フィリピンは“安い”のか?
フィリピン・セブ島に教育移住したごえもんです。妻と現在3歳の息子と3人での移住生活が始まってから1年半以上が過ぎました。
海外教育移住を検討する上で、東南アジアの中で公用語が英語のフィリピンやマレーシアは“安価にいい暮らしができ、かつ英語も取得できる”という印象の方も多いと思います。しかし、ここ5年ほどの同国の経済成長や物価高、円安等でその実態は大きく変わったと言われています。
フィリピン・セブ島に実際に暮らしている私が、「フィリピンの生活は安いのか?」について感じていることをまとめました。
(マレーシアにも3ヶ月ほど滞在しましたが、共通する部分も多いと思います)
【結論】求める生活(モノ、サービス)の質による
はじめに結論をいいますと、多くは求める生活の質によると考えています。
生活の質とは、つまり手に入れるモノや受けるサービスの質のことです。
(モノについては、モノを手に入れるための快適さといった部分も含めてです)
当たり前といえば、当たり前ですよね…
いいモノやサービスを手に入れるためにはそれなりのお金が必要で、それなりのモノやサービスはそれなりの値段で手に入るという印象です。
実感としては、“日本と変わらない”と思います。
つまり、日本と同じ生活の質を求めたら、同じくらい(あるいはそれ以上)の費用がかかるということです。
※ここでいう「生活の質」は主観的ではなく客観的・絶対的な質を指します
そして、様々なことが“トレードオフ”だと身にしみて感じています。
具体的に挙げてみます。
住居
フィリピンやマレーシアでは「普通のアパートの家賃程度で、プール・ジム付きで敷地内が公園のようなタワマン(コンドミニアム)に住める」という印象があると思います。確かに、言葉としては間違っていないと思います。
ただし逆に考えてみましょう。日本だと至る所に公園があり、外は歩道が整備されていて、散歩やランニングなんかもしやすいです。しかし、フィリピンには自由に遊べる公園はほとんど見当たりません。(特に遊具があるような公園は皆無かもしれません。なお、GoogleMapで“Park”と検索すると、墓地が出てきます)
だから、小さい子どもたちを自由に遊ばせるにはコンドミニアムのプールやモールのプレイグラウンドしかありませんし、大人が運動するにはジムに行ったり敷地内を散歩するといった感じです。
また、コンドミニアムには警備員さんが常にいて安心ですし、コンシェルジュカウンターがあります。
ただ、それは治安が不安定だからだと思います。
それに、日本のような宅配ボックスなんかもありませんので、個人的にはむしろ面倒です……
よく考えると、タワマンだとそこに居住する大人数を最低限のコスト(警備員の数)で守れますよね。都市部の土地の問題も含めて、最適化された形なのだと思いました。
食事
日本と同じような環境・サービスの飲食店は、同等かそれより高いくらいの値段になります。
ローカルの屋台(カレンデリア)に行けば、値頃に食事ができます。
ただ、足元にネズミがいたり、野犬が残飯を狙いに来たり、物乞いがきたりとちょっと落ち着かなかったりします。
食材も、スーパーの値段は日本と変わらないと思います。日本の食材は、もちろん日本で買うより高いです。
生活用品
生活用品も日本と同等かそれ以上の印象です。
フィリピンは多くの島から成る国だから、どうしても海上輸送費を考慮すると高くなってしまうのでしょうか。
(100円均一ショップは素晴らしい……!セブにもダイソーがありますが、同じものが₱88≒230円です)
交通費
タクシー代は初乗り120円程度からで、とても安いです。バスも初乗り35円。バイタクという手段もあります。(セブには電車はありません)
しかし、これもトレードオフだと感じていて、日本だと「歩いて散歩でもしながらいこうかな」というくらいの距離でも、歩道が整備されていないので歩くのが大変です。
ちなみに個人的な話では、移住前は会社員で通勤定期が支給されていたので、都内に買い物や食事に行くときも交通費は支払わずに済むことが多かったです。
電化製品
通販などで驚くほど安い商品もありますが、届くと値段の理由がわかります。
スタンドライトを買ったときは、オモチャみたいな感じでした。
ロボット掃除機は、同じ箇所をぐるぐる回って全然別の場所にいかない……
きちんとしたものは、それなりの値段を払わないといけないと思いました。
これは、ネット販売で様々な業者が現れた近年の日本でも同じようなことがあるかもしれませんが……!
まだ結論づけれない部分
1年半では、まだ結論づけられない(結論づけたくない?)部分があります。それは「教育」です。
私立学校やインターナショナルスクールの価格は、日本と比較して安いと思います。
英語教育という意味では、特に私立学校は日本と比較してとてもお得だと思います。
ただ、日本の教育水準は高いと言われていますし、逆にフィリピンの特に数学の教育レベルは低めという話も耳にします。
しかしながら、教育の良し悪しは“成長したときにどうなるか”という未来の話ですし、短期でみても個々の発達度合いがあるのでよくわかりません。
いまのところ、比較したデータも見つけていませんし、見つけたとしても「過去〜現在」のデータと「現在〜未来のデータ」は同じにならないと思います。(教育の内容や政策が変わっていると思いますので)
何かヒントになる情報をお持ちの方はぜひ教えてください……!
最後に
以上、「フィリピンは“安い”のか?」について、筆者の感じたことをお伝えしました。
様々な個人の感じ方・考え方があると思いますが、個人的には日本に住んでいたときよりもQOLは落ちていると感じています。(QOLと、幸福度や欲求が満たされているかは別です)
生活費もそんなに安くなく、むしろ上がっている可能性もあるのに、なぜQOLが落ちてまでフィリピンにと思われるかもしれません。
しかし、筆者は、子どもの将来と自分たち(親)の視野を広げたいという思いから移住を決断しました。
「教育移住」の視点でフィリピンに決めた理由は以下のブログに書いた通りです。
フワッとした内容になってしまいましたが、最後まで読んでくださりありがとうございました!
※筆者ごえもんはフィリピン・セブ島(Cebu City)に住んでおり、同じフィリピンやセブ島でも違う環境の都市・地区はあるかもしれません。“ここは違うよ”という点がありましたら、ぜひ教えていただけますと幸いです。