見つめてしまう。木々が立ち並び、そこの先には大きな神殿みたいな家が。すごい。
 感動を写真に収めたかったのだが、残念。みんなこのビルヘルムスホーエにはぜひ行ってみるべきである。すごいから。その後、その山を登ることに。眺めがいい。すごい庭。水の芸術と呼ばれる仕掛けが動き出す。この庭は半端なものではない。噴水もすごい。明治神宮をはるかにしのぐ。ドイツに来て中世の町並みに感動していたけど、こういう貴族の建物というのもドイツの特長であろう。良かった。来て見るものだなぁ。
 今日はあまりドイツ語を話していないが、ドイツそのものを見るのも一つの勉強であろう。冬になるとドイツを観光するのは大変。夏の今の時期が最後になるであろう。ドイツを見る、もう少しやってみようかな。
 各駅停車だと時間がやたらかかるので、急行で帰ることに。十二ユーロ。結局かかったのが三十ユーロ前後である。三四〇〇円くらいであろう。それだけの値段でこれだけ感動できれば、おつりが来るであろう。(まあ、日本からここまで来るのにだいぶかかっているが)


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