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十三日の金曜日
今日は朝からいつもと別の道を使い中心地に行くことにした。
朝起きるのは相変わらず早い。五時には目が覚めている。そのために、朝はドイツ語の勉強をすることにしている。ドイツ語の格変化の練習。これは毎日やらなきゃいけない。それと、新聞「ゲッティンゲン新聞」の記事を日本語に訳し、それをドイツ語に直す。意外と難しい。これはある小説に出てくる外務省の役人がやっていた勉強法。
最初は大きなショッピングセンターに行く。Bauhausとか書いてあるところ。建築用品が売ってある。その後、カフェで朝食。砂糖の表示を見たら「サッカリン」が表記されている。ドイツで合成甘味料は買わないようにしよう。ドイツ人は有機野菜には敏感なのに、甘味料には疎いのかなぁ。
その後、まず大学に行く。パソコンはアカウントが無いために使えない。自分のパソコンを持っていき、強引につなぎ、そこからインターネットをやろうと試みたが、失敗。そこで、イーサネットからソフトを落とし、そこから直接繋ごうとしたが、そのソフトには一五〇ページのマニュアルがある。それを読んでいたら、留学が終わってしまいそうなので、来週を待つことにした。
やはりやるべきことは大学の入学証明。これさえできればOK。
中心地の教会を見学したり、買い物をしたりしていると、いつの間にか正午に。その後学生課に行くと、もう閉まっている。OUCHI!!今日すべてを終わらせられるつもりであったのに。残念。
ドイツの仕事時間は短い。日本はいつでもやっている。それに慣れているので、非常に不便を感じる。これは日本の顧客第一主義とドイツの労働者第一主義の違いであろう。日本は顧客のためにすべてを行う。そのために、二四時間営業の便利な店がそこら中にあるし、サラリーマンにも始発、終電で働く人がいる。生産物のクオリティも高いし、GDPが高いのも当然と頷ける。そのために、日本経済は強く、円も非常に強い。
すばらしい面があるが、それでも働くほうは大変であろう。ドイツは非常にのんびりしている。どこの会社もそんな印象がある。保険会社に行っても、どこか余裕がある。顧客のノルマ表を眺めながら外回りし続ける営業の社員などは、いる気配が無い。私の立場では、ドイツの形式がいいと思う。ある程度不便で良いので、労働者に余裕がある方が社会して成功しているのではないか。幸せな国民が増えたほうが国として勝ちのような気がする。まあ、経済的に余裕のあるほうがいいかもしれないけど。
(いずれにせよ、ドイツに来てまだ一週間しか経っていないし、ドイツの表面の表面しか見ていないので、ドイツについてあーだ、こーだいうのは見当違いかな)
● 自転車について
ゲッティンゲンは非常に自転車の多い町である。そのために、自転車にもルールがある。これには苦戦する。自動車と同様に自転車用の道があったり、一方通行であったり、もちろん歩行者優先である。街の中心部では自転車から降りなければならない。これは慣れるまでつらい。普通にこいでいると、前からすごいスピードで自転車が突っ込んでくる。逆走だからしょうがない。日本では自転車にはルールは軽い。歩行者を守るドイツ。そんなのが少し感じられた自転車ルールだな。
夕方はひたすら観葉植物を買いに回る。部屋がたいぶよく見える。見違えるようだ。棚も整理し、結構見た目がよくなった。これで人が来ても大丈夫。本屋でTV番組表とフランクフルトアルゲマイネ(新聞)を買う。再来週の九月二十二日に選挙を控えている。今の時点で私に選挙権があるのか分からないが、もしあったときのために、判断基準でも作っておかなければならない。政党の立場などが載っていたら読んでみようと思う。
夕方は偶然にも家の近くのアジアショップを発見。家の本当にすぐ近くである。そこには米も売っている。五キロで五,五ユーロ(七百円くらいかな)。一〇キロで千五百円前後って、日本では考えられない安さ。この安さなら日本では大ヒットするであろうが、農水省が黙っていない。「そんなことをしたら、農家が潰れてしまう。補助金を投入だ!価格支持だ!」
といった具合に安い米を認めないのではないかな。本来の米にかける経費などを考えれば、一〇キロ一五〇〇円も常識的なのではないかな。まあ、ドイツの食料の物価が全体的に日本の二割引くらいだから、なんともいえないがね。酔っ払っているドイツ人店員
「米、安いだろ。買ったらどうだ?」
「買いたいけど、炊飯器が無いんだよ。残念」
というと、
「じゃあ、俺が作ってやる。茶碗だけ持ってきてくれれば、ご飯をあげるよ」
いい案だけど、胡散臭いので却下!
町を徘徊していたら、偶然にも空手KARATEの文字が。月曜に空手をやるので、来てください、とある。これは行くしかない。日本の本物の武道を見せてやろうではないか。しかし、胴衣がまだ日本に置いてきぼりだ。こんなに早く出番が来るとは。