マイナスの世界で心を暖めるニコラウス 十二月六日(金)
昨日は深夜過ぎまで友達と気孔について勉強していた。寝たのが一時、しかし七時におきる。眠い。眠いまま動物学。
そして、すぐに動物学実習。今日は非常に簡単。顕微鏡で細胞観察。動物細胞と植物細胞を比較するという話。三人でやったのだけど、私しか植物学の顕微鏡を受講していないために、みんな顕微鏡の扱い方を知らない。予定より一時間半早く終る。
その後カフェで動物学の予習と単語、顕微鏡実習の勉強をして家に帰る。久々に空手部の同期の親友とチャットする。ビデオチャット。便利な世の中である。
● ドイツ人の底知れぬドイツ語力
当然だが、ドイツ人に通じないドイツ語は無い。どんなマニアックな単語を言っても平然と返す。ここは勉強した外国人と差が見られる。
先日クリスマスマーケットに行ったとき、うちの学科の人たちに多くあった。そこで
「うちの学科のやつらは遊び好きだ」
というドイツ語を使った。遊び好き、いろいろ表現があるが、「Vergnungungssuchtig」という絶対に知らないだろうという単語を言ってみた。「フェアグヌングングスズーフティッヒ」と読む。直訳だと「享楽的」なのかな。そうすると、顔色一つ変えずに、
「そうだねぇ」
と返された。すごい、やっぱり知っているのだ。(当然だが。)私は昔からドイツ語のできる人を尊敬してきた。日本でドイツ語を自由に操る人はすごいと思って尊敬のまなざしで眺めてきた。その癖が、ドイツでも抜けない。ドイツ人がドイツ語を話すのはわれわれのように必死になって勉強したからではなく、ドイツの環境の影響で受動的に身につけたものだ。まったくもって、すごくは無い。日本人が日本語を話せて当然であるのと一緒なのである。その偏見があるから、内の大学のドイツ人学生を過大評価する傾向にあるのかもしれない。
● ニコラウス
今日はやたらと「ニコラウス、ニコラウス」とみんなが言っている。今日はサンタクロースみたいなものがプレゼントをくれる日らしい。私の部屋にも誰がつけたか、チョコレートがぶるさがっており、学生からはチョコレートをもらう。学食に行っても人形のチョコレートをもらう。
ドイツ人に聞くと、昨日の夜に靴を磨いておくと、翌朝にはお菓子などのプレゼントがいっぱい入っているという。それをくれるのがニコラウスらしい。詳しく聞かなかったがそういうこと。今日カイとのパーティはニコラウスに関係があるパーティだとか。なるほどね。
● 思い出に残るニコラウス
疲れすぎていたので、寝る。八時に待ち合わせ。そうしたら、電話でおきる。時計を見たら八時一七分。青ざめる。急いでカトゥーンというバーに行く。すると、中ではクリスマスパーティーが始まっていた。秋吉君とKaiと私の三人。いろいろなゲームをやり、おいしいご飯を食べ、ビールを飲む。ビールはサービス。一二時近く、ニコラウス登場。場が盛り上がる。みんな子供に戻ったようにはしゃぎ、クリスマスの歌を歌う。こっちまでうれしくなる。ニコラウスが登場すると、みんなで花火を着ける。夢のようなきらきらの世界。ニコラウスはみんなにプレゼントを配る。私は本やお菓子、食べ物などをもらう。これがクリスマスかぁと感心する。明日は大学で大規模なニコラウスパーティーがあるらしい。余裕があったらいってみようかな。ドイツのクリスマス、満喫してみようと思う。